遊びを学びに変える 15 のハイテクおもちゃ

By Joyce Riha Linik, iQ Contributor @JoyceRihaLinik September 14, 2015

発電するサッカーボールから会話を記憶しておしゃべりする人形まで、新世代のハイテクおもちゃは、ゲーム画面から現実世界へと飛び出し、学びと遊びの可能性を広げます。

ゲームにのめり込み、ひたすらグミを消していく単純作業にはまる子どもたち。それを見て、多くの保護者は脳の発育に悪影響が出るのではないかと心配するでしょう。ハイテクおもちゃの開発者は、そんな不安を払しょくするために現れた救世主です。

彼らは、最新テクノロジーを駆使して、脳の力やスキルを磨くための新たなおもちゃを製作しています。 子どもたちは、そんなことは全く知らずに、 遊びやゲームを楽しみ続けます。

インテルで新規ビジネス・イニシアチブのベンチャー責任者を務めるマーク・フランシスが、「おもちゃは数十年にわたりテクノロジーを採用してきた」と説明するように、おもちゃ業界にとって、テクノロジーは目新しい要素ではありません。

「最近のトレンドは双方向の対話機能です。おもちゃ、人形、動物のぬいぐるみ、ロボット、フィギュアといった触れることのできる物体にテクノロジーが組み込まれ、タブレットやスマートフォン・アプリなどのデジタル資産と連携するようになっています。こうした対話性によって、さらに感情移入できるようになり、遊びが楽しくなるわけです」とフランシス。

littleBits で STEM (Science, Technology, Engineering and Math の略:理数系) を学ぶ生徒たち

これは、デジタル世界と物理世界を融合させる「フィジタル」という考え方で、遊びの世界に革命をもたらす新機軸です。 デジタル・テクノロジーを組み込むことで、ハイテクおもちゃは、問題解決力やコンピューターのプログラミング・スキルなど、次世代を担う人材に必要な能力を育成してくれます。

ここでは、遊びと学びの体験を強化する 15 種類の新しいハイテクおもちゃを紹介しましょう。

SOCCKET

働くおもちゃ

Soccket
遊ぶことでエネルギーを生成するサッカーボール。 ボールを蹴って転がすと電気が発生します。その電気をバッテリーに蓄え、5 個のポータブルライトを充電するのです。 メキシコとナイジェリアで実施したパイロットプログラムでは、子どもたちがサッカーボールで遊んで充電したライトのおかげで、外が暗くなっても宿題を終えることができました。

Tree Swing
暗くなると点灯し、リモコンで色を変えることができる LED。 EL 発光テープをブランコの縁に貼り、RGB フルカラー LED をブランコの底に取り付ければ、子どもたちはブランコに乗りながらグラデーション効果やフラッシュ効果を楽しむことができ、暗くなっても遊べます。

「Skylanders SuperChargers 」のキャラクター・アート
※Skylanders SuperChargers は、Activision 社の「Skylanders」シリーズ最新作となるビデオゲーム

対話型の人形やキャラクター

Hello Barbie
Wi-Fi* 対応のバービー人形。会話したり、冗談を言ったり、対話型ゲームで遊ぶことができます。子どもたちの好き嫌いを学習する機能もあります。 時間の経過とともにどんどん賢くなり、集めた情報を使って会話できるようになります。

●Activision の Skylanders*
おもちゃに命を吹き込むビデオゲーム。「Portal to Power」と呼ばれるパッドにキャラクターのフィギュアを置くと、無線信号で ID タグが読み取られます。 そのキャラクターをバーチャル・キャラクターとしてビデオゲームに読み込むこともできます。

迷路を進む Dash and Dot

Sphero* 2.0
iOS*、Android*、Windows* に対応し、防水仕様でペットにも安全なアプリ対応のボール型ロボット。子どもたちは、ビデオゲームのような感覚を現実世界でも楽しむことができます。 障害物を設置したり、マルチプレーヤー・ゲームに参加したり、さまざまな楽しみ方があります。 Sphero* で遊ぶことで、子どもたちはプログラミングを学習できるほか、数学や科学のスキルも磨けます。

Dash and Dot
子どもたちがコンピューター・プログラミングを楽しく学習できるトイロボット。 iPad* や Android* タブレットでプログラミングすることで、ロボットに運動をさせたり、物を検知させたり、あるいは、障害物を避けながら通り抜けるといった連続する複雑な命令も実行できます。

Mip*
2 つの車輪で自立走行し、iOS* や Android* スマートフォンで操作できる多機能ロボット。手の動きだけで直感的に操縦したりゲームをしたり、さまざまな方法で遊ぶことができます。 人格を持つこのロボットは、褒められると上機嫌になったり、ひっくり返ると不機嫌になったりもします。

Lego* Mindstorms* EV3
歩行、会話、思考などの機能を持つさまざまなロボット製作が可能なブロックとパーツのセット。 使いやすいアイコンベースのユーザー・インターフェイスで、ロボットの機能をプログラミングできます。

Sphero* 2.0 で遊ぶ子どもたち

優れた仮想現実体験をもたらすおもちゃ

Google* Cardboard
ダンボール製の DIY 仮想現実キット。 非常にリーズナブルな価格で、高度なデジタル体験が得られます。

●Disney の Playmation
ウェアラブル・テクノロジーや、モバイルデバイスで操作可能なコネクテッド・トイを使って、地上最強のヒーローチームの一員として、ウルトロンや悪の組織と戦えます。 ヒーローと悪役が互いに対話するだけでなく、キャラクターが装着者のギアにも反応するので、善と悪の壮大な戦いに夢中になります。

●Mattel Stereoscope
今秋発売が予定されているプラスチック製の仮想現実ヘッドセット。ダンボール製からの進化版であり、子どもたちに最適です。 iOS* と Android* の両方で使用できます。

littleBits Pro Library を使った生徒向けのものづくりスペース

組み立てて楽しむキット

Kano
対象年齢 6 ~ 14 歳の自作コンピューター・キット。組み立て式のパーツの中には、Kano の頭脳となる手のひらサイズのコンピューター「Raspberry Pi*」 (ラズベリーパイ) が含まれています。 子どもたちはコードを学んで、アプリを実行することができます。また、テレビをモニターにしてインターネットを閲覧することも可能です。

littleBits*
対象年齢 8 歳以上の使いやすいモジュラー型電子ブロック。それぞれ別々の機能を持つブロックを組み合わせるだけで、手軽に電子工作が楽しめます。 遊びながら STEM (理数系) 、さらには STEAM (理数系+芸術) のスキルを磨き、新しいおもちゃや発明品のプロトタイプも開発できます。

ハイテクおもちゃビジネス

Bot Bash Party
ロボット界のオリンピック「RoboGames」でチャンピオンを 4 回獲得したザカリー・ライトルの作品。ロボットが子どもたちの誕生日パーティーを演出します。 ロボットをリモコン操縦して壮絶なバトルをクリアすると、技術者がパーティーの参加者に回転力や牽引力、その他の科学的な概念について教えてくれます。

Two Bit Circus
物理的なモノとデジタル世界を融合したおもちゃとゲームを発明しては開発し、最高の楽しみを生み出している企業。 そのおもちゃとゲームの驚くべきコラボレーションは、STEAM をテーマとしたギークなイベント「Steam Carnival」で一般公開されており、実際にプレイすることもできます。

Two Bit Circus のキングスゲーム

紹介したハイテクおもちゃは、物理世界とデジタル世界を組み合わせた次世代のスマートトイ (タブレットやスマートフォンで遊べるおもちゃ) の先駆けにすぎません。 テクノロジーの発展により、子どもたちはゲーム画面から解放され、遊びの臨場感と対話性が向上し、学びにまで貢献するようになっています。

スマートトイやゲーム市場におけるインテルの活動をリードするフランシスは、「インテル® Edison 開発ボードインテル® Quark™ マイクロコントローラー D1000インテル® Curie™ モジュールなどの製品をリリースすることで、インテルは、おもちゃメーカーやゲーム会社にテクノロジーやサービス、サポートを提供し、遊びやハイテクおもちゃを実に魅力的なものへと変えていくことができます」と説明。

さらに、「私たちは、他社が真似できないような独自の方法で、スマートトイの頭脳を強化できるのです」と付け加えます。

そのスマートトイの頭脳となるのが、インテル® Edison 開発ボードとインテル® Curie™ モジュールです。小さなサイズに豊富な機能を詰め込んだこの開発プラットフォームは、Wi-Fi* 機能と Bluetooth* 機能も内蔵しています。

「インテル® Edison 開発ボードなどのデバイスを利用すれば、ハードウェア・ハッカー (電子機器の改造を楽しむ人たち) や、起業家、メイカーズは、コストをかけずに気軽にプロトタイプを作成できるようになります」と、インテルのテック・エバンジェリスト、レックス・セント・ジョンは語ります。

近年のハッカソンやものづくりスペースで、創造力が爆発する様子を目の当たりにしてきたセント・ジョンは、こうした小さなデバイスが、起業家やソフトウェア開発者に数十億ドル規模の新たなビジネスチャンスをもたらすだろうと予測しています。

チャンスを手にする起業家や開発者は、もしかしたら、上記に挙げたようなハイテクおもちゃで遊んだ子どもたちかもしれません。

「ユーザーは、現実世界にあるモノや行動がデジタル世界の遊びに与える影響を学ぶと同時に、その逆についても学びます」と語るフランシスは、遊びを通じて受ける刺激が独自のゲームを生み出すきっかけになるだろうと考えています。

「そう、誰もがクリエイターになれるのです」とフランシス。