名古屋人も知らない!?名古屋城の秘密はガイドツアーで知ろう!
観光名所って意外に地元人は行かないと思いませんか?かくいう筆者も名古屋城には数回行ったのみ。とてもお客様をおもてなしする自信がありません。そこで今回、名古屋城を深く知るべく観光ガイドツアーに参加しました。
初めて名古屋城に行くならガイドツアーが超おすすめ!
そんな名古屋城には、観光ガイドと呼ばれるボランティアスタッフがいます。
正門と東門のガイド案内看板周辺に、それぞれ数名ずつ待機していて、無料で城内を案内してくれます。平日は10時と13時半~、土・日・祝日は9時半と11時と13時半~案内スタートです。
今回は取材ということで特別にマンツーマンです。
「あれが西南隅櫓(せいなんすみやぐら)です。大正10(1921)年の暴風雨で壊れたのですが修復されました。ところであの屋根の鬼瓦が見えますか?」
「そう、皇室を表す菊の紋です。徳川家康の命令により建てられた名古屋城なので徳川家の家紋である三葉葵が入っているのが普通なんですが、大正10年の時点でこの城は宮内省の管轄下にあり名古屋離宮と呼ばれていたんです。それで宮内省が修復したため菊の紋が入っているというわけです」
思わず「へぇー」と口から漏れました。まるで某テレビ番組「ブラ●モリ」気分!
「ここの石を見て下さい。模様が見えますか?この四角い穴は石を切る時の楔(くさび)を打ちこむために掘られた矢穴(やあな)と呼ばれるものの跡です。左のマークのようなものは刻紋(こくもん)と言います」
「B」や「W」のようにも見える刻紋は、工事を担当した大名や家臣が他の担当大名の石材と区別するために付けられたとのこと。刻紋は城内の石垣の至るところで見られ、その種類は一説には570程もあるとか。「全種類見てみたい!」と、コレクター魂が燃えます!
復元中の本丸御殿では、400年前の色彩と輝きを体感!
昭和20(1945)年5月の空襲により焼失した「本丸御殿」は、工期10年・総事業費約150億円をかけ、江戸時代の文献や多くの写真・実測図を元に忠実な復元が進んでいるのです。
2018年に全体完成予定ですが、すでに三分の二ほどができあがっていて、完成した建物が公開されています。
玄関の「一之間」と「二之間」の襖には、絵具まで忠実に復元模写された虎と豹の絵が描かれています。でも、なぜ虎と豹が一緒に描かれているのか?と鈴木さんに聞くと……。
「江戸時代の狩野派の絵師たちは、生きた虎を見たことがなく、想像で絵を描いていたと言われており、豹を雌の虎だと思い描いたんでしょう」と教えてくれました。
本丸御殿
愛知県名古屋市中区本丸1-1
[営業時間]9:00~16:00
[入館料]無料※名古屋城観覧料が必要
[休館日]12月29日~1月1日
052-231-1700
天守閣の中は、歴史テーマパーク!
さて突然ですが、ここでクイズです。
「金鯱に使われた金を小判に換算すると何両でしょうか?」と鈴木さん。
答えは……。
4階には刀や鎧などの武具が展示され、駕籠(かご)乗り体験コーナーもありました。
「この刻紋のモチーフは何だと思いますか?」
団子以外に思いつかない筆者。答えを聞くと驚きのモチーフでした。
「これは加賀前田家の家臣が刻んだものではないかと言われており、討ち取った敵の首を串刺しにしたもの、という説があります」と鈴木さん。
まさかの答えに、ガクブルです。
「堀にいる鹿を見に行く」の巻
「名古屋城の堀には鹿がいると聞いているんですけど……」
すると、「いますよ、見にいきますか?」とあっさり解決。
「あのビール瓶はなんのためにあるのでしょうか?」
答え。
今ほど科学技術が発達していない頃、刺した瓶が割れていないかどうかで石垣のずれをチェックするという、ある意味センサーの役割があったとのこと。ささいなところに昔の人の智慧を感じます。さすがに今はもっと精度の高いチェックをしているそうです。
「私がガイドを始めた頃は7頭いたんですが、減ってしまいました。今の鹿は和歌山城動物園から譲り受けた本州鹿です。2頭とも雌なので、雄が来てくれるといいんですけどね」
かなり間近で見ることができて満足です。
ということで、この日のガイドツアーは筆者のリクエストもあり鹿の写真を撮って終わりました。ツアー内容はお客さんの希望に合わせてくれるそうなので、ぜひ気軽に何でも尋ねてみてください。
名古屋城観光ボランティアガイド
[集合場所]正門、東門※ガイドの案内看板周辺
[出発時間]平日10:00~/13:00~、土曜・日曜・祝日9:30~/11:00~/13:30~
※所要時間約60~90分
[料金]無料
052-231-1700
お昼ご飯はもちろん「名古屋メシ」!
そこで城内にある食事処に向かいます。麺類好きの筆者は、「本丸御殿」から「清正公石曳きの像」に向かう途中にある「名古屋城内きしめん亭」に入りました。
きしめんは濃い目の出汁ともっちり麺がよく合います。味噌串かつも八丁味噌の味がしっかりと効いてサクサク!ボリュームもあってお腹いっぱいです。
店内だけでなく外にも席があるので、天気がよければピクニック気分で気持ちいいかもしれません。
名古屋城内きしめん亭
愛知県名古屋市中区本丸1-1 名古屋城内
[営業時間]10:00~16:00
[定休日]12月29日~1月1日
052-211-4509
全国の武将隊の先駆け、
「名古屋おもてなし武将隊」見参!
名古屋おもてなし武将隊
名古屋を世界一の観光都市にするために戦国の世より蘇った武士集団。名古屋城にほぼ毎日出陣し、写真撮影・歴史座談・演武などでおもてなし活動を行う。テレビ・ラジオにもレギュラー出演中
おみやげは新しくできたミュージアムショップで!
名古屋城本丸御殿ミュージアムショップ
愛知県名古屋市中区本丸1-1
[営業時間]9:00~16:30
[定休日]12月29日~1月1日※名古屋城休園日に準じる
052-204-2501
書き切れなかった秘話を聞きにぜひ名古屋城へ!
金鯱の雄雌の見分け方や城を縄で引っ張って修理した話など、鈴木さんから聞いた話は今回書き切れないほどで、どれも「へえー、なるほど!」というものばかり。ぜひガイドツアーに参加して、名古屋城を周りながら聞いてほしいです!
名古屋城
愛知県名古屋市中区本丸1-1
[営業時間]9:00~16:30(天守閣・本丸御殿は16:00までに入場)
[休園日]12月29日~1月1日
[入館料]大人500円、中学生以下無料
052-231-1700
澤井敏夫
愛知県・清須市在住のライター。情報誌の編集制作、音楽事務所でのマネジメント業務を経て独立。読書と落語鑑賞とヨガが趣味。
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