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~PayPayが見据える決済方法の未来~~PayPayが見据える決済方法の未来~

不動産業界でキャッシュレスが進まない理由不動産業界でキャッシュレスが進まない理由

全3回に渡り、日本のキャッシュレス化の実情とPayPayの取り組みについて紹介する本企画。2回目となる今回は、PayPay株式会社 執行役員営業企画本部長の畑中基氏へのインタビューを通じて「不動産業界でキャッシュレスが進まない理由」を明らかにしていく。QRコード決済に対する関心が一気に高まってきた背景には、2018年12月4日から開始したPayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」があげられる。これをきっかけに、PayPay累計登録者数は400万人を突破。PayPayで一度でも決済した店舗は、キャンペーン開始前の約10倍に増加し、小規模店舗を含む、多くの小売企業が、PayPayを利用できる環境を整えた。PayPayによって、QRコード決済という方式に注目が集まり、今後は、様々な業種で、PayPayの利用を促進させる考えだ。カフェなどの飲食、コンビニエンスストアをはじめとする小売、タクシーなどの交通のほか、不動産業界も視野に入れているという。PayPayは、今後どんな広がりをみせるのか。PayPay株式会社 執行役員営業企画本部長の畑中基氏に聞いた。

畑中 基

「100億円あげちゃうキャンペーン」のインパクト

 日本のキャッシュレス化を少なからず促進するきっかけとなったのが、2018年12月4日からPayPayが開始した「100億円あげちゃうキャンペーン」だ。 同キャンペーンは、PayPayで支払うと、毎回の買い物ごとに20%相当のPayPayボーナスが戻ってくるほか、PayPayの支払いで、40回に1回の確率(Yahoo!プレミアム会員は確率が20回に1回、ソフトバンクとワイモバイルのスマホユーザーは確率が10回に1回)で、全額が戻ってくるというもの。その費用として100億円を用意。12月4日のキャンペーン開始から、3月31日までの期間に達するか、100億円の付与総額に達するかのいずれか早いほうの時点でキャンペーンを終了するとしていた。だが、ウェブやSNS、新聞、テレビなどで注目を集め、キャンペーン開始から、わずか10日後の12月13日には付与総額の100億円に達して終了した。「これは想定を上回る反響だった」と、畑中氏は振り返る。

 ちなみに、100億円に達してから、その日の深夜に締め切るまでの分を含めた最終的な付与額は、115億円に達している。

 このキャンペーンをきっかけに、PayPayの認知度は76.1%と大幅に上昇。2018年10月のサービス開始以来、わずか4カ月で、QRコード決済サービスのなかでナンバーワンの認知度となり、サービス理解度も28.6%と一気に上昇した。現時点での累計登録者数は400万人を突破しており、これは、PayPayの出資会社の1社であるYahoo! JAPANの歴史を見ても、過去最速となるスピードだ。 さらに、PayPayで一度でも決済した店舗は、キャンペーン開始前の約10倍に増加。多くの人が利用し、さらに多くの加盟店で決済が行われたことを裏付けた。

 そのPayPayが、2月12日から新たに開始したのが、「第2弾100億円キャンペーン」だ。支払額の最大20%相当をPayPayボーナスとして付与するキャンペーンと、抽選で全額のPayPayボーナスを付与するキャンペーン「やたら当たるくじ」の2つで構成する。

 第1弾キャンペーンが、「QRコード決済を知って欲しい」、「PayPayを知って欲しい」、「一度でもPayPayを使ってほしい」という3つの目標を掲げたのに対して、第2弾キャンペーンの目的は、「より多くのユーザーに、日常的に、何度も繰り返しキャッシュレス決済を体験してもらうこと」と位置づける。

 「第2弾100億円キャンペーン」は、2019年2月12日から開始し、100億円の付与額に到達するか、2019年5月31日になるまでのいずれかで終了する。 100億円の規模、最大で20%のボーナス付与、抽選を用意するという仕組みは変わらないが、1回あたりの付与額の上限は1000円とし、抽選の頻度は10回に1回の確率で100%相当を付与する形に高め、さらにYahoo!プレミアム会員であれば、5回に1回の確率で、1000円を上限に全額が付与される。 上限額を設定したことで、第1弾のように高額での決済よりも、少額決済が中心になるが、繰り返し利用してもらうための仕掛けとして100億円もの資金を、再び用意したのは驚きだ。

畑中 基

キャンペーンの狙いは「利用者数の拡大」だけではない

 このキャンぺーンにおいては、利用者数の拡大が注目されるが、実はもうひとつ大きな狙いがある。 その狙いについて、畑中氏は次のように語る。「多くの人に日常的に利用してもらうため、重視しているのは、使える店舗を増やすこと。長い期間、何度も繰り返し毎日利用してもらうためには、コンビニエンスストア、ドラッグストア、カフェなどに加え、飲食店、クリーニング店、タクシーなど、日常で利用できる店をさらに拡大したい。そして、個店や商店街でも利用できるようにしていきたい」とする。 これは今回のキャンペーンの狙いだけに留まらず、PayPayの利用をさらに加速させるためには、最重点ともいえる取り組みと位置づける。利用できる業種やエリアといった「幅の広がり」によって、日常的な利用を促進する考えだ。 業種の広がりという点で特筆できるのが、不動産業界での導入である。 先頃、PayPayでは、大手不動産賃貸仲介業のエイブルと提携。国内直営店舗でPayPayを利用できるようにした。PayPay残高払い、クレジットカード決済によって支払い可能項目は異なるが、入居費用など一時金で支払いができる。エイブルでは、東京北エリア店舗から順次利用を開始し、全国の店舗で来店決済ができるようにする計画だ。

 「不動産業界は、QRコード決済とは縁遠かった業種のひとつといえるかもしれない。しかし、インドでは、電気、ガス、水道などとともに、家賃の支払いにもQRコード決済を利用している例がある。将来的には、そうした点を含めて、家まるごとの費用をPayPayで支払うことができるようにしたい」と意気込む。

特定の業種を重点的に増やすことはしない

 今後、サービスの幅を広げていくことになりそうだが、見方を変えれば、不動産業界でもPayPayが利用できることは、あらゆる場所でPayPayが利用できることを象徴するものになるといえるだろう。 畑中氏は、「私たちは、基本的には幅広い店舗に利用してもらいたいと考えている。ある業態や、あるエリアでしか使えないというものにはしたくない。幅を広げることで、いろいろなところで、PayPayを利用できることを知ってもらい、利用するユーザーを増やし、利用する機会を増やしたい」とする。

 現在、PayPayは、全国20カ所の営業拠点を設置。それらの拠点や各地でのセミナーを通じて加盟店を拡大する活動を地道に進めているが、その際に、特定の業種を重点的に増やすという方針はないという。 PayPayは、今後、不動産業界をはじめ、様々な業種での利用促進を図る取り組みを加速する考えだ。なお、PayPayの主な加盟店については、ホームページで紹介しており、PayPayアプリ内のマップで近くの加盟店を確認することができる。

執筆:大河原克行

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