インド最大の都市にして、南アジアでも随一の大都市であるムンバイ。1995年まではボンベイという名で、これはポルトガル語で「良い港」という意味を持っていました。ポルトガル、イギリスに支配された歴史を持ち、貿易や軍事的な拠点として発展してきた街です。コロニアル調の歴史的建造物が多く建ち並ぶ街並みには、観光すべき魅力的な見どころがたくさん。今回はその中から特にインド門、ハッジ・アリー廟、エレファンタ石窟群についてご紹介します。
インドの入口にしてムンバイの観光拠点、インド門
インド門という名の門は、インドにはデリーとムンバイの2都市にあります。ムンバイのインド門はイギリス領インド帝国の時代に、ジョージ5世とメアリー王妃がこの地を訪れたことを記念して造られました。高さ約26メートルのアーチが印象的などっしりとした門で、ムンバイでは最大の見どころとなっています。まさにインドの入口、出口となっていて、後述するエレファンタ島へのフェリー乗り場などもあり、観光拠点として観光客が多く集います。
海に浮かぶイスラム教聖人の霊廟、ハッジ・アリー廟
インドといえばヒンドゥー教のイメージが強いのですが、ムンバイにあるハッジ・アリー廟はイスラム教の聖人を祀る霊廟です。メッカ巡礼の途中で亡くなった聖人ハジ・アリーの棺がアラビア海に浮かぶ小島に流れ着いたことから、この島に廟が造られたと言われています。おもしろいのは、小島へ続くまっすぐな参道が普段は海に沈んでいるということ。干潮時にのみ姿を現し、その道を渡って礼拝しに行くことができるのです。イスラム教徒だけでなく、さまざまな人が訪れます。
たくさんのシヴァ神に会える エレファンタ石窟群
ムンバイから北に約10キロのエレファンタ島に、ヒンドゥー教最高神のひとりであるシヴァが祀られるエレファンタ石窟群があります。5~8世紀の間に造営されましたが、16世紀にその大部分がポルトガル人によって破壊されてしまい、全部で7つある石窟のうち保存状態の良いものは第1窟だけ。ここではさまざまな姿のシヴァが彫られていて、特に巨大なシヴァ三面像は必見です。同じくインドにあるエローラ石窟群とともにぜひ見ておきたい石窟遺跡となっています。
ちょっと違ったインドを味わいたいなら、ムンバイへ行こう
2014年にイギリスの旅行ガイドブックを作っている会社が発表した「世界で最も魅惑的な20都市」というランキングで、見事に第5位を獲得したムンバイ。ここでご紹介したところ以外にも、コロニアル建築の代表とも言えるチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅や、インド門のすぐそばにある世界的にも有名なタージ・マハル・ホテルなど、見どころは尽きません。インドを訪れるなら、ぜひこのムンバイの観光もお忘れなく!ひと味違ったインドが味わえますよ。