若年層のチューインガム離れが進み、ガムの需要全体が縮小の一途をたどっている。
国内販売額は2013年まで9年連続で前年を割り込み、ピークだった04年の1881億円と比べて3分の2に減少。危機感を募らせた製菓各社は、新商品の投入やヒット商品のリニューアルだけでなく、ガムに親しみをもってもらうための啓発活動にも取り組んでいる。ただ、需要を奪ったのはスマートフォン(高機能携帯電話)だという想定外の調査結果もあり、需要の底上げには従来にはない新機軸の対策を迫られている。
「当社のガムでは原点といえる看板商品だけに、開発には力を入れ、おいしさとミントの爽やかさを追求した」
国内で推定50%程度のシェアを握るガム最大手のロッテは、新「グリーンガム」(想定小売価格は税抜き96円前後)を4月下旬に投入。河合克美常務は直前の発表会で、1957年の発売以来57年ぶりとなる大幅な刷新により、強化を図った商品力をアピールした。
新商品は、花が咲く前に最初に刈り取った「初摘みミント」を使って品質を高め、ミントの香りを引き立たせたのが特徴で、主なターゲットは30〜50代の男女。味のバランスも考慮してシュガーレスとし、板ガムだけでなく粒ガムもラインアップに加えた。「菓子の原点といえる『おいしさ』に立ち返った」(広報室)という自信作だけに、旧商品と比べた売れ行きは2桁の伸びを維持し、好調だ。
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