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【私説・論説室から】

現代版「水戸黄門」

 おもしろいビデオを見つけた。時代劇の水戸黄門が好きな人にはお勧めだ。

 舞台は原子力規制委員会の審査会。黄門様は審査会の座長役を務める地質学者の石渡明・同委員会委員、助さん格さんは原子力規制庁の職員、悪徳商人(越後屋)の役回りは日本原子力発電(原電)だ。原電は敦賀原発2号機が地質学的な理由から廃炉の窮地に立たされていて、その申し開きをしている。

 表現上、事実とは異なる場合があることをお断りします。

 越後屋 ボーリングデータでございます。

 助さん 以前は軟らかい粘土層があると書いておったのが、今回は硬いとなっている。

 越後屋 それは顕微鏡でよく調べたからで。新しい調査結果を入れてございます。

 格さん あったことをなかったことにしているのではないか。

 越後屋 書き換えはよくやるでしょう。

 黄門 黙らっしゃい。都合よく書き換えるなんてことは役人はやっても、科学者や技術者はしません。触って軟らかかったものが、よく見たら硬いなんてことがありますか。

 原電は東京電力などの支援を受け、東電には公的資金が投入されている。ドラマと違って、越後屋を懲らしめればすむ話ではない。

 ビデオは規制委のHPで「新規制基準適合性に係る審査会合2月07日」にある。一時間すぎからが見どころである。 (井上能行)

 

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