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痛みの遺伝子多数発見、鎮痛薬開発に期待…筑波大チーム
人間や動物の痛覚にかかわる多数の遺伝子を見つけたと、筑波大の研究チームが発表した。
新たな鎮痛薬の開発などにつながる可能性があるという。23日の米科学誌「セル・リポーツ」(電子版)に論文が掲載された。
発表によると、チームはキイロショウジョウバエの幼虫から、痛覚にかかわる神経細胞と、それ以外の神経細胞を取り出して遺伝子の働き方を比較。痛覚神経で強く働いている275個の遺伝子を特定した。さらに、これらの遺伝子を一つ一つ働かなくして、痛みの刺激に対して幼虫の反応がどう変わるかを調べた。
その結果、36個の遺伝子が痛覚と関係していると判明。うち14個は痛覚を鋭敏にし、残る22個は鈍くする働きを持つことも分かった。また、この36個の遺伝子のうち、20個は人間を含む哺乳類にも存在しており、うち18個は、これまで痛覚とのかかわりは知られていなかったという。
同大の本庄賢・特任助教は「見つかった遺伝子の機能を調べることで、けがなどがないのに日常的に痛みを感じる病気の治療や予防に役立つ薬が開発できる可能性がある」と話している。