3月22-23日、Y Combinator(以下YC)のWinter 2016 Demo Dayが、マウンテンビューにあるコンピューター・ヒストリー・ミュージアムで開催された。今回、最新のBatch参加チームをハードウェアスタートアップ中心に紹介する。なお、YCはRFS(Requests for Startups)と称して、24の重点テーマを掲げている。

 

OpenTrons

 

 

バイオ・ライフサイエンスなどの研究者が日常的に行っている、めんどくさい雑務をロボットで自動化するサービス。研究者はOpenTronsを用いることで、より生産性の高い作業に時間を集中することができる。mixbioというプロトコルで共有化されてリ、ユーザーはWebブラウザから特別なコードを必要とせずロボットを設計・コントロール可能だ。同社は先んじて2014年にKickstarterでも成功を収めている。また、同じくYC出身でバイオテックのラボをアウトソース(クラウドサービスとして提供)しているTranscripticとは、パートナーとして同じ研究者の課題解決に取り組んでいるようだ。

 

Petcube

 

 

飼い主が家にいなくてもペットと遊ぶことができるキューブ状のデバイスPetcube Cameraを提供している。内蔵カメラでペットの状況を見ながら、手元のデバイスで安全なレーザーポインターをコントールして遊ぶことができる。PetcubeはKickstarterで250K USDを越える成功を収め、Y Combinator、AVentures Capital、Almaz CapitalなどVCからの投資を合わせると、これまでに計4M USDを資金調達している。

 

OSViecle

 

 

カスタマイズしたオリジナルの電気自動車がつくれるプラットフォーム。独自モジュールを開発しており、個人でもプラモデルのように1時間程で簡単に組立てが可能。用途に応じ機能や部品を組み替えながら、いつまでもカスタムして使い続けられる。

 

Acre Designs

 

 

太陽光発電で必要な電力がすべて得られるスマートホームを提供。電気の購入を不要にするだけでなく、水の利用も従来より70%節約することができるという。プレハブ工法で簡単に設置ができ、洗練されたデザインを採用している。値段は400K USD(ベッドルーム×2、バスルーム付き)から販売されており、オンライン上で予約を受け付けている。

 

Tovala

 

 

アプリと連携して使える調理用スマートオーブンを提供する。お目当ての調理済パッケージをアプリで注文し、あとはオーブンにセットするだけで簡単に完璧な料理ができあがる。Tovalaはクラウド上のレシピリストも準備しており、カロリーや栄養素など健康に合わせた多様なメニューを選ぶことが可能になる。小売価格は329 USDを予定しており、現在はkickstarterでキャンペーンを実施し、すでに目標金額を越える230K USDを調達している。

 

REVL

 

 

撮影した動画が自動的に編集されるアクションカメラを提供。GoProなど先駆者がひしめく中、まだユーザーが満たされていない映像ブレのフラストレーションを解決できる自動補正技術を武器に対抗する。これまでに、米個人投資家であるBill Tai、Y Combinator、frog ventureなどから計2M USDを調達している。

 

Enflux

 

 

エクササイズのフォームを3次元で分析し、専門的な指導がうけられるウェアラブルデバイス。心拍数や運動の情報をアプリ経由で記録し、適度な活動量に達すると通知される。デバイスのほか、洗濯可能なトレーニングウェアのセットを小売価格399 USDで販売予定で、現在Kickstarterキャンペーン実施中。

 

Hykso

 

 

ボクシングのパンチをトラッキングするウェアラブルデバイス。パンチ数をカウントしてトレーニングに活かしたり、試合の観客にデータを配信することができる。同チームはFounder Institute出身でYCに参加。

 

Protonet

 

 

ネットワークに繋ぐだけで、セットアップ不要でクラウド上にプロジェクトスペースをもつことができるデバイス。オリジナルのプロジェクト管理ツールやチャット機能があり、チーム内のコラボレーションが簡単に実現できる。値段はデバイスとセットで7,000 USDから提供する。

 

Toymail

 

 

スマートフォンを通じて会話するwi-fi内臓のぬいぐるみを提供。親子がこのぬいぐるみを通して会話したり、録音機能を利用することでネットに繋がらない環境でも遊ぶことが可能。値段は本体価格が79 USDからで、メッセージを送るための切手を99セント(50枚)、あるいは月額2.99 USD(無制)で販売。

 

Soundsboks

 

 

バッテリーで約30時間、連続使用可能な大出力スピーカー。防水仕様のため、ビーチやフェスなど屋外利用においても活躍が期待される。小売価格は一台699 USDを予定しており、現在はkickstarterでキャンペーンも実施中。

 

iSono Health

 

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Image by iSono Health

 

乳がんの診断が自宅で簡単にできるキット。超音波で取得した情報は機械学習アルゴリズムで分析され、異常を検知すると専門家からフィードバックも受けられるサービスも提供する。

 

Airmada

 

AIRMADAPhoto by AIRMADA

 

商用利用向けにドローン発着所の設置することで、安価なオペレーションコストでドローンを利用できるサービス。サイズに関わらず、時間やトラフィックに応じて600-3,000 USDで利用できる。

 

Georgette Packaging

 

 

主にレストランやカフェなどの小規模店舗向けに、オリジナルの箱やコップを提供するサービス。将来的に包装など領域の拡張を狙っており、パーソナルユースでの利用も期待される。

 

Function of Beauty

 

 

パーソナライズされたシャンプーとコンディショナーをオンラインで提供するサービス。ユーザーは自分の髪質や好みに合わせて、4億5000万通りの組み合わせから最適なものを購入することができる。YCに入る段階で、MIT卒業の2人が立ち上げたチームで、F&Fの100K USDを調達している。

 

Vinebox

 

 

3杯分のワインが月額30-35 USDで定期購買できるサービス。