『戦魂 - SENTAMA -』は、戦国時代を舞台とした戦国シミュレーションRPG! プレイヤーは一城主となり、自領地や自軍を育て、戦国の覇者を目指します。臨場感あふれる3Dバトルや豪華声優陣のボイスにより、戦国時代の合戦をリアルに再現したこのアプリのリリース記念として、戦国にまつわる3つの記事を展開いたします!
爆睡中にこんにちは。ヨッピーです。
みなさんは「敵に塩を送る」という故事をご存知でしょうか。
イラスト:マキゾウ
戦国時代、海に面する領地を持った今川氏&北条氏と対立関係にあった武田信玄が経済封鎖によって塩の供給をストップされ、領地が海に面していなかった武田信玄とその領民は塩の欠乏によりおおいに苦しみます。
イラスト:マキゾウ
そこに現れたのが武田信玄のライバルである上杉謙信。
彼が武田の領地まで「塩を送る」事を決意し、この窮状を救ったのです。
この出来事がのちに「敵に塩を送る」という言葉の語源になりました。
そこで僕は思った。
上杉さんに塩を返しに行こう!!
と言いますのも、今回はこちらのアプリ「戦魂」のプロモーションで、 「『戦国時代』をテーマになんかやってくれ」と言われましてですね、 その場の思い付きで「武田信玄の子孫が上杉謙信の子孫に塩を返したら面白くね!?」って言ったらマジでやるハメになりました。最悪。
※撮影にはARuFaが同行しています
レンタカーを借りて東京から中央道を走り、
武田信玄ゆかりの地、山梨県の甲府市に向かいます!
「ちなみに武田信玄の子孫の方にはARuFaがアポ取ってくれたんよね?どんな人だった?」
「お忙しい方でアポ取るのが大変でしたし、武田信玄の子孫のですから、そりゃ猛々しい人だと思います。常に"火"ですよ。」
「既に行きたくない。そもそも、『上杉に塩返せ』って無関係の僕が言うのおかしくない!? なんでこんな企画なのよ!?」
「アンタが言い出したことでしょうよ。つき合わされる僕の身にもなってください!キレられても僕は知りませんからね!」
「冷たいやつだな……」
そんなわけで車を走らせること2時間。
山梨県甲府市の武田神社に来ました。
この武田神社は武田信玄でお馴染みの武田氏の館の跡地に建てられていて、
武田信玄を祭神とし、境内にある宝物殿には武田氏ゆかりの品々が収められている立派な神社であります。
「ARuFaくんほら。コイが居るよ。見て見て」
「……? 何やってるんですか?」
「こういう所のコイは餌付けされてるから、こうやってエサを撒いてるフリをするとエサを貰えると思って寄ってくるんよ。アーッハッハ!来てる来てる!バカだなーコイって!」
「(コイツ、マジで終わってんな……)」
そんな風にコイと遊びつつ、待ち合わせの場所にお邪魔すると、 なんかどえらく立派な建物に通されました。
「無職が来て良い場所では無い気がする」
そしていよいよ……、
武田家16代当主、武田邦信さんとのご対面だーーー!
武田信玄の子孫 武田邦信さん
武田竜芳系の16代子孫。武田家旧温会最高顧問、武田神社崇敬会総裁、国連UNHCR協会理事。
「なんかえらい人が出て来た」
「おしっこ漏れそうです。」
「そんなわけで今日は『上杉さんに塩を返す』という企画なんですが、そもそも上杉家の方々とは交流があったりするんでしょうか?」
「ええ、上杉家とは今でも付き合いがありますよ」
「え!そうなんだ!意外!」
「明治時代に上杉さんが伯爵で、武田家は子爵だったんですよ。上杉家はずっと家が続いてるけど、武田家は戦国時代に一度滅んじゃってるから」
「伯爵の方が爵位が上ですよね」
「そうそう。上杉さんの方が上だったの。だけど武田家にも家臣団がいっぱい居たから『なんで子爵なんだよ!』ってなってて。割とライバルみたいな関係だったんだけど、私の父の代から交流がはじまりまして、今では仲良しですよ。そもそも信玄・油川婦人との間の六女の菊姫は上杉景勝に嫁いでて、上杉家では甲斐御前と呼ばれており上杉家とは親戚関係でしたしね。」
「へー。『先祖の恨み!』とか『謙信さえ居なければ天下が取れてたかもしれないのに!』みたいな感じとかは無いんですか?」
「無いですよ。勝敗がついたら後は水に流して仲良く、っていうのが日本人の良い所ですからね。昔戦った相手の方がむしろ、慰霊祭とかで毎年顔を合わせるから仲良くなります」
「じゃあ、他の戦国大名の方々とかとも交流はあるんですか?」
「ええ。例えば織田家の子孫の織田さんも、毎年長篠の戦いの慰霊祭で顔を合わせますよ」
「えー!長篠の戦いの慰霊祭っていまだにやってるんですか!?」
「お祭りみたいなものですけどね。私も毎年出席します。あとは徳川さんなんかはもう古くからの付き合いですね」
「徳川さんとか織田さんとか、教科書で習った名前を『さん付け』するのは違和感あるな……」
「まあ、歴史が間を取り持ってくれてるんでしょうね」
「でも、それだけ慰霊祭とかあったらあちこち顔出すの大変じゃないですか?」
「そうですね。毎月一回はどこかに出かけてますよ。慰霊祭とか法要とかが多いですね。この武田神社でも毎月12日は月命日で来れる限りは来るようにしてますし」
そんなわけで武田神社を案内してくれる武田さん。
こちらは能の舞台で、年に一度しか使われないらしい。贅沢。
「ここなんてね、何もないからちゃんと整備してベンチ置いたりして休めるようにしたいんだけど、掘ると色々と出て来るんですよ」
「あーなるほど。遺跡みたいなのが」
「そうそう。それに国の史跡に指定されてるから勝手に整備したり出来ないんです」
「こっちもね、敵がなかなか攻めて来れないように土塁を積んであったり」
「まだ痕跡があるのがすごい」
自ら歩いて武田神社を案内してくれる武田さん。
それにしても良い天気だな……。
普段は撮影禁止の宝物殿まで見せて頂いた。
教科書でよく見るやつ。
「武田神社、普通に良いところだな。歴史好きにはたまらんわ」
「僕は『歴史』が2だったので何の話なのかサッパリわかりませんでした。」
「あっ!キティちゃんの石像だ!」
「ちょっとちょっとー!これは流石にダメなやつなんじゃないのー!?」
……と思ったらちゃんとコピーライト表記が入ってました。
まさかの公式なんだそうだ。
なんでも、甲府市はサンリオ発祥の地で結びつきが強いらしい。
普段あんまり「血縁」とか「地元」とかを意識する事が無いけど、
こういう繋がりは色んな所で活かされているのかもしれない。
「いやー、ありがとうございます。それで、今日の本題である『上杉さんに塩を返す』という部分なんですが……!」
「あ、塩!? 塩をどうしたら良いの!?」
「とりあえずAmazonの画面を開いてあるんで、購入確定ボタンをポチッとして頂ければ後はこっちでやりますんで!」
「これでいいのかな!?」
「はい!バッチリです!あとは僕らが責任を持って上杉さんに塩を届けます!」
そんなわけで武田さんにお礼を言い、今度は上杉さんに塩を返しに行きます!
「良い人で良かったですね」
「Amazon!?舐めてんのかコラ!って怒鳴られたらどうしようかと思った」
そんなわけで今度は届いた塩を持って東京都内へ!
上杉家の子孫の方に塩を届けるどーーー!
通して頂いたご自宅で、机に塩を並べて待つこと数分……。
上杉子爵家9代当主、上杉孝久さんだーーーー!
上杉謙信の子孫 上杉孝久さん
ちなみに上杉孝久さんは上杉伯爵家本家ではなく、その分家にあたる上杉子爵家のご出身だそうだ。出版業界に身を置いたあと、今では外食産業や日本酒のコンサルタント、BARの経営などをされている。
「本家は上杉邦憲という宇宙工学者の教授が居て、そちらが伯爵家の当主で、私は子爵家で分家なんですよ」
「なるほど。武田さんに会いに甲府へ行ったので、米沢まで行かなきゃなのかと思ったら都内にお住まいなんですね」
「大名の息子、っていうのはみんな江戸っ子なんですよ。参勤交代の制度で、奥さんと子供は全員江戸に住まわされたので、江戸育ちなんですよね。大名屋敷もその名残りなので、私の家も元々は六本木にありました。六本木の地名も、青木、一柳、片桐、朽木、高木、そして上杉と『木』がつく大名の屋敷が6つあったから、という説もあります」
「へー。じゃあ上杉さんも生粋の江戸っ子なんですか?」
「そうです。学習院育ちですからね」
「学習院ってえらい人の子孫とかいっぱいいるんですか?」
「はい。同級生に侯爵とかがたくさん」
「へー!じゃあやっぱり『ご先祖様に恥ずかしくない生き方をしなさい!』みたいに、上杉さんも厳しくしつけられたとか?」
「それがそうでも無いんですよね。武家より商家の方が厳しい所が多かったように思います。やっぱり商売は才能が無いと家が潰れてしまいますから」
上杉さんが謙信公直筆の書があるとの事で見せてくれた。
「なんて書いてあるかサッパリわからない」
「『正月』っていう文字が見えますので、お正月の挨拶の文じゃないですかね。あの時代って祐筆(ゆうひつ)という大名の言葉を書き写す係のものが居たので、直筆のものってなかなか無かったりするんですが、これは謙信公の署名が入っていて直筆の珍しいものです」
「すげぇ……!これ、僕が今クシャミしたらめちゃくちゃ怒られるんでしょうね」
「絶対にやめろ!」
「そんなわけでですね、今日は武田さんから塩を預かってきたのですが……」
「塩?以前も頂きましたよ?」
「えーっ!ウソ―!?]
「ホントです。テレビの企画でもらいました。ちなみに『川中島の戦いを再現する』という企画で、『川中島』っていう居酒屋で武田さんとゲームをしたこともありますよ。」
「えー!武田さんそんなこと一言も言ってなかったのに!」
「忘れてたのかも知れませんね。ちなみにすでに3回返されています。」
「どうしよう。もう返して貰ってたとは……!」
「そもそも『塩を送った』とありますけど、上杉謙信は戦争が上手かっただけじゃなくて、商売も上手かったんですよ。越後商人や海上貿易から利益を吸い上げたりしていて、それで莫大な軍資金を稼いでたんですよね。だから、憶測ですが『塩を送った』とあるけれども、実は塩を結構な金額で売りつけて儲けてたんじゃないかと……」
「なるほど……!じゃあ塩を返して貰う必要はないんですね……」
「そうですねぇ……。そもそも3回返して頂いてますし……」
「ということはこの大量の塩は……?」
「一つまみで結構です。」
これは参ったーーー!まだいっぱいあるのにどうしよう!
「とりあえず塩が余ってしまったので、まだ塩をもらってない方の上杉謙信の子孫を探そう」
「でもそんな簡単に見つかりますかね……」
見つかりました。
俳優の長尾卓磨さんだー!
上杉謙信の母体である長尾氏の末裔だそうです。
家系図の写しを見せてくれる長尾さん。
「僕は上杉謙信公のお兄さんの直系なんだそうです。詳しくはよくわからないんですが、大河ドラマに上杉謙信が出て来た時に、祖父が『この人がご先祖様だぞ』って言い出して。一応家系図もありますが、もしかしたら塩を贈ったエピソード自体が架空かもしれない……」
「めちゃくちゃ自信無さそうですね」
「もう何百年も前の話ですからね。祖父にその話を聞いた時も、『だからって調子に乗るなよ』なんて言ってましたし」
とりあえず武田さんから届いた塩を長尾さんに返す僕。
「ヒマラヤ岩塩です」」
「あの時代にヒマラヤ岩塩って日本にありました?」
「まあまあ、固いことは言わずに。塩を返して貰ってみてどうですか?」
「いや実は、今回のオファーを頂いた時、ちょうど仕事で新潟に行ってたんですよ」
「おお。謙信公ゆかりの地ですね」
「そうなんです。だから何かの縁なのかなと思いまして。」
「なるほどね。偉大なご先祖様がいる、ってどういう気持ちなんですかね?『俺も頑張らなきゃ!』みたいな?」
「うーん、長尾がどうのっていうより、誰にもご先祖様はいるものですし、もちろん『ご先祖に恥じないように』とは思うんですが、特別な感じはあまり無いですね……」
「めちゃくちゃネガティブですね」
「なんかこう、上杉謙信の血を引いていて得した事とかありました?体育祭の騎馬戦だけ異常に強かったとか」
「あ、騎馬戦は大将でしたね。あとは今日なんかは凄くありがたい事ですよね。こうやって楽しい話が出来て、お塩まで頂いて」
「全体的に謙虚だなほんと……。上杉謙信って信長の野望だと『野望』がゼロなんですけど、こういうところに血筋が現れてるのかもしれない。ちなみに焼き鳥はタレ派ですか?塩派ですか?」
「タレ派ですね」
「タレかよ」
そんなわけで今回の「武田さんからもらった塩を上杉さんに返す」のミッション、クリアーです!ヒュー! 普段はあんまり、家系とか気にしませんでしたが、この機会に皆さんも自分のルーツを探ってみるのも良いかも知れません!
「ちなみにヨッピーさんのご先祖様って何してたんですか?」
「僕のご先祖は長曾我部元親って聞いておるよ」
「ちょうそかべ……?」
「四国の大名やね。関ヶ原の戦いで西軍について滅亡したよ。僕はあんまり先祖とか興味無いタイプだけど親父がそう言ってた。直系とか傍系とかそういうのは全然理解してない。ググったら他にも長曾我部の子孫を名乗ってる人がバカスカ居るから僕なんて偽物かもしれないし」
「それってウソなんじゃなくて?」
「いやー、そんなもん確かめようがないんだけど、家になんか日本刀とか色々あるし、京都の立派なお寺が展示するのにあれこれ『貸してくれ』って言ってくるから少なくともその辺は本物なんじゃないかしら。血筋を受け継いでるかどうかは知らん」
「なるほど。立派なご先祖様なのに、末裔がパンツ一丁で街を走り回ってる事を知ったら悲しむでしょうね」
「うるさい。でも大名の末裔とかたぶんたくさん居るだろうから、そういう人達にもこの記事見て貰えると良いね」
「ヨッピーさんの末裔が『これがご先祖様だよ』って言ってパン1の写真を息子に見せる日が来るかもしれない」
「やめろ」