人類は存続しなくてもいい?/スプツニ子!さんに聞く、新しい結婚生活

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決まりきった価値観や社会に対して、テクノロジーやサイエンスを駆使し、疑問を投げかけるアーティストであり、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ助教を務めるスプツニ子!さん。
前回に続き、「人類は存続しなくてもいい」の真意や、先入観にとらわれない新しい結婚像を伺いました。

ちょっと複雑でも幸せに家庭は回る

――結婚に対して、ご両親から影響を受けたことはありますか?

 

スプツニ子!さん(以下、S):私は日本人の父親とイギリス人の母を持つハーフなんですが、母は初婚でイギリス人と結婚し、兄が産まれてから離婚。その後、私の父と再婚してるんです。兄とは13歳離れているし、彼は金髪蒼眼の純イギリス人で外見も異なるので、普通の家庭とは色々とちがいました。ただ両親や兄妹とすごく仲が良かったし、ちょっと変わって複雑でも幸せに家庭は回るんだと、物心ついたときから認識していましたね。

 

――「結婚はこうだ!」と期待していたことはありましたか?

 

S:あんまり考えてなかったですね(笑)。「結婚はこうあるべき」「家庭はこうあるべき」っていう期待もないし、目標もない方が楽だと思います。それでいいのかは分からないですけど(笑)。ただ、同世代で結婚に期待をしている、保守的な男性って意外といるなと思っていて、「スプちゃんは料理とかするの?」とかそういう質問をしてくるんですよ。

 

――えーーっ!

 

S:でも“殺虫剤”じゃないですけど、そういう男性はあまり私に寄ってこないです(笑)。だから、そもそも結婚観がズレてたり、ユニークな考え方の男性と引き合うことがこれまで多かったかな。
私は仕事場がアメリカなので、月の半分はアメリカ、もう半分は日本で…という感じなので、「どうやって結婚生活をするの?」と不思議がられることは多いですね。

 
父も母も数学教授で共働き。しかも2人とも変人で、家で意味のわからない数学の話をしていたので、映画やドラマで見る「オーソドックスな夫婦」の形とか、よく分かってないんです。だから「結婚はこうあるべき」みたいなのは、よくわかんないけど、自分なりに上手くいけばそれで良いのかなって。

 

人類は存続しなくてもいい?

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――ご自身は、自分の子孫…種を残したいって思っていますか?

 

S:子どもは好きだしかわいいと思うけど、そんなに強く種を残したいとも思わないですね。人類はべつに無理に存続しなくてもいいと思うから(笑)。

「もし地球が滅亡したら、宇宙に精子と卵子を持っていって、そこでまた新しく人類をはじめる」みたいなサイエンスフィクションの映画を観ると、「別にいいじゃん、滅んでも」って思っちゃう(笑)。恐竜だって一回滅んでるし、もしかしたら他の種が出てくるタイミングかもしれないじゃない?

 
ただ、自分や好きな人が生きてる間は絶対に幸せであって欲しいし、もし自分に子どもがいたら、その世代は超ハッピーになったらいいなと願っています。
 
それに、自分の遺伝子をもってる分身が世界のどこかにいるっていうのはロマンがあるし、面白いですしね! バラ撒いてるみたいに聞こえますけど(笑)。

 

――たぶん、結婚に焦る理由って「35歳になると子どもが作れなくなっちゃう」みたいな、変な強迫観念があるからだと思います。

 

S:40代で子どもを産んでる人も結構いますよ! 母も私を産んだときは36歳、妹を産んだ時は39歳、あの世代でもそうだから。
今は「35歳がタイムリミット!」みたいな時代でもないし、もし出産を考えているなら、卵子チェックとか、卵子凍結とか、検討したら良いと思います。
 
結婚にこだわらず、精子バンクを利用したり、養子をもらって育ててもいいだろうし、今は色んな家庭のつくり方があるんじゃないかなって思います。シングルマザーでも幸せな人は大勢いますから、うん!

 
でもまぁ、私は「自分の考えが正しい」とも思わないし、ロールモデルとも思わないし、「好きにしたらいいんじゃない?」って思います(笑)!

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