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2016年05月23日 11時39分

ストーリー通じて「民主主義とは何か?」を体感して――ラノベで描く「選挙の仕組み」

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ストーリー通じて「民主主義とは何か?」を体感して――ラノベで描く「選挙の仕組み」
「東京ガールズ選挙(エレクション)」の著者、長嶺超輝さん

今夏の参議院選挙から本格的にはじまる「18歳選挙」。これまで選挙で投票できる年齢は「20歳以上」だったが、「18歳以上」に引き下げられた。今回の参院選では、18歳の高校生を含む約240万人が有権者に加わるとされる。こうした状況のもと、巷では、18歳選挙権にからんだ出版やイベントがあいついでいる。

今年3月に出版された小説『東京ガールズ選挙(エレクション) こじらせ系女子高生が生徒会長を目指したら』(ユーキャン・自由国民社)もその一つだ。若者向けのライトノベル調のストーリー仕立てで、民主主義や選挙の仕組みについて、スラスラ読みやすく書かれている。

主人公は、友だちがいない「こじらせ系ぼっち」の女子高生いづみ。高校の中で唯一の居場所だった「イチョウの樹」が撤去されることを防ぐために、アイドルのような人気で絶大な権力をふるう冴(さえ)を相手に生徒会長選挙を挑む。徳川家の血を引く亡霊のキャラクターが現れて、思わぬ方向に事態が動いていく・・・という一風変わったあらすじだ。

30万部を超えるベストセラーとなった『裁判官の爆笑お言葉集』 (幻冬舎新書)の筆者である長嶺超輝さんが書いた。これまでライターとして、法律系書籍の取材・執筆をおこなってきたが、今回は自身初の小説となる。長嶺さんは弁護士ドットコムニュースのインタビューに「『もしドラ』を少しだけ意識しました」と笑いながら切り出した。

●「自分たちと同じレベルのリーダーしか獲得できない」

どうして今回、小説を書くことにしたのか。長嶺さんは、これから有権者になる若者に、物語の登場人物を通して、「民主主義は何か?」を「体験」してほしかったからだという。「投票できるということは、大人になるということです。つまり、社会を一緒につくるということです。そのために、まず投票に行ってほしい。選挙や政治みたいなデリケートで難しいテーマで、家族や友達で話す機会は、普段なかなかないでしょうが、この本が貴重なコミュニケーションのきっかけになれば嬉しい」と話す。

若者の政治離れが指摘されて久しいが、18歳選挙がはじまろうという中で、どのように情報に接していくべきか。

「政治について勉強しないと投票できないわけではありません。深刻に考える必要はないと思います。もちろん、勉強するに超したことはありませんが、過去の実績や将来の政策などをもとにするだけが投票行動ではないと思います。候補者の人柄や態度を真剣に観察して、フィーリングで直感的に選んでもいい。この世の中は、理屈や知識だけで動いているわけではありませんから」(長嶺さん)

本には、読者に問いかけるような印象的な一節がある。

「民主主義で選ばれるリーダーは、人びとの政治に対する思いを鏡に映したようなものじゃからな。われわれは結局、自分たちと同じレベルのリーダーしか獲得できん。政治に関心のない国民から出てくる政治家は、はたして、どれほど国民に関心を持っておるじゃろうか」(『東京ガールズ選挙』より)

『東京ガールズ選挙』は5月12日、一時的ではあるが、アマゾンの「選挙」ジャンルで、他の新書などを抑えて「1位」を獲得した。この夏の参議院選挙をむかえようとするなか、異色な書籍として注目をあつめるかもしれない。

なお、長嶺さんは今回の書籍にちなんだプロモーション動画を自作して、YouTubeにアップロードしている。

https://www.youtube.com/watch?v=Um_jxW4sJUQ

(弁護士ドットコムニュース)

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