現地時間の2018年2月6日深夜、台湾東部の花蓮沖でマグニチュード6.4の地震が発生。揺れが最も大きかった花蓮市では「統帥大飯店(マーシャルホテル)」が倒壊。9日現在、死者10名、負傷者273名、そして7名がいまだ行方不明という状況で、余震や降雨による二次災害も懸念されている。

この地震を受け、日本は救援チームを派遣。複数の企業も支援を表明しているが、一般の私たちに何かできることはないのか。義援金を送りたいけど、どこに送ればいいの? 

地震発生から3日、いくつかの機関が義援金の受付を始めたので、募金の方法とその届け先をあわせてお伝えしたい。

最も簡単に支援できるのが、日本から義援金受付をしている機関の窓口を通して送るという方法だ。いち早く窓口を開設したのが「Yahoo!ネット募金」、そして交流団体「日台若手交流会@名古屋」である。


【「Yahoo! ネット募金」での募金方法と届け先】

「Yahoo! ネット募金」では、ユーザーが募金をすると、その同額をYahoo! JAPANからも寄付する「善意を2倍」という取り組みで受付を開始。すでにYahoo! JAPANからの寄付の上限額500万円は到達しているが、引き続きユーザーからの募金は受け付けているという。

・募金方法

クレジットカードやTポイントでの寄付が可能で、最も手軽な寄付方法と言えるだろう。

・届け先は「国際NGOなど」

なお、集まった義援金は「緊急救援活動、被災地復旧支援ならびに被災者支援、生活支援、復興支援を目的に活動する国際NGOなどの団体へ寄付」とのこと。受付期間は2月28日までだ。


【「日台若手交流会@名古屋」での募金方法と届け先】

「日台若手交流会@名古屋」は、名古屋を拠点に日台の若者の交流を行っている非営利団体だ。交流活動や台湾情報の発信のほか、2016年の台湾南部地震の際には、義援金を直接台南市に届けており、現地ニュースでも取り上げられている。実績がある団体と言えるだろう。

・募金方法

ゆうちょ銀行「二一八(ニイチハチ)支店 (普)2907826」、及び、郵便局「12150-29078261」で受け付けている。振込先はいずれも「日台若手交流会(ニッタイワカテコウリュウカイ)」だ。

・届け先は「花蓮県政府」

代表の加藤秀彦氏によると、「募金はお金を届けると言うより、『台湾のために何かしたい』という日本人の想いを届ける物」と考えているという。

集めた義援金は全額花蓮県政府の義援金窓口に届けられる。使い道に関しては、花蓮政府の判断となるそうだ。ただ、「寄付するときに被災者救援や今後同じような被害が起こらないようにインフラ整備に充てるように要望するつもりです」とのことである。


【台湾「衛生福利部」での募金方法と届け先】

日本の窓口への募金は簡単だが、現地に届けられるまでにタイムラグがあるもの。今すぐ現地に送りたいという人は、台湾政府に直接送るという方法もある。台湾の厚生労働省に相当する「衛生福利部」では国外からの募金も受け付けている。

・募金方法

『兆豊国際商業銀行 国外部』の指定口座「衛生福利部賑災専戸(番号:007-09-11868-0)に振り込み。なお、振込の際は備考欄に「「#0206花蓮震災専案」または「0206 Hualien Earthquake」の記載が必要だ。

詳細は、台湾において日本大使館業務を執り行う「日台交流協会」でも告知されているので、募金する人はそちらもご確認いただきたい。

・届け先は「台湾政府」

衛生福利部からは具体的な用途についての発表はないが、届け先は確実。衛生福利部、つまり台湾政府である。


【台湾LINE Payでの募金方法と届け先】

利用にはいくつか条件があるものの、こんな方法もある。メッセージアプリ『LINE』だ。

・募金方法

LINE Pay を利用したもので、一口200台湾ドルから寄付が可能。手数料も無料となる。しかし残念ながら日本で契約したアカウントでは利用できないという。現地のアカウントを持っている人は、試してみてはどうだろうか? なお受付は3月7日まで。

・届け先は「花蓮県政府」

台湾LINE Pay を通して、花蓮県政府の義援金口座に、直接振り込まれる。


そのほか、東日本大震災の被災地であり台湾から多くの支援を受けた宮城県南三陸町が町ぐるみで募金活動を行うなど、各地でも動きが広まっているようだ。

2011年にいち早く支援の手を差し伸べてくれた台湾。今回の震災に際し、「今度は私たちが恩返しする番」と多くの日本人から支援を申し出る声が上がっている。だが、そういう善意がある一方で、そこにつけこむ悪意も必ず出て来るものである。最もわかりやすい例が “募金詐欺” だろう。

被災地に届かないのであれば意味がない。義援金を贈る際は届け先や用途をよく確認し、被災地の支援になる方法を選びたいものだ。

参照元:Yahoo!ネット募金日台若手交流会@名古屋中央社台湾「衛生福利部」日台交流協会蘋果日報時事通信NHK
執筆:沢井メグ