20代後半から30代前半にかけて、薄毛を気にし始める男性は非常に多いです。
- 髪質が変わった気がする
- 将来ハゲると言われ続けてきた
- 父や祖父をはじめ薄毛の人が多い
- 薄くなったと冗談っぽく言われる
・・・
人それぞれ気にし始める理由は違いますが、「まさかこんなに早く。。。」とショックを受ける男性は年々増えています。
そこで今回は、AGAの原因について詳しくまとめ、その対策や改善方法についてお話していきます。
AGAは早めに対策することで、改善できます!
目次
1.AGAとは
AGAとは、男性型脱毛症の事で、薄毛に悩む約9割の男性の原因がAGAと言われています。
AGAは、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンが原因で引き起こされる生理現象であり、病気ではありません。
円形脱毛症など、薄毛の原因はAGAだけではないので、注意するようにしてください。
AGAかどうか不安な場合は、下記記事でAGAのセルフチェックをしてみてください。
また、AGAの初期症状についてはこちらの記事でまとめているので、すでに症状が出ている気がする場合は、こちらも合わせて参考にしてみてください。
2.AGAの仕組み
AGAは、次のイラストのような仕組みになっています。
テストステロンという男性ホルモンと5αリダクターゼという酵素が結び付き、DHTという男性ホルモンができます。(このDHTがAGAの根本的な原因です)
遺伝子(アンドロゲンレセプター)とDHTが結びつくことで、毛根の細胞分裂を邪魔してしまい、AGA(薄毛)が進行していきます。
まずは簡単に、それぞれの項目についてご紹介します。
AGA
先ほどもご紹介しましたが、男性型脱毛症の事で、男性ホルモン(DHT)が原因の生理現象になります。
遺伝子(アンドロゲンレセプター)
アンドロゲンリセプターは、母方の遺伝の影響を強く受ける遺伝子で、DHTと結びつくことで毛根に悪影響を与えます。
アンドロゲンレセプターとDHTの結びつきやすさ(感受性の強さ)は遺伝によって決まります。薄毛になりにくい人は結びつきにくく、薄毛になりやすい人は結びつきやすくなっています。
DHT(ジヒドロテストステロン)
DHTは、男性ホルモンであり、AGAの元凶です。(遊離)テストステロンという男性ホルモンと5αリダクターゼ(Ⅱ型)という酵素が交わることで、生成されます。
DHTとAGAは切っても切れない関係にあるので、下記の記事で詳しくご紹介しています。
テストステロン(遊離テストステロン)
テストステロンとは男性ホルモンの事で、いくつか種類があります。その中でも、遊離テストステロンがDHTの原因となっています。
この遊離テストステロンの量も遺伝によって決まっていますが、アンドロゲンリセプターとは違い、父方・母方に関係なく強い方の影響を受けます。
5αリダクターゼ(5αリダクターゼⅡ型)
5αリダクターゼは酵素であり、Ⅰ型とⅡ型という2つのタイプに分けられます。
DHTを生成する原因はⅡ型がメインと考えられています。(もちろん、Ⅰ型もDHTを生成します。)
3.AGAの直接的な原因
AGAの元凶はDHTですが、DHTはテストステロンと5αリダクターゼによって作られ、アンドロゲンレセプターと反応して初めてAGAの元凶となります。
それを踏まえると、AGAの主原因は次の3つに分けられます。
原因1.DHTと遺伝子の感受性の大きさ
アンドロゲンレセプターとDHTの結びつきやすさ(感受性が強い)が強いと、AGAになりやすいです。
母方の祖父等が、前頭部や頭頂部から薄毛になっていったのであれば、感受性が強い可能性があります。(60歳以上の抜け毛は老人性脱毛症と言われ、細胞の老化が原因ですので関係ありません。)
ただ、アンドロゲンレセプターの感受性の強さは、完全に遺伝になってしまうため、特に対応することはできません。
原因2.遊離テストステロンの量
遊離テストステロンは、DHTになる前の男性ホルモンになるので、この量が異常(多すぎるor少なすぎる)だとDHTが多く発生してしまい、AGAが進行しやすくなってしまいます。
遊離テストステロンの量が乱れるのは、ホルモンバランスの乱れが主な原因ですので、ホルモンバランスの改善が重要になってきます。
遊離テストステロンがDHTの原因という事で、その量を減らそうとする方もいますが、男性にとって大切な男性ホルモンを減少させるのは良くありませんし、遊離テストステロンが少なすぎてもDHTを大量発生させてしまうので、絶対にやめるようにしましょう。
原因3.5αリダクターゼⅡ型の量
5αリダクターゼⅡ型は、遊離テストステロンをDHTにする酵素なので、遊離テストステロン同様、AGAの原因になります。
5αリダクターゼⅡ型は、遺伝の影響を強く受けますが、食事やサプリ、薬を使用してある程度抑えることができます。
AGA対策の基本は、この5αリダクターゼⅡ型を抑える事から始まります。
4.薄毛の根本的な原因
薄毛になる原因は、AGA以外にもたくさんあります。
ここからは、AGAである・ないに関わらず、薄毛になってしまう原因をご紹介していきます。
薄毛の根本原因は次の2つになります。
根本原因1.間違ったヘアケア
代表的な間違ったヘアケアは次の5つになります。
- 女性用のシャンプーを使う
- 頭を濡らしてすぐにシャンプーする
- シャンプーを頭で泡立てる
- 力強く髪や頭皮を洗う
- 夜はお風呂に入らず朝シャンで済ませてしまう
全部当てはまってしまうという方も少なくないのではないでしょうか?
こうしたことは必ずやめるようにしましょう。
根本原因2.血行不良
頭皮や髪の毛への栄養は、当たり前ですが血液で運ばれてきます。
その血液の量が少ないと、どうしても薄毛になってしまいがちです。
血液の流れが悪いと頭皮環境が悪くなり、頭皮への栄養分が不足してしまいます。
田んぼをイメージすると分かりやすいのですが、
- 田んぼの土が頭皮環境
- 田んぼの水分が栄養分
- 田んぼの稲が髪の毛
だとします。
少し極端ですが、血行不良の方の頭皮の状態が左、正常な方の頭皮の状態が右のようになります。
※イメージ:左が血行不良の人の頭皮環境、右が正常な頭皮環境
当たり前ですが、左側のような頭皮の状態では、稲=髪の毛も育たないですよね?
そうならないために、血行不良を改善するのはとても大事です。
お風呂はシャワーで済ませてしまう方や肩こりに悩んでいる男性は多いと思いますが、そういった事は血行不良の原因になってしまうので、可能であれば入浴や肩こり解消などを心がけてみてください。
5.おすすめのAGA対策方法~自分で出来る編~
専門のクリニックや薬を使わずにAGAや薄毛対策をする場合は、次の7つの事に気をつければ、とりあえず問題ありません。
とりあえずというのは、実際に薄毛の症状が出始めている場合は、専門のクリニックを利用する必要があるからです。(自分ではどうにもできません。。。)
対策1.汗をかき(DHT)を排出する
DHTは汗をかく事で、体外に排出することが出来ます。
DHTを体外に排出したとしてもその量が少ないため、AGAの進行を止めることはできませんが、ストレス解消や血行促進、など様々な効果が見込めるので、基本的なAGA対策としておすすめです。
DHTの排出方法については、下記記事でもご紹介しています。
対策2.サプリメントで5αリダクターゼを抑える
5αリダクターゼを抑える成分として、亜鉛やノコギリヤシが有名です。
他にも、アロエエキスやリモネンも効果があるので、こうした成分が含まれているサプリをおすすめします。(DHC等のサプリメントでは、比較的安い価格でこうした成分を摂取することが出来ます)
食事や薬を使って5αリダクターゼを抑える方法については、下記記事でも詳しくご紹介しています。
また、サプリメント選びのポイントや成分の詳しい説明は、下記記事で詳しくしています
対策3.食生活を改善する
薄毛に限らず健康の基本ですが、正しい食生活をすることで、ホルモンバランスを整え、頭皮に送る栄養も多くなります。
偏った食生活では、頭皮に送る栄養も偏ってしまいますし、ホルモンバランスとは関係なく頭皮環境を悪化させてしまいます。
対策4.ストレスを軽減する
ストレスが溜まると血流が悪くなることはもちろん、ホルモンバランスも崩れてしまいます。
自分なりの解消法を見つけ、定期的に解消するようにしましょう。
ストレスによってホルモンバランスが崩れる仕組みや気をつけておきたいストレス解消法については、下記記事で詳しくご紹介しています。
対策5.冷えを改善する
冷えを改善することで、頭皮の血行を良くし、ホルモンバランスを整えることが出来ます。
冷えは血行不良からきているので、お風呂に浸かったり、肩こりを解消することが改善のポイントになります。
ホルモンバランスと冷えの関係や改善方法については、下記記事で詳しくご紹介しています。
対策6.ヘアケアを見直して頭皮の環境を改善する
間違ったヘアケアを続けてきた人ほど、正しいヘアケアで頭髪環境を改善するだけで、効果が現れるはずです。
先ほどもご紹介しましたが、正しいヘアケアの方法は、下記記事で詳しくご紹介しています。
ヘアケアシャンプーの選び方については、下記記事で詳しくご紹介しています。
対策7.血流をよくして血行不良を解消する
自分で行えるマッサージや入浴をして血行不良を解消しましょう。
1つ1つの対策の効果は大きくありませんが、複数を組み合わせて行うことで、効果的なAGA対策が見込めます。理想としては、栄養補給・ホルモンバランス・血行改善の3つを同時に行っている状態です。
血行不良を解消するための詳しい情報は、下記記事でもご紹介しています。
6.おすすめのAGA対策方法~専門薬編~
AGAの症状が出始めた場合は、専門薬を使った治療を行うことが最も効果的です。
ここでは、効果的とされている2つの薬を紹介していきます。(AGA専門のクリニックを受診してから薬は服用してください)
プロペシア
プロペシアはフィナステリドを主成分とした薬で、5αリダクターゼⅡ型を抑える効果があります。(5αリダクターゼⅠ型を抑える事はできません。)
用法用量を守って服用すれば大きな危険はありませんが、妊娠前後の女性にはとても危険な薬ですので、必ず専門医の指導の下利用するようにしてください。
プロペシアの効果や副作用については、下記記事を参考にしてみてください。
ミノキシジルタブレット
ミノキシジルタブレット(通称ミノタブ)は、頭頂部の血行を改善する効果があります。
ミノタブはもともと高血圧の方用の薬だったので、低血圧の方は事前に専門医に伝えるようにしましょう。
ミノタブはロテニンという薬が正規品なのですが、日本では認可が下りていない為、専門クリニックが独自にミノキシジルを配合したミノタブを処方してもらえます。
ですので、プロペシアとは違いミノタブに関してはクリニック毎に微妙に異なる薬を処方されることになります。
ミノタブの詳しい効果や副作用については、下記記事で詳しくご紹介しています。
7.AGAの対策を急がなければいけない理由
AGAは進行型の脱毛症ですので、自然治癒することはなく、対処しないと症状が悪化する一方です。
AGAになると、DHTによってヘアサイクルが乱され、薄毛になっていきます。(DHTによって毛根の細胞分裂が阻害されるため、ヘアサイクルが早くなってしまいます。)
通常のヘアサイクル
AGAのヘアサイクル
AGAのヘアサイクルの状態が5年も続いてしまうと、毛根がダメになってしまい、治療しても髪の毛が生えてこない状態になる可能性が出てきます。
なるべく早い段階で行動することが、AGA改善の近道になります。
ヘアサイクルの整え方や乱れる原因については、下記記事を参考にしてみてください。
8.まとめ
AGAの原因は、DHTがアンドロゲンリセプターと反応し、毛根の細胞分裂を邪魔することです。
AGAによる薄毛を改善するためには、DHTの生成を抑え、日々のヘアケアをきちんと見直すことが、最も確実です。
また、AGAは進行性の生理現象なので、一度症状が出ると自然に治癒させる事はきわめて難しいです。「ひょっとしてAGAかな?」と思った段階で、専門のクリニックを受診することをおすすめします。