インドのお隣にある国バングラディシュは、北海道の1.7倍ほどという小さな面積に1億5千万人以上の人々が暮らす、世界でも屈指の人口密度を誇る国です。ダッカはバングラディシュで最も多くの人口を抱える首都であり、古くから豊かで高度な文明が栄えました。今回はそんなダッカの魅力を知ることができる特におすすめの観光スポット、「タラ・モスク」「ラールバーグ・フォート」「アッシャン・モンジル」の3つをご紹介します。
星が散りばめられた寺院 タラ・モスク
タラ・モスク(スター・モスク)は旧市街オールドダッカにあるモスク。その名の通り寺院内には星をモチーフとした装飾が数多く施され、ダッカでも随一の美しさを誇ります。18世紀に建築された当初は3つだった屋根のドームは、何度かの修復により増築され現在は5つあります。モスク内は美しいタイルで埋め尽くされているのですが、必見は富士山の絵が描かれたタイル。これは日本から輸入されたものなんだそう。遠い異国の地で眺める富士山は感慨深いものがあります。
ムガール帝国時代の要塞 ラールバーグ・フォート
旧市街オールドダッカにあるラールバーグ・フォートは、ムガール帝国時代に建設された要塞です。要塞といっても物々しい雰囲気は無く、美しく整備された庭園が広がっており市民の憩いの場となっています。建設途中に指揮官ナワブ・シャイスタ・カーンの娘が亡くなったことにより城の建設は中止され、現在では彼女を祀るために建てられたビビ・パリ廟や、3つのドームが印象的なモスクやハマム(浴室付き住居)などの建築を見ることができます。
ピンク色の宮殿 アッシャン・モンジル
ブリゴンガ川の側に建っているアッシャン・モンジルは別名「ピンクパレス」と呼ばれており、その通称が示すとおり壁一面がピンク色に塗られた宮殿です。一歩中に足を踏み入れると、人であふれるダッカの街とは一線を画す静かで広大な空間が広がっており、人気の観光スポットとなっています。この建物はかつてこの地の領主であったナワブ氏の個人邸宅でしたが現在は博物館として使用されており、かつてのナワブ家の威光を窺い知れる数々の調度品が展示されています。
ダッカを歩いて旅の楽しみを満喫しよう
ダッカは、前述のとおり世界有数の人口密度を誇る街。今回ご紹介した3つの観光スポットがある旧市街オールドダッカの混雑ぶりは特に凄まじく、圧倒的な数の人やリキシャがあふれ、迷路のような入り組んだ構造をしています。目的地へ行くのも苦労するかもしれませんが、だからこそ日本では味わうことのできない「異国感」を楽しむことが出来るとも言えます。ぜひダッカの街を歩いて現地の人々と触れ合い、旅の醍醐味を思い切り味わってください。