くろねこ日記

ナンパ、恋愛、性愛などに纏わるブログです。趣味の話も。




△Recent Entries






そんな風に思える毎日

f:id:qloneko:20140329104640j:plain

彼女と飲んでいた。新宿三丁目の小さな飲み屋さんで。なんだか、話がうまく噛み合わなかった。意見が食い違ったりした。仕事帰りで疲れていたし、周りの人の会話している声の大きさ、煙草の煙、色々なものにイライラしてきて、居た堪れなくなってお店を出た。そのまま帰ろうかとも思ったけれど、新宿駅東口の立ち飲み屋さんに寄ることにした。ナンパのことを少し話した。でも、事の重大さは上手く伝えられなかったようだった。彼女は正論のような、綺麗事のようなことを言ってくる。僕はそんなものを求めているのではなかった。話が上手く通じなかった。自分のコミュニケーション能力のなさに情けなくなった。家まで連れてきて、セックスしようとした。拒絶された。意味が分からなかった。彼女とセックスできないなら、誰とセックスすれば良いのだろうか。その発想がそもそもおかしいのかもしれない。彼女は一般的な女の子がそうであるように、恋愛とセックスを結びつけて考えていた。正直、なんか違うなぁと思った。そう思ってしまった。

今日は渋谷でナンパ講習だった。終わって、暇になったのでカフェに来て、何をしようかと思ったのだけれど結局ブログを書くことにして、今これを書いている。つくづく悲しい人間だなと思う。僕は彼女のことが好きではないのだ。好きになろうと努力してみたけれど、「努力」するというのがそもそもおかしな話であって、恋愛というのはそういうものではない気がする。彼女も彼女の方で、僕に言い寄られたから付き合ってみたというだけで、僕のことが好きなわけではないのだと思う。僕のことをもっと知っていくうちに好きになろう、という努力をしてくれようとしていたのではないかと思う。お互いがお互いに、空回りしていたのだ。眼の前に、誰よりも近い距離にいながらも、心は遠いままだった。お互いに全く違う方向を向いていた。こんなのは、続けていても意味がないように思ってしまった。続けることによって見えてくるものも何かあるのだろうか。よく分からない。

僕は元来嘘がつけないから、思ったことを素直に言ってしまうか、あるいは何も言わないで黙っているか、どちらかになってしまうことが多い。そして、幸いにも口数が多い方ではないし、周りの人たちもそう思っているから、黙っていても何とかなることが多い。本音を言ってしまうことで、相手を傷つけることもある。本音を言うことが怖いときは、黙ってしまう。けれど、それではなかなか関係が先には進まない。本当のことを言わなければ、だらだらと関係を続けることはできる。あたかも、普通のカップルのように、他愛のない会話なんかをして、笑い合ったりなんかして。でも、そんな関係には何の意味もないと思うし、興味もない。あるいは僕は、相手に自分の承認欲求をぶつけようとしていただけなのだろうか。今までやってきたナンパのことを話して、それを受け入れてもらいたいだけ。でも、それさえも上手くできない。やろうという気持ちになれない。そうなれば、心を閉ざして関係を続けていくか、あるいは関係を終わりにするしかない。

セックスの最中に訊いた。セックスの最中にしか、本当に大切な話をすることができない。僕はどうしようもない人間だ。彼女は「不安だ」と言った。当然のことだろう。全くと言って良いほど、僕は彼女に好意を伝えていない。伝えていないのではなくて、そもそも好意を抱いていないのだから、伝えようがない。そんなのを、果たして恋愛と呼ぶことができるだろうか。相手のことを「彼女」とも呼べないし、僕の方だって「彼氏」ではない。言ってしまえば、街で適当に声をかけただけの女の子だ。偶然の、運命的な出会いというのでもないし、僕からすれば、いつもと同じような手順を踏んだだけに過ぎないのだから。

新宿や渋谷に行くと、ナンパをしていた頃のことを思い出してしまう。ついつい、道行く女の子を眼で追ってしまう。どんな風に声をかけるかをシミュレートしてしまうことも多々ある。ナンパにはドラッグのような依存性、中毒性があるなとつくづく思う。ナンパというより、むしろその先にあるセックスには、というべきかもしれない。

渋谷で、通りを行き交う人達を眺めていた。ナンパをしている人を見かけた。背の高い、綺麗な女性に声をかけていた。相手は全く話を聞こうとしていなかった。ナンパ師はクネクネしながら、必死について行こうとしていた。それを見て、なんとなく分かったような気がした。僕は今まで何をしてきたのだろう。自分が女の子だったら、あんなことをずっとしている男なんて絶対に嫌だ。

元カノから手紙が届いた。何度も読み返して、その度に泣いた。あの子は、ナンパを始めてからできた、最初で最後の「彼女」だった。最初で最後の「恋愛」だった。沢山の女の子と関係を持ったけれど、本当の意味で「彼女」になったのはあの子だけだった。誰でもよかったはずの、誰か特定の女の子を、その子でなければならない、特別な存在として、たったひとりの大切な存在として見做すこと…。今の彼女を、そういう特別な存在として見做すことは…できなかったし、今後もできる気がしない。かといって、元カノとよりを戻すこともできない。想像しただけで胸が痛くなる。途方もない気持ちになる。一度壊れてしまったものは、もう元には戻らないのだ。それは仕方のないことだ。誰にも、どうすることもできない。

どんな形であれ、他の誰でもなく、その子でなければならない、そんな風に思えるような、世界でたったひとりの女の子と出会うことができたならば、それはどんなに幸せなことだろうと思う。