こんにちは、皆様。
ライターの『LightBells』です。
暖かくなったり、寒くなったり、短いスパンで天候が変わりますね。
皆様も健康にお気をつけください。
最近、長期休業に入りまして、記事を書く時間が増えましたので、これからどしどし投稿していきたいと思います。
今回はインストールサイズ3MBでADBコマンド環境を構築できる『Minimal ADB and Fastboot』を紹介させていただきます。
目次
Minimal ADB and Fastbootを使ってお手軽にADB環境を構築してみた。
ADB環境とは
まずはADB環境とは何かということについて解説させていただきます。
ご存知の方は読み飛ばしていただいて一向に構いません。
はじめに一言で説明すると『ADB環境』とは、ADBコマンドを利用できる環境のことです。
そのままですね。
ですが、そんな簡単なことをわざわざ記事にする訳がないと、鋭い読者の皆様ならお気づきでしょう。
なぜそんなことを記事にしたのかは下の愚痴が混じった文を読んでいただければご理解いただけると思います。
(『御託はいいから方法が知りたいんじゃい!』という方はこちらからADB環境の構築方法にジャンプすることができます。)
まず、ADBとは、『Android Debug Bridge』の略で、AndroidをWindowsからデバックするためのプログラム群です。
『デバッグ』と言われると難しく聞こえるかもしれませんが、身構えなくても大丈夫です。
例えば、デフォルトで入っていて消すことのできないアプリを消したいときや、BootLoaderの立ち上げ方がわからない機種でBootLoaderを起動させたりすることができます。
デフォルトで入っているまったく使わないアプリが邪魔で邪魔で仕方がない方もいらっしゃると思います。
え? それは私だけだとおっしゃいますか?
……ま、まぁ私のような方がいらっしゃればということです。
さらに、Androidバージョンをダウングレードさせたり、デバイスのフルバックアップを取ることもできます。
AndroidはiOSと比べてトラブル時のバックアップも頼りなく、自動バックアップから復元すると戻ってこないデータも多いので、手動でバックアップするほうが安心です。
他にも魅力的な機能がたくさんあるのですが、それを語っているとこの記事が終わらなくなってしまうため、このあたりで打ち切らせていただきます。
そんな便利なADBがなぜ一般ユーザーに普及していないのか、この記事を読んできた方は疑問に思うかもしれません。
その理由は、ADBコマンドを使えるようになるまでの環境構築作業の煩雑さにあると私は考えています。
本来ADBコマンドはAndroidアプリの開発者が自分のアプリをデバックするためにあります。
そのため、ADBコマンドは『Android Stdio』というアプリ開発用のIDE(統合開発環境)とセットになって配布されています。
『Android Stdio』は、アプリ開発を行う人にとってはとても高機能で便利なツールです。
しかし、高機能ということは、それに伴ってインストールデータも多くなるということです。
実際『Andoid Stdio』も最小インストール状態で1.2GB、設定次第では爆発的に使用容量が増え、数重GBとなることも少なくありません。
ただADBコマンドを使えるようにしたいだけなのに、そんな容量を食われたらたまりません。
手順もいささか煩雑で、ADB環境構築はあなたの時間とディスクスペースと精神力を容赦なく削り取っていくことでしょう。
そんな訳で、『ADB環境』(=ADBコマンドを利用できる環境)の構築はなかなか骨の折れるものでした。
Minimal ADB and Fastboot とは
ADB環境の構築がとても面倒なものだということは、ここまでの記事でご理解いただけけたと思います。
ここで今回の記事の主役が登場いたします。
『Minimal ADB and Fastboot』とは、こんなに面倒くさいADB環境構築の手間を8割くらいカットしてくれる素敵アイテム……もとい、素敵ソフトです。
XDA-Developersで公開されており、誰でもダウンロードすることができます。
ADB環境の構築
さて、皆様お待ちかねのADB環境の構築タイムです。
まずは下記リンクから『Minimal ADB and Fastboot』をダウンロードしてきてください。
少しダウンロードリンクがだいぶ下の方にあるので、間違わないようにしてください。
ダウンロードが完了したら、ダウンロードしてきたセットアップファイルをダブルクリックして実行してください。
セットアップに特に難しいところはないと思いますので、とりあえず完了までNext連打でインストールできます。
セットアップが完了するとプログラム一覧に『Minimal ADB and Fastboot』フォルダが追加されますのでクリックして開き、『Minimal ADB and Fastboot』をクリックして実行してください。
その画面で『adb』と打ち、以下のような反応が帰ってきたら一応のセットアップ完了です。
Android Degug Bridge version 1.0.36
(以下オプションのヘルプが続く)
『一応の』と申しましたのは、その状態ではデバイスに接続することができないからです。
ここからはADB接続対象のデバイスを使用して設定を続けますので、お手元にデバイスの準備をお願いいたします。
ただし、まだデバイスをPCに接続しないでください。
ADBドライバーのインストール
ADBコマンドでデバイスに対して命令を出すためには『ADBドライバ』というソフトフェアが必要になります。
ADBドライバは各メーカーが公開しているもので、以下のリンクからダウンロードすることができます。
各メーカーのサイトから、わかりにくいとは思いますが読者様の使用しているデバイスのADBドライバをダウンロードしてきてください。
そして、Androidデバイスの『設定』から『端末情報』の『ビルド番号』を7回タップし、『デベロッパーになりました』という表示が出たことを確認してください。
『設定』に戻ると、『開発者向けオプション』が増えているはずです。
ADBドライバがEXEファイルだった場合は、そのままセットアップの指示通りにドライバをインストールして、こちらのステップに進んでください。
ドライバがZIPファイルであったり、EXEファイルを使ってインストールしたのはいいものの、うまく認識されない方は、この下の方法を使ってADBドライバをインストールしてください。
ZIPファイルは事前に適当なディレクトリに解凍しておいてください。
次に、デバイスをPCに接続します。
デバイスを接続したら、『Windowsキー』+『X』を押し、『デバイスマネージャー』を開いてください。
うまくデバイスが認識されていないため、『不明なデバイス』として『Android Composite ADB Interface』が出てくるはずです。
そのデバイスを見つけたらダブルクリックしてプロパティを開き、『ドライバー』タブの『ドライバの更新』を行います。
『コンピュータを参照してドライバーソフトウェアを検索します』を選択し、ドライバを適用してください。
デバイスが認識されたことを確認して、次のステップに進んでください。
<ここからEXEファイルを使ってインストールした方も作業してください>
まず、『設定』を開き、『開発者向けオプション』をONにしてから、『USBデバッグ』をONにしてPCに接続してください。
そして、端末側でUSBデバッグの許可を発行してください。
次に、Minimal ADB and Fastbootを起動し、『adb devices』とコマンドを入力してください。
これでADBドライバのインストールに成功しているかどうかわかります。
もしADBドライバのインストールに成功していれば、下記のようにデバイスの識別子が表示されます。
C:\Program Files (x86)\Minimal ADB and Fastboot>adb devices
List of devices attached
00d92f708e6b230c device
失敗していれば、識別子が表示されているところには何も表示されません。
C:\Program Files (x86)\Minimal ADB and Fastboot>adb devices
List of devices attached
失敗していた場合、ダウンロードしたドライバがADBドライバであるか、また手順を間違っていないか確認してもう一度やり直してみてください。
ADB & Fastbootコマンド
はじめにADBコマンドでできることを紹介させていただきましたが、その他にもいろいろなことができます。
ここではその一例を挙げさせていただきます。
- adb shell pm list package :このコマンドはAndroid端末にインストールされているアプリのパッケージ名を表示させることができます。(後に紹介するadb backupと組み合わせて使うと、一部のアプリのみバックアップすることができます)
- adb backup -apk -obb -shared -all -system :Android端末のフルバックアップを行うことができます。バックアップファイルはMinimal ADB and Fastbootのインストールディレクトリに保存されますが、非常にファイルサイズが大きくなるため、余裕のあるドライブで実行することをおすすめします。
- adb restore backup.ab :”adb backup”コマンドでバックアップしたファイルからリストア(復元)します。アプリデータは基本的に上書きされますので、ご注意ください。
- adb reboot bootloader:デバイスのブートローダーを起動します。下の『Fastboot』コマンドを使用する際に実行してください。
ADB環境を作ると、Fastbootというコマンドも使用できるようになります。
そこで、Fastbootコマンドを使ってできることの一例も挙げさせていただきます。
(Fastbootコマンドは、ブートローダーを起動した状態で実行してください。)
- fastboot flashing unlock:デバイスのブートローダーをアンロックします。(デバイスによってはfastboot oem unlockとなる場合があります。)
- fastboot flashing lock:逆にデバイスのブートローダーをロックします。(同じく、fastboot flashing lockとなる場合があります。)
コマンドについては、他のサイト様が詳しく説明してくださっていますので、詳しくは検索していただければ幸いです。
ここではこれ以上のコマンドの説明は割愛させていただきます。
まとめ
Minimal ADB and Fastbootが手間を8割削ってくれるとはいえ、ADBドライバのインストールだけでもかなり面倒くさいですね……
Android SDKをインストールしなければならなかった時と比べて、ある程度手順が簡単になったとはいえ、やはり煩雑なことは変わりありませんので、これも贅沢と言われば反論できませんが……
ADBドライバのインストール方法には、もう少し簡単な方法があるらしいので、その方法で成功したらこの記事も更新したいと思います。
そもそもみんながLinux使えばこんな面倒くさいことしなくても、『sudo apt-get install android-tools-adb』で万事解決なんですが……
Windowsは使いやすいんですが、開発者にとってはあまりやさしくないOSですよね。
私は普段使いではWindowsを使っていますが、プログラミングをするときはLinuxですし。
……最後に全く関係のない話をしてしまいましたが、ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございます。
この記事が今年最後の更新となりますが、来年も『PC大好きFwwwのITブログ』をよろしくお願いいたします。
Thank you so much for reading this post!