PREVIOUS NEWS
2016.3.15 TUE
IMAGES BY THE MOST DANGEROUS WRITING APP
TEXT BY MARGARET RHODES
TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI, HIROKO GOHARA/GALILEO
WIRED NEWS (US)
Twitterに連携可能で、次のようなメッセージを投稿できる。「わたしは1分33秒で120ワードを書きましたが、そこで力尽きました」
「執筆を止めてはいけません。5秒以上入力を停止すると、これまでに行ったすべての作業が失われます」
新しいウェブツール「The Most Dangerous Writing App(最も危険なライティング・アプリ)」は、こう警告する。これは、「ライターズ・ブロック」(執筆スランプ)の克服を支援するために荒療治を行うアプリなのだ。
ライターズ・ブロックに関して最も一般的に言われているアドヴァイスのひとつはおそらく、「とにかく書き続けなさい」というものだろう。下書きを一気に書きなぐるのでもいいし、日記に書くように「意識の流れ」に委ねるのもいい。あるいは、編集者がよく言うように、「自分がバーにいて、ビールを飲みながら友人に語るように」書くのもいいだろう。
こうした方策の目標は、自分のつまらない自尊心に強制的に打ち勝つことにある。ロマンティックなひらめきの高まりを待つのはやめて、とにかく書くのだ。
「The Most Dangerous Writing App」では、入力が続いているかぎり、書く技法にはこだわらない。その代わり、たとえ1秒でも入力が止まると、画面の縁に赤い色が付く。入力停止が長くなるとともに、縁の赤みが増していき、5秒間操作が行われなければ、これまでの入力は容赦なく消去され、元に戻すことはできない。
筆者も、そのうちライターズ・ブロックを経験する予感がしたので、このアプリを試すことにした。インターフェースは非常にシンプルな、何の飾りもないテキストエディタだ。書式設定ツールのようなものは何も見当たらない。このアプリがとにかく書くためだけの目的で制作されたものだということがよく伝わってくる。
バックスペースとミススペルの訂正は何度でも可能で、どちらもわずかではあるが時間を引き延ばすのに役に立つ。それでも大部分は強制的に書かされる感じだった。
ノンストップで書き続ける時間は、希望する自虐レヴェルの高さに合わせて5分、10分、20分、30分、45分、60分から選択できる。筆者が設定した5分間の終わりに近づいたころにはプレッシャーがかかり、話が本当にまとまらなくなった。ストレスは少し感じるものの(アプリの使用中に筆者の心拍数は上昇した)、使用感は巧妙に考え抜かれている。
この強制的な切迫感が重要なのだ。プレッシャーのもとで頑張れる人や、11時間働き続けると生産性が最も上がると感じる人には、そのようなプレッシャーを人工的にかける有効な手段として「The Most Dangerous Writing App」を利用できるかもしれない。
そして、確かにこのアプリのおかげでわたしはライターズ・ブロックを克服した。この記事がその証拠だ。
なお、アプリを作成したマニュエル・エバートは、「Twitter」で自身を「元神経科学者、データ処理技術者、デザイナー、エンジニア」と称しており、小さなデータコンサルタント会社、Summer.ai社の共同創業者でもある。「The Most Dangerous Writing App」は、エバート氏が余暇の間に作成し、無料で公開しているものだ。
PREVIOUS NEWS
コメントをシェアしよう