「トランスジェンダーは心の性に合ったトイレを使用するべき」米政府が全ての公立学校に指示
心と体の性が一致しないトランスジェンダーの人は、「男性用」「女性用」どちらのトイレまたは更衣室を使用するべきか?
アメリカ国内で物議を醸しているこの問題に対し、現地時間13日(金)にオバマ政権が新たなガイダンスを発表し、注目を集めている。
そのガイダンスというのが、すべての公立学校で、「心の性」に一致した“性別”のトイレまたは更衣室の使用を可能にするというものだ。
州と連邦政府がお互いを提訴
ことの発端は、ノースカロライナ州シャーロット市が、「心の性に合ったトイレなどを使用できるようにするべき」とした条例をつくったことに対し、同州のパット・マクローリー知事が「悪用されるとキケン」として「トイレや更衣室の使用は、生まれもった体の性に合わせるべき」という州法を制定したこと。
これについて連邦政府が、5月9日、「州法は差別にあたる」と主張してお互いを提訴するに発展したのだ。
男女教育機会均等法に違反する
13日に米教育省と司法省から国内の学区に通達されたガイダンスは、法的義務こそないものの、学区はすべての児童・生徒・学生に差別のない環境を提供する必要があることを明確にする意図があるそう。
教育省によれば、心の性と一致しないトイレ等の使用を強要することは、「タイトルナイン(Title IX)」と呼ばれる男女教育機会均等法に違反すると考えられるとか。
同ガイダンスは、連邦資金を受け取っている1万6500の学区と7000の短期大学、大学、商業学校に送られるほか、図書館や博物館、美術館等にも適用されるという。
悪用を危惧する声も
これに対しネット上では、差別撲滅に賛同する声がある一方で、「(身体が)女子が男子用トイレや更衣室に入るのは問題では」「トランスジェンダーだと偽って女子更衣室に男が入ったらどうするんだ」など悪用を危惧する意見も出ている。
なお、今回のガイダンスには起こりうる問題の対処法も別紙で配布され、トランスジェンダーの児童・生徒・学生のプライバシーを守るために更衣室などにカーテンなどを設置する、誰もいない時間帯に使用できるようスケジュールを調整する、といった提案も記されているそうだ。
- 出典元:U.S. Directs Public Schools to Allow Transgender Access to Restrooms - The New York Times(5/12)
- 出典元:Schools must allow transgender bathrooms, Department of Education says - USA TODAY(5/12)
- 出典元:Obama Admin to Give Guidance to Schools on Transgender Bathroom Use - NBC NEWS(5/12)
- 出典元:Obama administration to issue guidance on transgender bathrooms - CNN(5/13)
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