ついつい印象に残るポスターに共通している4つのコツ

街頭や駅構内などで必ず見かけるポスター。世の中にはパッと見ただけなのについつい印象に残り、ふとしたきっかけで思い出してしまうようなポスターが存在します。この効果こそポスターを使う最大のメリットであり、そういった効果を引き出すには実は4つのコツがあります。今回はそのコツについてご紹介致します。

1人の人物のことを意識したデザイン

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不特定多数に向けた当たり障りのないデザインより、1人の人物のことを意識したデザインの方が見る人にインパクトを与えられると言われています。訴求したいターゲット層を意識してデザインすることで、まるでその人のために作られたデザインのような錯覚を起こさせることもあります。結果として強く記憶に残るデザインになるでしょう。
つまりターゲット層を絞り込んだデザインにする方が、印象を残すという意味では、当たり障りのないデザインよりその効果が強く表れる傾向にあります。

基本的に文字が揃えられている

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視認性が優れるという意味でもコンテンツごとに、フォントの種類や大きさ、行間隔など文字が揃えられていることが重要になります。デザインはアートのようにその印刷物の美しさを表現するものではありませんが、見た目の美しさが見る人の注目を集めることは確かな事実です。それぞれのコンテンツを独立して目立たせることも大切ですが、まずは全体の構成を統一することが結果的に印象に残るポスターに仕上がるコツになります。

細かい部分までフォントが工夫されている

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意外に多くのデザイナーが「こんなところまで見てないだろう」と省略しがちですが、細かい部分までフォントが工夫されていることで、見た人の印象が大きく変わってきます。ポスターは読み物ではありませんが少なからず文章が掲載されていることは事実で、読んでいる最中に飽きられてしまっては販促物としての効果が発揮できません。時にはフォントの大きさや種類、装飾などを変えてみて、最後まで飽きさせないよう工夫することも見た人の印象に残りやすくするポイントのひとつです。

ビビッドなデザインが使われている

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ビビッドなデザインには見た人にビジュアルショックを起こさせ、そのポスターに注目をさせる効果があります。街頭や駅構内など数多くあるポスターの中から目立たせるには、周りの環境との調和を考えたデザインにするのではなく、時には尖ったデザインで差別化をすることも大切です。積極的にビビットなカラーや画像を使用することで、ポスターの存在を認識させる効果を高める要素になります。

いかがでしたか?あまり難しく考えすぎず今回ご紹介した4つコツを取り入れることで、今までよりも印象に残るデザインに仕上げることが可能になります。他にはない奇抜なデザインを考えるばかりではなく、基本的なテクニックをよく理解し効果的なポスター作りができるよう、是非活用してみてください。

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色が感情と行動に与える影響

色はブランドアイデンティティで重要な役割を果たしています。顧客を製品に引き寄せたり、感情をかき立てたり、ブランド認知に大きな影響を与えています。 色は私たちを幸せにしたり、悲しませたり・・・、食欲を出させたり、リラックスさせることもできます。デザイナーとして、色が一般の人間、またはクライアントが対象にしているオーディエンスに及ぼす心理的影響について理解するのは大切なことです。色がどのように私たちの感情や行動に影響を与えるか、詳しく見てみましょう。 暖色 赤、オレンジ、そして黄色は色相環上で隣り合っており、すべて暖色に分類されます。暖色はよく、幸せや楽観的な気分、そして活力を喚起します。しかし、この他にも黄色とオレンジはほんの少し目を刺激することがあり、赤は食欲を増進させる効果があります。 マクドナルドやケンタッキーフライドチキンのようなファストフード店を思い出してください。このような場所には黄色や赤が使われています。なぜでしょうか?それは顧客のお腹をすかせ、そして早く食べてもらいたいからです。 赤 Photograph: Cas Cornelissen (via Unsplash) 赤は暖色で一番ダイナミックな色で、対立する感情を引き起こします。赤は、情熱や愛情、そして怒りや危険といったイメージをたびたび連想させます。心拍数を増加させたり、人を興奮させることもあります。 デザイン要素に注目を集めたいなら、赤を使ってください。しかし、アクセントカラーとして適度に使用してください。使い過ぎると見る人を圧倒してしまいます。 オレンジ Photograph: Afroz Nawaf (via Unsplash) オレンジは活気と幸せの感情を高めます。赤と同様、目をひき、動きを表しますが、圧倒される感じはありません。アグレッシブですが、バランスが取れています。オレンジはエネルギーを表現していますが、魅力的で友好的でもあります。製品の予約や購買意欲をかき立てるのに非常に効果的です。 黄色 Photograph: Alexander Shustov (via Unsplash) 黄色はおそらく最もエネルギッシュな暖色でしょう。笑いや希望、そして太陽の光を連想させます。黄色のアクセントはデザインに活気を与え、見ている人を楽天的で朗らかな気分にします。しかし、黄色は光を反射させる傾向があり、目を刺激することがあります。使いすぎは見ている人を圧倒してしまうので、慎重に使いましょう。デザインの中で、黄色はよく、元気で安心させるといった注目を集めるのに使われます。 寒色 寒色には緑や青、紫といった色が含まれます。寒色は通常、気分を落ち着かせたり、和らげたりしますが、悲しみも表現します。紫は青(冷静)と赤(情熱)の混合色のため、創造力を刺激するために頻繁に使用されます。健康や美、安全を表現したい会社には、このような色を取り入れてください。 緑 Photograph: Buzo Jesús (via Unsplash) 緑は健康、新たな始まり、そして富を象徴しています。目に最も優しく、デザインの中でリラックスや調和を作り出すのに使われます。成長や安全、可能性を抱かせる表現をしたい会社には、緑は最適です。 青 Photograph: J DuClos (via Unsplash) 青は安心と信頼、そして冷静と崇高な気持ちを呼び起こします。青色を見ていると、体は心を落ち着かせる化学物質を作り出します。一番人気がある色なのも当然です。紺青色はプロフェッショナルな感覚を与えるのに役立つため、企業のデザインに最適です。しかし、使い過ぎると冷たさとやる気のなさを感じさせてしまいます。水色はリラックスした友好的な感情を抱かせます。ロゴに明るい青を使用しているFacebookやTwitterなどのようなソーシャル・サイトがその良い例です。 紫 Photograph: Sonja Langford (via Unsplash) 紫は創造性や気品、そして富を連想させます。紫は見ている人を安心させ、落ち着かせるのに使われます。それゆえ、理美容の製品に使われます。紫を取り入れると、豪華さや高級感を表すことができ、明るい紫色はロマンスやミステリーを表します。 無彩色 Photograph: Noel Lopez (via…

知っておきたい15のデザイン用語
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知っておきたい15のデザイン用語

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シンプルで心に残るロゴを作成をするためのコツ
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シンプルで心に残るロゴを作成をするためのコツ

ロゴは、企業やお店のイメージを作る大切な役割を担っています。一目ロゴを見ただけで「あの企業だ!」と認識できるような、心に残るデザインが望ましいですね。「心に残るロゴ」の制作は、単純に多くの人に認知されれば、ビジネスとして成功したと言えるのではないでしょうか。ここでは、シンプルなのに印象的なロゴを作成するコツについて、4つの視点で考えていきます。 シンプルなのに忘れられないロゴの特徴とは? 世の中には、デザインとしてはとてもシンプルなのに、どこか印象に残るロゴがありますよね。 例えば有名ハンバーガーチェーン店が挙げられます。曲線で描かれた黄色のアルファベット「M」を見れば、多くの人がマクドナルドを想像するでしょう。また、同じ「M」のロゴでも、緑の看板に白抜きのMを見れば、モスバーガーを連想できます。シンプルなデザインでも、色や形で個性を出し、他社の差別化を図っているのです。 限りなくシンプルなデザインにすることで、逆に印象的なロゴを作れる場合があります。シルエットを見るだけで、何のロゴなのかわかるくらい特徴的であることが、印象的なロゴ制作の重要なポイントの1つです。 ロゴに文字を取り入れる大切さとは? 「ロゴだけ印象に残って、社名・店名が二の次になっては困る」という場合、ロゴに社名の一部を取り入れることをオススメします。ロゴ作りにおいてよく見られる方法のひとつとして、社名・店名の頭文字や略称を利用するものがあります。この方法を使えば、ロゴと社名・店名が頭の中でリンクしやすくなり、ロゴだけでなく社名自体も印象に残る可能性が高くなります。 さらに何度もロゴを見て、社名を意識することで、「単純接触効果」という心理効果が期待できます。これは、ロゴが目に触れる回数が多いほど、その対象への好感度や安心感が増すという作用ですので、ブランディング戦略としても有効かもしれません。 小さなアイコンがロゴの魅力になることも クライアントの中には、より多くの情報を詰め込んだロゴにしたいという要望を持っている場合もあるでしょう。そういったときにオススメなのが、複数の小さなアイコンを寄せ集め、ひとつのシンプルなロゴにする方法です。 家庭用品メーカーとして有名な「ユニリーバ」のロゴがいい例です。魚、氷、波、鳥などのさまざまな小さなアイコンが、シンプルな「U」の形になるように細かく計算して配置されています。それぞれのアイコンには意味が込められており、ユニリーバのたくさんの想いを具現化しているのです。企業やお店から多くの情報をロゴに込めたいとの要望があった場合は、その情報を小さなアイコンとして寄せ集め、設置した際に、クライアントの要望が具現化できているか検証してみましょう。   多角的に見てロゴの修正を重ねて行こう ロゴは、多様なシーンで利用されることを想定しながら制作する必要があります。ロゴができあがったら、それが実際に商品やお店と馴染めそうか、さまざまな視点からチェックをすることも大切なポイントです。 例えば、飲料メーカーのロゴデザインなら、印刷したロゴを缶やペットボトルに貼り付けてみましょう。もし家電メーカーのロゴなら、冷蔵庫や掃除機に貼り付けることで商品化したイメージがリアルに思い描けます。PCの画面上では素晴らしいデザインに見えていても、対象物に貼り付けることで、どこか違和感が見つかるかもしれません。その上で修正を重ねていき、印象に残りやすいデザインを完成させましょう。 ロゴはコンセプトや経営理念を象徴したものであり、企業やお店の顔として長く使われることになります。それを押さえた上で、シンプルで人の心に残るロゴを制作することは、難易度の高いことかもしれません。しかし、今回ご紹介したロゴ作りの大切なコツをきちんと押さえれば、理想のロゴを作れる可能性が高くなります。クライアントにとって満足のいくロゴはもちろん、人々の心に残るロゴ制作を目指しましょう。

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