中古車で車両価格30万円と聞くと、購入を避けるべきクルマとのイメージを持たれている方が多いと思います。
先達の人々が多くの犠牲を払って失敗をしてきた経験から、30万以下のクルマは危険と言われているのは分かるのですが、人の言っていることを素直に聞けない性分の私は本当に30万のクルマは買ってはいけないクルマなのか自分で確かめないと納得できません。
そういうわけで、前々から気になっていた30万円のクルマは買ってはいけないのか?を自腹で検証してみました。
しかも修理費用が国産の数倍にもなる輸入車での挑戦です。
色々と学ぶところもありましたが、30万円以下のインポートカーはやはりバクチ要素が強く、乗り捨てゴメンの精神で付き合わないと大やけどを負う事になりかねませんね。
目次
予算30万の車選び
車両価格30万円
私にとって、現金で用意できて廃車になっても笑って済ませられるギリギリの価格が車両価格30万円でした。
上を見上げれば青天井の輸入車市場の中、ほとんど見向きされない30万円という最底辺に沈むクルマの実態を知りたいという好奇心が原動力です。
あと、インポートカーであることは外せない。
過去にMINIを所有していたのですが、あの独特のオーラが忘れられず今回も輸入車を購入することに。
壊れにくい自動車※に上位ランクインする日本車を安く買える国に生まれておきながら、くず鉄一歩手前の輸入車を買おうという不届きな輩ですがここは譲れません。
※出典:2015年米国自動車初期品質調査 | J.D. Power
過去所有していたMINIやカングーなど、強烈な個性を持つ輸入車の世界観に毒されている私には、くず鉄であろうと輸入車以外に考えられなかったのです。
しかし一般論として輸入中古車は、認定中古車を購入することが強く推奨されています。
故障しやすい輸入車にとって手厚い修理保証は、重整備が必要な不具合でも無料で修理してくれる転ばぬ先の杖であり、今や後顧の憂いなくインポートカー生活を満喫するための必需品であるといえるからです。
ただしD車の認定中古は新車並みの保証が受けられるの反面、車両価格も割高で低年式の車両しか取り扱っていません。
当たり前のことですが予算30万で輸入車を買うためには必然的にディーラーは選択肢から外れることになります。故障しないクルマがほしいなら国産の新車を購入し、どうしても輸入車がほしいなら新車か認定中古車を購入してください。
MTであることが何より重要
ヨーロッパに行ったことはありませんが、現地に出張や赴任した友人知人の話では今でもMT大国で老若男女庶民はみなマニュアルミッション。
トヨタヨーロッパではMTのアヴェンシスディーゼルも販売されており、中々ご機嫌なクルマらしいです。
西洋かぶれの私にとってインポートカー=マニュアルミッションであり、過去の車両もみなMTを選んできました。
MTはATより加速や燃費に優れている、などと旧時代的なことを言うつもりはありません。
ただMTが好きなだけです。
4枚ドアがあったら乗せ降ろしが楽ちん
MTに条件を絞るとクーペや3ドアハッチバックの車種が豊富になりますが、子どもの乗降を考えると4枚ドアが便利です。
クーペも悪くありませんが、長いドアは狭い駐車場内では取り回しが悪く、隣のクルマにぶつけてしまう可能性もあります。
自分一人で乗るのなら無理にこだわる必要のない部分かもしれません。
駐車場の都合で車高1550mm以下が望ましい
自宅マンションの立体駐車場を利用するために、車高1550mm以下であることは最優先事項の一つでした。
車高の制限をなくすとカングーのようなバンタイプもレンジにはいってきます。
駆動形式にはこだわらない
この価格帯のほとんどはFFですが、BMWのおかげでFRも狙えます。30万で実働レベルのMRやRRを購入するのは不可能です。
どうしてもMRやRRを30万円で購入したいのなら、MG-FやVWタイプ1など爆弾持ちや錆とお友達なクルマをどうぞ。
車検残1年以上
購入時に2年間の車検を通しても、この価格帯の車が2年間不具合なしで完走してくれる保証はありません。
車検がついている方が総支払額が若干安くなるのと、車検通して1年経たずにクルマが壊れたら意地でも修理せざるを得なくなることから車検は1年程度残っている車両としました。
乗捨てを前提にクルマの状態を確認して翌年の車検取得を判断する試用期間でもあります。
車両保証はなくても良い
本音は保証付きのほうが安心ですが、利幅は狭く販売後故障頻発で少ない利益を吹き飛ばすリスクの高い古いインポートカーに保証付きは期待できません。
候補に上がった車
30万円という限られた予算の中で輸入車・4ドア以上・MTを横断して検索すると主に、
- VWゴルフGTI 2000年式
- VWポロGTI 2000年式
- BMW3 E46 1998年式
- Alfa 147 2003年式
- プジョー206 2001年式
の5車種が弾数も多く、条件にも合致します。
ゴルフとポロは輸入車でもメジャーな車両で、新車価格も庶民が努力すれば手に届くフォルクスワーゲンの看板車種と言えるでしょう。
BMW3シリーズは候補の中で唯一のFR車で、セダンのベンチマーク的な存在。個人的に一度は袖を通しておきたいクルマですね。
アルファ147は壊れやすいイメージから値崩れが激しく、予算内で選択肢が多い車両でした。今見てもひと目見てアルファロメオと分かるデザインはイタリア車の面目躍如。
プジョー206はラリーをイメージしたスポーティな外観のモデルも含まれているので、外観の好みで選べる楽しみがありました。206CCのようなオープンモデルも30万円以下で選べるユニークなモデルです。
※いずれも2016年6月カーセンサーエッジ調べ。流通や価格は変動します
候補中最も車格が大きいBMWを実車確認せず購入
ラジエター液・オイル漏れの重整備が必要な弱点を抱えているが唯一のFRセダンの魅力に負けて購入。
1オーナーで記録簿付きの無事故禁煙車が購入の決め手でした。
排気量1900ccと中途半端でホイールも15インチと今時の軽自動車よりも小さなホイールを履いているため、見た目はオジサン車。
- 全長 4,470mm
- 全幅 1,739mm
- 全高 1,415mm
サイズも今の車と比べると小柄で、街中でも取り回しやすいサイズに収まっています。
エクステリア
今の車と比べると小柄で線の少ない、塊感のあるデザインですが前期型の特徴でもあるタレ目のヘッドライトは好みが分かれると思います。
15インチの純正アルミホイールは、クラシックな外観がE46のジジ臭い雰囲気に似合いすぎててお気に入りのパーツの一つです。
外見の印象を決めるフロントフェイスも、後期型の精悍なフロントと比べるとインパクトが弱いのか、高速道路を走っていても道を譲ってもらえません。
やむなく減速を余儀なくされるたびに、「おまえBMWだろ!」と車内で叫びたくなります。
エンジン
1900ccのエンジンは非力でターボ車のような暴力的な加速もなく、同世代のホンダ・インテグラtypeRのような吹け上がりもありません。
野太いサウンドを轟かせて滑らかに吹け上がるシルキー6とは違う、18.3kg/3900rpm、118ps/5500rpmの控えめな心臓は当時の日本の直4エンジン(4A-GE/B18-C)の完成度の高さを教えてくれる程に平凡なエンジンでした。
オイル漏れの持病を考えたら、できの良いエンジンとは言えないかもしれません。
ハンドリング
軽快なハンドリングはさすがBMW。
個人的にはこの経験ができただけでも30万円の元は十分に取れている、と思うくらいのフィーリングです。
乗っている間は腐っても鯛、30万でもBMWと思わしめるクルマなのですがそんな幸せも半年で終わりを告げる事になりました。
30万円の外車が壊れるまで
- 納車時
機関好調でエアコンも寒いくらいよく効く。
- 納車3ヶ月目
バック開始時にハンドルを切るとショック発生。パワステオイル交換で症状改善。
- 納車4ヶ月目
運転席側窓の開閉時に異音がする。
ウィンドウレギュレーターのプラ劣化が原因。窓を開けなければ大丈夫なので、とりあえず放置。
- 納車6ヶ月目
タイミングチェーンケースからのオイル漏れ・冷却水の漏れ。
BMW318のエンジンはオイル漏れが持病で、タイミングチェーンケース以外にオイルフィルターブラケット、オイルパン等あらゆる箇所からオイルが漏れます。
オイル以上に問題なのが冷却水の漏れです。こちらはエクスパンションにクラックが入り、走行中に冷却水が漏れ出して最悪エンジンが壊れることも。
修理見積20万円!車両価格の66%!
30万円で買ったクルマを20万円で直しても、半年後には車検を通すためにさらにお金がかかることが目に見えているので3月までにE46を廃車することを決意。
クルマの目利きが悪かったと言われればそれまでですが、やはり新車価格350万のクルマを10分の1で買うのは相応のリスクとコストを覚悟して挑戦しないと痛い出費になると身をもって学ぶ、トホホな結果で終わりました。
30万円の外車を買って得たモノ
30万円のBMWは腐っても鯛。結果的には大失敗の購入チャレンジですが、BMWのもつハンドリングの懐の深さやそのフィーリング、駆け抜ける悦びの片鱗を味わえたことには非常に満足しています。次期戦闘機はBMWからと考えるくらいには、BMWにハマる入り口になったと思います。
ここには書いていませんがぶつけても安心な使い捨てクルマなので、砂利や泥道に気兼ねなく突入できるオモチャとしても大活躍してくれました。
下取りや買取価格を気にしないことで、クルマとの付き合い方が大きく広がりました。
失ったモノ
- 諸経費込み40万円
- 漏れ出すオイル・ラジエター液(少量)
- 継ぎ足すオイル・ラジエター液(少量)
- 車の下に敷く雑巾
諸経費込み40万の出費は決して小さいものではありませんね。オモチャとしても高くついたと思います。
結論!車両価格30万円の輸入車はオススメしない
以上のことから、車両価格30万円の輸入車の購入は本気でオススメしません。
お金がないけれど外車に乗りたい、という人は特に要注意です。
BMWのように国産車より部品が割高の高級輸入車などは、車両価格と修理価格が一回の不具合で逆転する可能性だって十分にあります。
いくらお金がかかっても修理する覚悟のある人か、壊れたら即乗捨てする割り切った人以外、輸入車の購入はお金を貯め、しっかり保証のついた車両を購入しましょう!
本当に真似しないでください。