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これまでシステム構築を生業にしてきたシステムインテグレーター(SIer)は、システムをサービスとして提供するクラウド事業をどう展開していくのか。この点について興味深い話を聞いたので紹介したい。
その話を聞いたのは、インターネットイニシアティブ(IIJ)が先頃開いたクラウドサービスの最新動向をテーマにした記者説明会でのひとコマだ。同社が示した2つの図に沿って、その内容を紹介したい。
1つ目は、「SIerのクラウドインテグレーター化」と題した図だ。IIJによると、「クラウドサービスが広がる中でSIerの事業戦略も変化してきている。具体的には、エンタープライズ市場でのシステム構築を手がけていたSIerが、クラウドインテグレーション事業に本格的に乗り出しており、多くの事業者が複数のクラウドのインテグレーションを手がけている」と言う。
この図に示されているのは、「Amazon Web Services(AWS)」「Microsoft Azure」「IBM SoftLayer」といった3つのメジャーパブリッククラウドと、国内の主要SIerとのパートナーシップの状況である。IIJがそれぞれに調べてプロットしたものだ。興味深いのは、図の中央に記されているSIerが、AWSとAzureの両方と連携を図っていることだ。SoftLayerも勢力拡大を図ろうとしている様子がうかがえる。
こうした状況から、「今後のSIerのクラウドに対する戦略は、自社のデータセンター事業(プライベートクラウド)+メジャーパブリッククラウドのインテグレーションが主流になっていく」というのがIIJの見立てだ。
2つ目は、「クラウド事業者/SIerにとってのクラウドネットワークプロバイダー」と題した図だ。これはIIJの将来像を描いたものだが、クラウドサービスの今後のありようを示しているとも言えそうだ。
この図の中には記されていないが、キーワードは「マルチクラウド化」だ。IIJによると、「複数のクラウドサービスをユーザーのシステム用途に応じて使い分けながら、全体の環境を統合的に運用していくこと」だと言う。
この図に示されているのは、IIJのクラウドサービス「IIJ GIO」が各種パブリッククラウドや、SIerが提供するプライベートクラウドなどと幅広くつながった「クラウド間ネットワーク」になるということだ。つまりは、クラウドネットワークプロバイダーになりたいというのがIIJの将来像である。
IIJでは、「こうしたマルチクラウドの利用環境をSIerにも大いに活用してもらい、さまざまなソリューションをユーザーに提案していっていただきたい」と、SIerにも大いにメリットがあることを強調している。クラウドネットワークプロバイダーとは、まさにもともとネットワーク事業者であるIIJらしい発想である。
果たして、多くのSIerがクラウドインテグレーターへと転身できるかどうか。大いに注目しておきたい。
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