現代社会人の生活
現代人は昔の人のように太陽の光を浴びながら農作業をするような仕事ではなく、陽の当たらない室内でのデスクワークや深夜までの残業など、気が付くといささか生物としては不自然な環境に置かれていると言っても過言ではありません。
そもそも現代の働き方の根本となる産業革命はほんの200年前の出来事です。人類の祖先、ホモ・サピエンスが誕生したのは約20万年前のため、産業革命以降の人類の歴史は人類誕生から0.1%の時間でしかありません。私たちの身体や精神は高層ビル内でデスクワークをするようにはデザインされていないのです。
満員電車でお腹の調子が…
朝早くから満員電車に身体が揺られる日々…。乗っている最中にああ、またお腹の調子が…。昨夜に生ものを食べた覚えもないのに。もしかしたらそれ、ストレスが原因で腸に異常が起こる過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。
IBSは詳しいメカニズムはわかっていませんが、交感神経が優位に働くはずの日中に腸の活動を促す副交感神経が過度に働くこと自体が自律神経が乱れている証拠です。
交感神経と副交感神経について、詳しくは『謎多き存在、『自律神経』 その正体とは!?』をご参照ください。
オフィスについたらまずはコーヒー
満員電車に耐えてようやく会社に到着。お疲れ様です。疲れた気分をリフレッシュするためにコーヒーを一杯飲む。しかしそれ、逆効果かもしれません。
コーヒーに含まれるカフェインはご存知の通り覚醒作用があり、交感神経を働かせるためです。コーヒーは気分を落ち着かせるためではなく、仕事に集中するときに飲みましょう。
ランチは時間がないため牛丼で
このままでは納期に間に合わない。仕事が山積みでゆっくり昼食をとっている場合ではないため、近くの牛丼屋さんで急いで昼食を摂る。
しかし、しっかり噛まずに流し込むように食べるその食べ方は、自律神経のバランスを乱してしまいます。本来副交感神経が優位に働き、食事の栄養素をゆっくりと消化していく必要があるのに、急いで食べることで消化吸収が十分に働かず、身体的ストレスになってしまいます。
午後はずっとデスクワーク
パソコンとにらめっこするように不自然な前傾姿勢で仕事をする様子は現代社会の象徴ともいえます。
しかしこの姿勢は肩こりなどの身体的疲労を引き起こすだけでなく、首や腰の脊椎に負担をかけることで、そこを通っている自律神経に支障をきたす恐れもあります。
1時間に1回は席を立ち、トイレなどに行くことをおすすめします。
食後の眠気に襲われる
昼食後2時間ほど経つとやってくるのが眠気です。
この理由は自律神経というより、血糖値が上がることによりオレキシンという脳内ペプチドが切れるためです。オレキシンが切れると人は活動オフモードに入ります。つまり、食後に眠くなるのは生物として正常な症状なのです。
このタイミングで無理に仕事をして交感神経を働かせてしまうのはやっぱりストレスになります。自律神経のリズムを整えるためには、仕事を調整するなどして仮眠を取ることが大切です。
もうすぐ帰宅!と思ったら急に仕事を頼まれる
もうすぐ定時だ。今日は早く帰って映画でも見ようかな。
…そんなときにお決まりのごとく上司が今日中の仕事を頼みに自分のそばにやって来ます。そこでNOと言えない日本人。いろんな感情を押し殺して仕事を引き受けてしまします。
このときあなたの身体は完全にストレスにさらされ、交感神経マックス状態。日も暮れ副交感神経にバトンタッチするべき時間なのに…。
帰りの電車でもずっと立ちっぱなしでクタクタ
上司から頼まれた仕事もようやく片付け、やっと帰宅。けれども帰りの電車は立ちっぱなし。実はこれ、かなりの身体的ストレスです。
身体は疲れきっているのに電車で立ち続けることで交感神経が優位に働き出す可能性もあります。
ストレス社会に生きる中、無理は禁物
いかがでしょうか。サラリーマンの生活がいかに自律神経を乱しかねない生活なのかが理解できたかと思います。
どうしようもないこともあるかもしれませんが、仕事中に立って歩いてみるなど、少し工夫をすることで自律神経にかかる負荷を抑えることができます。帰宅の電車の中ではリラックスする音楽を聞くのもいいです。
決して無理をせず、疲れたときにはしっかりと休んでください。