以前、
『2,000円以上購入で送料無料』がなぜ失敗したのか?
という記事で、ベビー服EC『べびちゅ』史上最大級の失敗について、その原因を客単価と粗利単価の数値を使って、説明させていただきました。
今回は、実際の客単価と粗利単価の分布図を使って、
2,000円以上購入で送料無料の期間にいかにおかしなことが起きていたかを説明したいと思います。
分布図にして視覚的にみると、単なる数字の羅列をみるより、インパクトがありますね。
客単価11,184円で粗利単価が-398円。
頭では理解していたつもりでしたが、ヤバいです。
2,000円以上購入で送料無料。収益を圧迫するわけです・・・。
それでは、気になる結果について説明していきます。
前提条件
『2,000円以上で送料無料期間の最後の月2016年8月』と『客単価や粗利単価がかなり回復してきた2017年3月』の客単価と粗利単価を比較しました。
粗利単価は、 次の式で計算しています。
粗利単価=客単価-商品原価-発送費用-支払手数料(クレジット決済など)-梱包資材の費用
各月の分布図について
粗利単価を縦軸、客単価を横軸として、お客様ごとに点をプロットし、点がどのように分布しているかを表しました。(以下、分布図と呼びます)
2016年8月の客単価と粗利単価の分布図と2017年3月の客単価と粗利単価の分布図は、以下の通りとなりました。
各分布図から分かること
赤で囲ったところが、粗利単価がゼロ以下、つまり赤字です。
まず、2016年8月の分布図を見てください。
客単価が低くて、粗利単価が低くなるのは、分かります。
しかし、客単価が高くて、粗利単価がマイナスって・・・。
(もはや、粗利単価ではなく粗損単価ですね・・・。)
それに対し、
2017年3月の粗利単価が大幅に改善されていますよね?
客単価6,000円以上では、粗利単価がマイナスの点は存在しません。
そして、粗利単価がマイナスになっている点もずいぶんと少なくなっています。
視覚化による効果
こうやって、分布図にして視覚的に見えるようにすると、何が悪いのかとこれからどんな施策を打てばよいかが明確になってきます。
2016年8月と2017年3月の分布図の比較から分かることは、大きく次の2点です。
- 客単価よりも粗利単価に注目することが重要(客単価が高くても、粗利単価がマイナスになることがある)
- 粗利単価は、平均ではなく分布でみることによって、施策が打ちやすくなる
- 低い粗利単価のお客様を減らす
- 高い粗利単価のお客様を増やす
まとめ|今後のべびちゅの方針について
本結果を受けて、
べびちゅでは、2017年6月より、粗利単価の水準を更に引き上げることに取り組んでいきます。
分布図から導き出された施策をどんどん実施していき、粗利単価大幅アップとしていきたいと考えています。
実施していく施策については、随時、記事にしていきたいと思っていますので、楽しみにしておいてください!
また、成果がうまくでれば、弊社が提供を予定している新サービス『FULL KAITEN』の新機能として、追加しようと考えています。
こちらも楽しみにしておいてくださいね!
以上、本記事が貴社のEC運営のお役に立てれば幸いです。