素朴な田園風景や雄大な山脈などのバラエティー豊かな自然、重厚な歴史と伝統を感じさせる街並み、地方によって多彩な表情を見せてくれる文化…。日本では見ることの出来ないあらゆる魅力が詰まったヨーロッパは、旅行先として常に高い人気を誇っています。そして、重たい雲が晴れ清々しい風が吹き、色とりどりの花であふれる春は、ヨーロッパを観光するにはまさにうってつけの季節!美しい風景が更に彩りを増し、旅の思い出もより鮮やかなものとなるでしょう。今回は、そんな春のヨーロッパに数ある見どころの中でも特におすすめの、ベネルクス3国のチューリップ、モン・サン・ミッシェルの菜の花畑、アンダルシアのひまわり畑の3つをご紹介します。
春のベネルクス3国でチューリップを楽しもう
ヨーロッパ大陸北西部に位置するオランダ、ベルギー、ルクセンブルクの3カ国をあわせて「ベネルクス3国」と呼びます。そして春のベネルクス3国の見どころといえばやはりチューリップです。特に北海に面し、春に冷涼な気候と水はけの良い土壌を持つオランダやベルギーはチューリップの栽培に適しており、中世には上流階級の間で爆発的なチューリップブームが巻き起こりました。チューリップ鑑賞で訪れる定番の場所といえば、世界最大の規模を誇るオランダのキューケンホフ公園です。チューリップをはじめ水仙やヒヤシンスなど約700万株もの球根が植えられており、開園する春にはカラフルなじゅうたんを敷き詰めたような光景を楽しむことが出来ます。
菜の花越しに見る、春のモン・サン・ミッシェル
フランス北西部に広がるノルマンディー地方の、サン・マロ湾から海上へ1kmほど突き出した岩山にモン・サン・ミッシェルはあります。岩山全体が修道院となっており、潮の満ち引きによっては完全に孤立してしまうという神秘的かつ荘厳な佇まいは多くの人々を惹きつけ、「西洋の驚異」と称えられました。
1979年には世界遺産にも登録され、フランスを代表する人気の観光地となっているモン・サン・ミッシェルですが、おすすめはやはり春!ノルマンディー地方は4月下旬から5月上旬にかけて菜の花が咲き乱れるため、モン・サン・ミッシェルへ向かう道すがら一面に広がる菜の花畑を通ることになります。菜の花越しに眺める世界遺産はこの時期だけの絶景ですよ。
これぞ太陽の国!アンダルシアのひまわり畑
スペイン南部に広がるアンダルシア地方は、フラメンコや闘牛といった「これぞスペイン!」と誰もが思い浮かべる文化の発祥地です。「太陽と情熱の国」と呼ばれるだけあって夏は暑く、40度を越える気温になることもあります。そんな灼熱の季節を向かえる少し前の5月末~6月にかけて、アンダルシアではあちこちで一面に広がるひまわり畑を見ることが出来ます。地中海地方特有の乾燥した空気と抜けるような青空のもとで咲き誇る黄金のひまわり。その色彩のコントラストはまばゆいほどの美しさです。アンダルシアへ行くなら絶対に見ておきたい絶景ですが、開花時期が短いので注意が必要。確実に見るのならツアーの計画は直前に立てることをおすすめします。
今年の連休は春のヨーロッパを満喫してはいかが
あちこちに歴史と伝統の面影を残し、目にする場所がそのまま絵になってしまうヨーロッパ。街中に花があふれ探索にも適した気候の春は、どこへ行っても気持ちよく観光を楽しむことが出来るでしょう。また自然に目を向ければ、スイスなどでは過酷な冬には難しいトレッキングも気軽に体験出来るはず。春の花々と雪がまだ残る山頂の景色を楽しめるのもこの季節ならではです。また地中海にはカプリ島やクレタ島、イビサ島などビーチリゾートを楽しめる観光地が多くありますが、真夏のハイシーズンを避ければゆっくりと青く透明な海を満喫することが出来ます。連休の旅行先を計画している方は、思い切って春のヨーロッパへ出かけてみてはいかがでしょうか。