貧しい身なりの子供に対して、大人がどのような反応を示すかという社会実験の動画が6月28日に公開され、すでに約30万回も再生されている。
きれいな服装の時は多くの大人が声を
この動画を公開したのはユニセフ。6歳になる子役のAnanoちゃんが出演し、ジョージア国(グルジア)の首都であるトビリシで撮影された。
動画はきれいな身なりをしたAnanoちゃんが、路上に立っている場面から始まる。
すると通りすがりの人が、心配そうに近づき「名前はなんていうの?」や「この近くに住んでいるの?」「迷子になったの?」と声をかけ、どこかに連絡までしようとする人まで現れた。
YouTube/UNICEF
やがて今度は衣装を交換。かわいそうだがAnanoちゃんにはみすぼらしい服装をしてもらい、汚れたようなメイクも施して再び路上へ。
すると誰も声をかけないどころか、多くの大人たちは無視して通り過ぎていった。

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「ここから連れ出してくれないか」
次は場所を変えてレストランで撮影。きれいな服装をしたAnanoちゃんが、フードコートのような場所へ現れ、見知らぬ人のテーブルに近づいていく。
そんな彼女に対して大人たちは笑顔で迎え、声をかけてテーブルに座らせた。中にはお金さえ渡そうとする人も現れる。
YouTube/UNICEF
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しかし再びみすぼらしい服装に変えると、大人たちの態度は一変。彼女が同じようにテーブルに座っても誰も声をかけない。
それどころかある女性は隣にあったバッグを移動させ、ある男性は「あっちへ行ってごらん」といって席を立たせ、背中を押して移動させた。
YouTube/UNICEF
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しかも最後の男性はついにウェイターを呼び「この子をここから連れ出してくれないか」と告げる。そう言われたAnanoちゃんは役としてではなく、本当に傷つき、泣きながら走り去っていった。
撮影を中止し、子役に気持ちを聞く
この姿を見てスタッフは撮影を中止。その後彼女に、なぜあんな扱いを受けたと思う、と質問してみた。
Ananoちゃんはカメラの前で「私の顔はすすで覆われ、服も全て汚れていたから」とコメント。さらに「すごく悲しくなった。みんな私に去るよう言ったから」と答えながらも、なぜあそこまで大人の態度が違うのか分からない、というような複雑な表情を浮かべた。
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ユニセフではこのような状況は非常にリアルで、貧しい環境の中で育っている数百万人の子供たちが毎日無視され、脇に追いやられ、成長するのに必要な全てを奪われているとコメントしている。
確かに実験とはいえ、幼い子供を傷つける行為は問題かもしれない。
しかしAnanoちゃんは演じることで、私たち大人に現実を突きつけた。それに対してどう答えればいいのか。自分の心に問いかけることが大切なのかもしれない。