ブロードバンドタワー國武です。
このブログでは初投稿になるので、簡単に自己紹介を。
今までにネットワーク、ウェブアプリの開発など、色々やって来ましたが、自分では現在のところサーバ屋さんに近いかなと思ってます。Linux IPv6 Users Group JPを経て、Linux の IPv6実装を改善しようと立ち上がった USAGI Projectにコアメンバーとして参加したこともあり、IPv6とは長い付き合いです。未だに JPNIC IPv6教育専門家チームという帽子も持っており、ほそぼそと?IPv6には引き続き取り組んでいます。講師として他所で話したり、勉強会等に参加者として出かけたりすることも多いので、その際にはお気軽にお声がけ頂けると嬉しいです。
さて、本投稿含め、特に分野を決めず思いつくままに書き散らしていこうかと考えていますが、技術関連の話題に触れる際には、IPアドレスやドメイン名を例示することがよくあります。うっかり実在のIPアドレスやドメイン名を使ってしまうと、迷惑をかけてしまうかもしれません。ここでは、ドキュメント用にリザーブされたIPアドレス等、必要になりそうなものをまとめてみました。
目次
IPv4アドレス
[RFC5737] IPv4 Address Blocks Reserved for Documentation
で定義されており、
- 192.0.2.0/24 (TEST-NET-1)
- 198.51.100.0/24 (TEST-NET-2)
- 203.0.113.0/24 (TEST-NET-3)
が文書用のIPv4アドレスとしてリザーブされています。
IPv6アドレス
[RFC3849] IPv6 Address Prefix Reserved for Documentation
で定義されており、
- 2001:db8::/32
が文書用のIPv6アドレスとしてリザーブされています。
ドメイン名
[RFC6761] Special-Use Domain Names
で定義されており、
TLDとしては
- .test
- .localhost
- .invalid
- .example
セカンドレベルドメインとしては
- example.com.
- example.net.
- example.org.
があります。それぞれの想定されている用途については、RFCを参照してみてください。
さらに、RFCにはなっていませんがJPドメインでは
に記載があるように
- example.jp
- example.co.jp
- example.ne.jp
と、それぞれの example の後ろに一桁の数字を付与したドメインもOKです。
例:
- example1.jp
- example2.co.jp
- example3.ne.jp
さらには日本語ドメインにも例示用に、”ドメイン名例.JP” が用意されているとのことです。
- XN–ECKWD4C7CU47R2WF.JP (「ドメイン名例.JP」のpunycode表記)
ドキュメント用途という意味では少し方向性が変わってしまうかもしれませんが、IANA-managed Reserved Domains によると、テスト用 IDN(Internationalized Domain Name) TLD として
Domain | Domain (A-label) | Language |
---|---|---|
إختبار | xn--kgbechtv | Arabic |
آزمایشی | xn--hgbk6aj7f53bba | Persian |
测试 | xn--0zwm56d | Chinese |
測試 | xn--g6w251d | Chinese |
испытание | xn--80akhbyknj4f | Russian |
परीक्षा | xn--11b5bs3a9aj6g | Hindi |
δοκιμή | xn--jxalpdlp | Greek, Modern (1453-) |
테스트 | xn--9t4b11yi5a | Korean |
טעסט | xn--deba0ad | Yiddish |
テスト | xn--zckzah | Japanese |
பரிட்சை | xn--hlcj6aya9esc7a | Tamil |
が用意されているそうです。
AS番号
[RFC5398] Autonomous System (AS) Number Reservation for Documentation Use
で定義されています。
- 64496 から 64511
- 16ビット AS(2バイト AS)
- 65536 から 65551
- 32ビットAS(4バイトAS)
一見すると、プライベートASっぽく見えますね。
MACアドレス
[RFC7042] IANA Considerations and IETF Protocol and Documentation Usage for IEEE 802 Parameters
に定義があります。00-00-5E は、IANAにアサインされたOUIで、このレンジから、ドキュメント用のMACアドレスなどが定義されています。
- EUI-48 Documentaiton Values
- 00-00-5E-00-53-00 から 00-00-5E-00-53-FF まで unicast として
- 01-00-5E-90-10-00 から 01-00-5E-90-10-FF まで multicastとして
- EUI-64 Documentation Values
- 02-00-5E-10-00-00-00-00 から 20-00-5E-10-00-00-00-FF まで
最後に
なお、実際の機器にこれらの値を使って設定するのはお勧めしません。意図的にフィルタリングなどなされていることもあり、思わぬ不具合を招く可能性があるので、注意しましょう。
以上、もし間違っている箇所があれば、ご指摘頂ければ幸いです。
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