NEWS / HEADLINE - 2020.4.9

ひろしまトリエンナーレ、空中分解へ。総合ディレクターが辞任し緊急声明を発表

今年初の開催を予定している「ひろしまトリエンナーレ2020 in BINGO」で、総合ディレクターの中尾浩治が辞任。緊急声明を発表した。

「ひろしまトリエンナーレ2020 in BINGO」のロゴマーク

総合ディレクターが抗議の辞任。新設される「アート委員会」とは?

 今年9月12日〜11月15日の会期で予定されている広島県初の大規模芸術祭「ひろしまトリエンナーレ2020 in BINGO」で、総合ディレクターの中尾浩治(アート・マネジメント・しまなみ代表)が3月31日付で辞任、緊急声明を発表した。

 同芸術祭をめぐっては今年3月、実行委員会や企画部会とは別に、展示内容を事前選定する検討委員会設置の方針を県が表明。美術界からは「検閲に当たるのではないか」として大きな反発が起こっている。中尾の辞任と緊急声明は、こうした県の動きに対する抗議だ。

辞任した元総合ディレクターの中尾浩治

 そもそもなぜ県は検討委員会を設置しようとしているのか? その背景には、芸術祭のプレイベントとして開催された「百代の過客」がある。「百代の過客」では、「あいちトリエンナーレ2019」の一企画である「表現の不自由展・その後」に出品された大浦信行の映像作品《遠近を抱えてPartII》(2019)が展示され、広島県に抗議が寄せられていた。

 こうしたことを背景に、広島県の佐伯安史・商工労働局長は県議会の代表質問において「観光・地域経済・芸術の、各分野の知見を有する者で構成する、実行委員会とは独立した委員会を新たに設け、開催目的を達成できる展示内容を決定していきたい」「実行委員会の主催イベントであるか否かを問わず、トリエンナーレの枠組みに入るものは、すべてこの委員会に諮りたい」と発言している。

 県の検討委員会は、4月10日の実行委員会において「アート委員会」として新設される予定だ。アート委員会を構成する委員は、観光・経済・芸術の各分野から「知見を有する者」を7名程度で、実行委員会が任命。その業務は、県庁観光課職員が主宰する「アート部会」の検討内容をもとに、展示内容を選定するというもので、選定は「原則全会一致」だという。