「テロとのグローバルな戦い」は一笑に付された。ジョージ・W・ブッシュ前米大統領が唱えたこの表現を、懐疑論者はグローバルでも戦いでもないとあざ笑った。テロは手段にすぎず、敵ではないからだ。オバマ米大統領は2009年に就任するとすぐに、このスローガンをひそかに取り下げた。
これは確かに的外れな表現で不正確だが、言葉尻をとらえても根本的な問題は片付かなかった。表現はどうあれ、世界はイスラム過激派による暴力の問題を抱えており、事態は悪化しつつあるのだ。
■広がる過激派の活動地域
過去5年でイスラム過激派の脅威は2つの点で悪化している。まず過激派グループの活動地域が広がったこと。さらに、襲撃の頻度と死者の数が増えていることだ。
米研究機関ランド・コーポレーションの最近の研究では、13年に世界では49のサラフィスト(厳格なイスラム主義勢力)・ジハーディスト(過激主義者)グループが確認された。07年には28だった。こうしたグループによる13年の襲撃件数は判明しているだけで950件に上り、6年前の100件から増えた。この報告書が発表されたのはナイジェリアで暴力が急増する前のことだ。米国務省が最近発表した報告書によると、13年のテロの犠牲者は推定1万8000人にのぼる。もっとも、米国人の犠牲者の数は非常に少なく、減少していることにも触れている。
テロの犠牲者が減ったため、欧米ではこの問題は時々注意を引くだけだ。だが、世界のほかの地域では、イスラム過激派の兵士が自由に活動し、訓練を受けられる無法地帯が増えている。
10年前には欧米のテロ対策の重点はアフガニスタンとパキスタンの国境地帯に置かれ、ソマリアも重大な懸案だった。だが今では、過激派「イスラム国」がシリアとイラクの広大な地域を支配し、イラク第2の都市モスルも占拠している。
アフリカでは、おそらくイスラム国の成功に刺激を受けて過激派「ボコ・ハラム」もナイジェリア北部でベルギーほどの広さを支配下に置き、カメルーンやニジェールなどの隣国を脅かしている。リビアの大半は暴力の絶えない無政府状態に陥り、イエメンでも過激派がはびこっている。
この問題はなぜエスカレートしたのか。そして、どんな対策が必要なのだろうか。自己中心的な米政界では、政治家は当然ながらこの問題はワシントンに何らかの原因があると考える。民主党はブッシュ前大統領のイラク侵攻の決定を挙げ、共和党はオバマ大統領のイラクからの撤退が早すぎたと主張している。
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