2015年9月16日

「30代中堅」ならば考えたい、仕事の将来設計

スキルを磨いて年収UPを狙え!Webデザイナーが目指すべき3つのキャリアパス

スキルを磨いて年収UPを狙え!Webデザイナーが目指すべき3つのキャリアパス

WEBデザイナーとして順調にキャリアを積んできた人でも、30代に差し掛かると気になるのが今後のこと。年を重ねても年収も右肩上がりとはなかなかいかないのがWEBデザイナーの難しいところです。
 

・制作単価の下落傾向 

 
ここ数年、1Pあたりの単価が下がっていると感じませんか? 最近では1P3,000円〜という単価もあるとか…。原価が低く、参入障壁が低いように見えるWEBデザインは、ノウハウが広く速くシェアされる傾向があります。
 
紙媒体のデザイナーがWEBデザインに関わるなど業界的な流れもあり、技術価値は低く、業務範囲は狭く見積もられがちです。
 
 

・体力的につらい

 
WEBデザイナーはデザインの仕事をするだけでなく、お客さんとの折衝や営業も仕事の範疇に入っています。長時間労働になりがちで、体力的にもつらくなってきます。
 

・デザインの潮流、技術のキャッチアップをし続けることが難しい

 
WEB制作の環境の変化は著しく、またユーザーがWEBサイトに求める内容も時代によって変化します。このような時代の潮流を、WEBデザイナーとしてキャッチアップし続けることは、簡単なことではありません。
 
30代の中堅以降、WEBデザイナーが生き残るためにはプロジェクト全体を見渡せる力が必要となります。自分が今後進みたい方向性、得意とする業務を洗い出し、報酬をアップできるキャリアパスを作りましょう。
 
ここで、WEBデザイナーが目指したいキャリアパスを3つ紹介します。
 


■ユーザビリティと技術的な厳密さを担う「フロントエンドエンジニア」



 

フロントエンドエンジニアは、コーダーとマークアップエンジニアの上位職。コンテンツの仕様を策定したり,設計したりする技術者です。
 
フロントエンドとは、ユーザーに対して最も前面にある環境のこと。そのためHTMLをはじめCSS、JavaScriptなどあらゆるコーディングの知識が必要です。
 
また、別の人が更新や保守作業を行いやすいWeb標準やアクセシビリティに基づいたコーディング力、整ったCSS・HTML設計のスキルも求められます。
 
さらに、サーバーサイドなどバックエンドへの知見も必要とされる守備範囲の広い職種です。

 

●幅広いコーディングの知見を元に、コーダーに実現可能な指示

 

サイトの設計指針をドキュメントにまとめ、自身がページの量産を行うほか、分業体制の場合、それぞれが量産できるよう指示することもあります。
 
コーディング中には、小さな仕様変更でも大幅に作業量が増えたり、インフラが不足するなど様々な問題が発生します。その中で、こんな指示をするのもフロントエンドエンジニアの役割のひとつです。
 
【フロントエンドエンジニアの指示例】
 
・命名規則は、BEMをベースに作成する
・ベースとなるStyleSheetを指定する
・ファイルの管理方法を指定する
・対応ブラウザを指定する

 

●今後のWEB業界で必要とされるフロントエンドエンジニア

 

フロントエンドエンジニアになるには、これまでWEBデザイナーとして培ってきたコーディングの技術を、コーダー上位職として全ての作業を実行できるまでレベルアップさせる必要があります。
 
最近では、CMSの構築も業務に含まれることが増えているほか、スマートフォンの普及で、今後ますますJavaScriptも必須のスキルとなります。
 
フロントエンドエンジニアは、これからのWEB業界で求められる職種だと言えます。

 

●コーディングが好きなWEBデザイナーなら目指したい職種

 

WEBの進化に伴い、従来のデザイナーやコーダーだけでは対応できなくなってきた難易度の高い構築を行えるのが、フロントエンドエンジニアの魅力。コーディングが好きなWEBデザイナーは、ぜひ目指したいキャリアパスです。
 


■プロジェクト全体の人の動きを管理する「WEBディレクター」

 


WEBディレクターは、様々な意志や仕事をまとめて先導するプロジェクトマネジャーや現場責任者に近い役割です。
 
事業のKPI達成のために、社内外の専門部署の間に立ってスケジュールや工数管理、人を動かす業務を担います。
 
主な仕事内容は…
・数値を元に仮説を作り、施策を立てて実行していく
・上記を達成するために必要な工数の管理
・CVや、CVR、ROIなどのKPI達成のために代理店の仕事を監督

●技術的な知識だけでなく現場を動かすリーダーシップが必要

 

技術的な知識やスキルがあれば、デザイナーやコーダーに対してより具体的な指示ができます。それと同時に、WEBディレクターには関わる人と良好な関係を築きながら、人を動かすために大事な交渉力やバランス感覚を身につけることも、重要です。
 
偉そうな態度で、実現不可能なスケジュールやサイトの構築を押し付けられたら、誰もついていきませんよね。
 
プロジェクトに関わる様々な人の立場や職能について理解して、目的を達成するリーダーシップを発揮できるのが、優秀なWEBディレクターだと言えるでしょう。
 
また、WEBディレクターは、インターネットビジネスの知見とデバイスの知識を、持ちあわせていることも重要です。
 
WEBデザイナーとしてのテクニカルなスキルやクライアントの要求を理解してきた経験は、ライターやカメラマン、エンジニアなど、WEBディレクターが監督する専門職への理解につながることでしょう。
 


■プロジェクトの統括責任者「WEBプロデューサー」

 

WEBプロデューサーとは、WEBサイトにまつわるプロジェクト全体を統括するポジションです。クライアントのWebビジネスやWebサイトのすべてを全体的にプランニングして見ていく立場であり、具体的にWeb制作の実作業に関わることはほとんどありません。
 
また、予算獲得や目標達成のための金銭面の管理・折衝も重要な仕事のひとつです。
 
企画段階ではクライアントのニーズを明確に把握して、利益を得るための予算獲得、管理を行います。
 
制作段階では、制作チームのメンバーをフォローしながら進捗を管理します。リリース後のサイト運営とそのアフターフォローも、WEBプロデューサーの大事な役割です。

 

●WEB業界での経験だけでなく高度なビジネススキルが求められる

 

WEBプロデューサーは、マネジメント力、コミュニケーション力、プレゼンスキル、トラブルが起きた時の迅速で的確な判断力など、高度なビジネススキルが必要となります。
 
どの業界でも、制作現場で経験のないプロジェクト責任者は少ないでしょう。WEBデザイナーとしての経験は、WEBプロデューサーになった際に説得力のある仕事につながるはずです。
 
そのためWEBプロデューサーには、WEBディレクターの職を経て就任したり、異業種での商品プロデュース経験にプラスして、WEB業界の知識やスキルを学んだ後に就任したりするケースが多く見られます。
 
紹介したもの以外にも、WEBデザイナーの経験を活かして飛躍できる様々な職種があります。自分が極めたいジャンルや、得意なスキルを伸ばせるキャリアに挑戦しましょう。

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