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サイエンス

熱エンジンについて、「効率を上げると出力が下がる」ことが証明される 36

ストーリー by hylom
分かるような分からないような 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

慶應義塾大学理工学部の齊藤圭司准教授らが熱エンジンについて、「効率を上げると出力が下がる」ことを証明したそうだ(慶應大学の発表PHYSICAL REVIEW LETTERS掲載論文)。

熱エンジンは、熱を動力などの別のエネルギーに変換するシステム。受け取った熱のうちどれだけを変換できるかは「効率」、単位時間当たりにどれだけのエネルギーを出力できるかは「仕事率」と呼ばれるが、今回の研究成果では効率を高めようとすると仕事率が低下することを示す関係式を導出できたという。これにより、効率を高めるほど単位時間当たりに得られる最大出力は低下するということが示されたという。

熱力学においてはいくつかの法則が発見されているが、今回の成果はそれに加わる新たな法則となる可能性があるという。

  • これって、「非平衡系の熱力学」あたりの研究から出てきた成果の一つ、という理解でいいのでしょうか。

    参考: phasonさんによる「身近だけどよくわかってない」ものリスト #1982866 [science.srad.jp]

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  • 論文は日本語でおk、というべきあれだが
    (英語で論文読めるひとはいいよなぁ…)

    慶応大学の発表資料PDFの方はものすごく丁寧に
    わかりやすく解説してるから、一読お薦めするよ(゚∀゚)!

    (概要)
    両手に花というハーレムエンドは理論的に実現不可ということを理論的に導き出しましたorz

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    • by Anonymous Coward

      プレスリリースに載っているグラフ[図2]を見ると、熱効率を上げると単調に仕事率が減っていくというわけではなく、
      「最大の仕事率を得られる熱効率」というピークが存在するようだ。

      単純増加や、単純減少でないということは、
      同じ仕事率、(プレスリリースの絵[図3]で言えば、ピストンの膨張スピード)
      のとき、2種類の熱効率(廃熱の量)をとりうるということになるんだが、
      それがどういうことなのかイメージがわかないw

      おしえて、えらいひと。

      • by Anonymous Coward
        プレスリリースにリンクのあるarXivの論文見ると、式の(3)に
        (サイクル当たりの出力)≦定数×(低温側熱浴温度)×η(ηc-η)
        #ηは機関の効率、ηcはカルノー効率
        とあるので、効率の限界は上に凸の放物線になるということでいいと思う

        そして導出過程に「有限出力での最も効率的な量子発電」みたいな論文からの引用があるので理解は放棄した(ぉ
        • by Anonymous Coward

          ふむ。
          でその凸カーブは具体的にどういう物理現象を示しているのでしょう?

  • by Anonymous Coward on 2016年11月02日 13時21分 (#3107462)

    長時間働くと仕事のやる気がなくなるのもこれだったんだ!
    これで上司に説明が出来る!

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    • by Anonymous Coward on 2016年11月02日 13時52分 (#3107496)

      「私の仕事率が低いのは、効率を重視しているからです。
      最大の仕事率を達成するためには、作業の効率を落とさざるを得ません!」
      これでスラドを見る言い訳はばっちりだ

  • by Anonymous Coward on 2016年11月02日 13時31分 (#3107474)

    門外漢ですが、効率を上げて出力が下がるのであれば、並列化すれば良いのでは?
    それとも何か見逃してる?

    ここに返信
    • 「100人月の仕事なら、2000人で並列にやれば1日で終わるよね?」

      あなたは今、多くの人を敵にまわした!

    • by Anonymous Coward on 2016年11月02日 13時45分 (#3107486)

      それをやったのが船舶用多気筒大型低速ディーゼルエンジン。

      太っといピストン(燃焼室に対して表面積を減らす≒並列化)を、ゆっくり動かして、気筒数で必要出力を稼ぐ(=並列化)。

      • by Anonymous Coward on 2016年11月02日 14時04分 (#3107506)

        気筒を多くして1気筒あたりの排気量を下げると冷却損失が増えるらしいです。
        断熱材が進化すれば多気筒の復権もあるか?

        気筒を減らすほど効率で有利、振動に不利
        http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2500M_V20C11A5000000/ [nikkei.com]
        >熱効率を考えた場合、1気筒あたりの排気量には最適値がある。
        >排気量が小さすぎれば「2乗3乗則」によって燃焼室のS/V比(表面積/容積)が大きくなり、表面からの冷却損失が増える。
        >逆に大きすぎれば火炎の伝播(ぱ)距離は長くなり、燃焼時間が延びるので熱効率は下がる。
        >燃焼に時間がかかり過ぎてピストンが下がってしまうと、熱エネルギーを有効な力に変換できない。

    • by Anonymous Coward

      並列化に必要なコスト(装置代、場所)を考えると、ただ並列にすれば良いというわけでもない。

    • by Anonymous Coward

      並列化しても熱効率は上がらないのでは?

      投入した熱の何割をエネルギーに変えられるかが熱効率なのだから。

      # 並べたところで比率は変わらない

      • by Anonymous Coward

        熱効率は上がらなくてもトータルの仕事率は

        単体の仕事率 x 並列数

        になるでしょって話。

        • by Anonymous Coward

          その理屈だと
          消費税8%の商品を2つかったら
          8%x2で消費税16%になりますよ

          • by Anonymous Coward

            まずこの話には、熱効率と仕事率の2つの「効率的なもの」が出てくる事に気付くことから始めよう

    • by Anonymous Coward

      入力が分割されることかな。入力値そのものの可能性もある。

    • by Anonymous Coward

      この法則が正しいなら、並列化をどんどん進めても最後には個々の熱機関の効率が下がってしまうのだと思われます。例えば、元の熱源を100分割して100台の熱機関に投入することである程度の効率と出力を得ることができても、元の熱源を一万分割して一万台に投入しても個々の熱機関はもはや効率の悪い動きしかできなくなるのではないでしょうか。また分割と統合の過程でもロスが生じると思われます。

  • by Anonymous Coward on 2016年11月02日 13時47分 (#3107488)

    強火で短時間で沸かすより中火で時間をかけて沸かすほうがガス代の節約になるってやつか!

    ここに返信
    • by Anonymous Coward

      それ別の「エネルギーに変換」してないだろ。

    • by Anonymous Coward

      しかしさらに弱火にすると、薬罐からの放熱ロスがバカにできない。

  • by Anonymous Coward on 2016年11月02日 14時28分 (#3107521)

    でも実際に時間かけて仕事させたら、
    よっぽど断熱されてない限りは熱が逃げるんじゃないの。

    ここに返信
    • by Anonymous Coward

      急いで仕事したらもっと廃熱が逃げるよ、という話では。

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ハッカーとクラッカーの違い。大してないと思います -- あるアレゲ

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