副業者は知っておきたい! どんな支出が必要経費として認められる?
2016年11月16日
副業をしている人は、原則として確定申告をする必要があります。確定申告にあたっては総収入金額から必要経費を引いて所得を求めることになりますが、必要経費に入れるべき支出を入れ忘れると所得金額が大きくなり税負担が増えてしまいます。そこで、副業者が知っておくべき売上原価、減価償却費、交際費などの必要経費のポイントについてお伝えします。
商品の破損や焼失なども必要経費になる
確定申告をする場合、まず売上金額を確定し、次にその売上に対応する必要経費である売上原価を確定します。売上原価は、前年末に残っている在庫と今年仕入れたものから年末に残っている在庫を差し引いて求めます。年末に残っている在庫を引くときに、帳簿上に残っている理論的な在庫ではなく、実際の在庫を差し引いてよいことになっています。
そのため、火災などで焼失した在庫や紛失した在庫などの金額は自動的に売上原価に含まれることになり、必要経費に算入できます。青色申告者になれば、新製品の発売によって原価割れした分などを売上原価にできる低価法を選択することもできるようになります。
少額の固定資産は、減価償却せずに全額必要経費算入が、認められる
1年以上にわたって使用することになる建物や機械、器具備品などは、支払った年の必要経費ではなく、複数年にわたって分割して必要経費に算入することになっています。これを減価償却といいます。
しかし、少額の資産については、いちいち減価償却せずに支出した年に全額必要経費算入が認められています。青色申告でない場合は10万円未満、青色申告者の場合は年間300万円を上限として30万円未満の資産が対象となります。例えば、青色申告をしていれば30万円未満のパソコンは全額必要経費にできます。
要件さえ満たせば損害賠償金の支払いも必要経費になる
副業であっても事業を行っている場合は、その事業が原因で第三者に損害を与えてしまう可能性があります。例えば、預かった品物を汚したり壊したりしてしまうケースが考えられます。損害を与えた場合には、その相手に損害賠償金を支払うことになることも多いです。
この損害賠償金も必要経費になる可能性があります。要件としては、事業主本人に重大な過失がないことなどがあげられます。賠償金と似たようなもので反則金や罰金などがありますが、こちらは必要経費として認められないことになっています。
自宅の光熱費も必要経費になる場合がある
自宅の1室を事務所として使い副業している人もいるでしょう。本業であれば賃貸オフィス借りて看板を掲げて事業を行うケースが多いですが、副業の場合は費用をかけないこともポイントですので自宅オフィスは有効です。
この場合、副業で消費される光熱水道料は必要経費になります。合理的な基準で明確に事業の分を区分する必要がありますが、プライベートの分を除いて必要経費算入できます。区分方法が認められるかなどについては、自分で勝手に判断するのではなく、税務署や税理士に確認をした方がよいでしょう。
法人と違って交際費は、全額必要経費として認められる
個人事業主でも交際費が認められます。法人の場合は、法人税の計算をする上で交際費には限度額が決められています。交際費として支出するのは会社の勝手ですが、法人税の計算をする場合の所得計算においては、一定金額以上の交際費支出は所得を減らす効果がなくなってしまいます。
その結果、限度額を超えて交際費を支払った場合、支払った手元にないお金についても法人税が課税されることになります。
一方、個人事業の場合は交際費の必要経費算入に上限はありません。私的な目的の飲食など交際費にあたらないものはだめですが、交際費であれば上限なしで必要経費に算入できることになっています。