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破られないセキュリティを目指して、量子暗号の研究が進む(後)
2015/10/08
量子暗号は現在のセキュリティ界で最もホットな話題の1つだが、その説明を読んでも、わけの分からないSF用語が並んでいるように見えるのは間違いない。結局のところ、量子暗号とはどのような技術なのだろうか。
(前回から続く)
電気工学科の准教授で理学博士のChee Wei Wong氏は次のように言う。「我々の目標は、量子ハイパーエンタングルメントを発展させ、破ることのできない高速でセキュアな通信を実現することだ。これは、現在の量子鍵配送(QKD:Quantum Key Distribution)を劇的に高速化する拡張パッケージだ。つまり、我々の今回のブレークスルーは、現在のQKD技術を活用したものであり、そうした技術の中には、既に実装されてリリースされているものもある」
Wong氏によると、この技術は今のところ、医療データの通信、金融取引の通信、政府機関のデータの通信、軍事作戦や戦域でのデータ通信などのみに関係している。つまり、この研究は通信の保護だけを対象としたものである。情報流出が最近生じているデータベースのような、大本のデータファイルやデータレコードの保護に関する技術ではない。
Wong氏は次のように言う。「我々の次なる一歩は、ハイパーエンタングルメントの手法で符号化する量子ビットをさらに増やすことだ。今のところ、それぞれの光子は約5量子ビットを伝送する。2^5(2の5乗)は32、つまり、現状で破ることのできない伝送に比べて32倍のデータだ。また、物理システムでの情報の符号化も次の一歩で実現したい。量子コンピューターがなくとも、量子物理学を基盤とするこの通信手法は破れないことが分かっている」