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オランダのユーロ予選敗退で見えた、アウトサイダー躍進の理由、そしてそれに遅れる日本

前回のブラジルW杯で3位に入ったオランダが、ユーロ予選でグループリーグ敗退という大波乱が起こってしまいました。

しかも、今回のユーロ予選は2位までがストレートインで、3位もプレーオフに出場が出来るレギュレーション、それも決して死のグループではなくて、チェコ、アイスランド、トルコに後塵を拝しての4位と、全く言い訳のできない結果です。

その敗退が決まってしまったチェコ戦を見ていたのですが、同じ4-3-3というフォーメーションでもチェコのほうが明らかにコンパクトで、対するオランダは全体が間延びして頼みのスナイデルもボールタッチが多くなく、前半の43分でチェコのスヒーが一発退場という助け舟があったにも関わらず、80分ぐらいまではかえってチェコのほうがチャンスの数自体は多いぐらいでした。

オランダのグループだけではなく、今大会のユーロ予選はアイスランドやウェールズ、スロヴァキア、オーストリア、ルーマニア、アルバニアといった今までアウトサイダーと考えられていた国が勝ち上がっており、明らかに今までとは違う流れが来ていることは間違いありません。

その理由としては、ブラジルW杯の終了直後から予選が始まって出場国に疲労が溜まっていた事、だいたいW杯を境にして世代交代が行われがちな事もあるのでしょうが、このチェコやアイスランドエストニアスコットランドなどの試合を見て思ったのは、ゾーン・ディフェンスを中心とした戦術サッカーの波が代表チームにも訪れているなという実感です。

ブラジルW杯は、高温多湿、悪質なピッチというコンディションもあってドイツを除けば5バックの守備的カウンターサッカーが幅を利かせましたが、クラブではドイツを中心にゾーン・ディフェンスから派生した4-1-4-1のポゼッションサッカーというムーブメントが起こり、縦にはコンパクトに、横にはワイドに攻めるというスタイルが主流になりつつあります。

オランダ対チェコの試合を見ると、特に10人になってからのチェコの戦術的な統一性は目をみはるものがあり、4-3-2という形でコンパクトさを維持しながら中盤の3人がスライドしてオランダの中盤にプレッシャーをかけ、前線の2人が攻守に積極的な飛び出しで絡むなど、どちらが数的優位になっているのか分からないぐらいに勢いがありました。さすがに最後は疲れて2点を奪われましたが、この順位が当然の内容でした。

そして相手もピッチも環境も違うとはいえ、この試合のチェコと比べると日本代表の戦術的な面での遅れは残念ながらはっきりしてしまっていると言えるでしょう。イラン戦もシリア戦もDFラインは低くて中盤が間延びし、ボランチは前線に連れて上がりすぎてしまってバイタルが空き、サイドチェンジをさせると誰もスペースを埋めてなかったりと、選手のポジションが偏ってコンパクトさが感じられませんでした。

おそらくハリルホジッチも選手をテスト的に起用しながら、誰が戦術的に望む役割を果たすことが出来るのかを探っているところでしょう。まあ、それでいて宇佐美や柴崎といった現状”攻撃オンリー”のタレントが大好きなのが分かって微笑ましいですが(笑)、どこかでリアリズムに転換する時期がやって来るはずです。その時に日本の中で誰が残っているのか、ある意味楽しく、怖い気がしますね。

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2015/10/15 | EURO, コラム・書評

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