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AI(人工知能)の研究開発やビジネス活用を展開するITベンチャーに注目が集まっている。2014年10月に設立したPreferred Networks(プリファードネットワークス、PFN)はそんな1社だ。
現在、トヨタ自動車やファナック、NTTなどと組み、それぞれの事業分野で機械学習などAI機能を埋め込むことに挑む。協業先と密な関係を築くため、出資を仰ぐこともある。
PFNの設立経緯を振り返る。西川徹社長兼CEOが、学生時代の2006年3月に学生仲間らと「最先端技術を使った5年後、10年先の実用化に向けた研究開発」に取り組むプリファードインフラストラクチャー(PFI)を設立した。
最初に手掛けたのは、検索アルゴリズムの商用化。その後、データ分析、データ活用、機械学習へと広げていくなかで、監視カメラのデータを防犯やマーケティングに生かすことを着目し、商品化に乗り出した。
だが、西川社長は「そこに大きな市場があるのか」と疑問を持ち始め、「機械が生み出すデータにフォーカスしよう」と思い、自身が社長を務めるPFIをスピンアウトさせる形でPFNを立ち上げた。テーマは、「デバイスを賢くすること。それらをつなげるネットワークを賢くすること」(西川社長)。実用化に向けて、AIの応用開発に着手した。
具体的には、自動車をはじめとするモノ作りにディープラーニング(深層学習)技術などを活用すること。例えば、自動運転車の場合、1台に取り付けたセンサから周りの状況を判断するだけではなく、周辺を走る自動車からデータを収集、融合し、お互いに衝突しないよう精度の高い自動運転を実現する。
産業用ロボットでは、複数のロボットが協調したモノ作りを目指す。例えば、1台が故障したら、他のロボットがそれを認識し、補う最適な方法を見つけ出し、計画通りの生産を続行する。ちなみに、自動車でトヨタ自動車、産業用ロボットでファナックと共同開発を始めている。
実は、実現には柔軟にネットワークの構成を変えられる仕組みも必要になる。いわば、“賢いネットワーク”がなければ、リアルタイムなデータ分析は難しいからだ。西川社長によれば、クラウドにデータを集めて処理する方法では、瞬時な判断が難しい。そこで、ネットワークに分析、処理の機能を持たせる。エッジとも呼ばれているもので、NTTと実用化に向けた開発を開始している。
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