「ヴィレッジヴァンガードに学ぶお店づくり~こんなんだってあり~」

僕たちはお客様と同じ景色を見ていた~お店とお客様のフラットな関係性

こんにちは、ヴィレッジヴァンガードの関戸康嗣です。ヴィレッジヴァンガードでは、下北沢店店長をはじめ、首都圏主要店舗の店長やエリアマネージャーをしていました。現在は、本部にて社内のノウハウをまとめるプロジェクトを担当しています。
このコラムでは、「ヴィレッジヴァンガードに学ぶお店づくり~ヴィレヴァンのこんなんだってあり」と題して、通常の小売店とは一味違う顧客へのアプローチを紹介します。

第一回は、お店とお客様のフラットな関係性についてのお話。私が入社した頃、まだヴィレッジヴァンガードが一部の方にしか知られていない頃のエピソードを交えながらお伝えしていこうかと思います。

ヴィレッジヴァンガード たのしい清貧生活

ヴィレッジヴァンガードに勢いで「入社したいんですけど」と言ってしまってから、はや15年。創業者である会長の本には時給500円って書いてあったから、面接で時給600円と聞いたとき、「ほんとに良いんですか!?」と答えたのを思い出す(当時、高校生でも800円は貰っていたと思う)。当時は、給料は間違っていたり、遅れたりは当たり前。電気代も払えず真っ暗闇で生活するなんてのは、日常茶飯事だった。

金はないけど、お客様に文化を発信しよう。業界の常識は無視して、お客様本位の店づくりをしよう。一冊の本をどこで買ったか思い出してもらえるような店づくりをしよう。書店員の仕事は人の人生に波紋を作る神聖な仕事だ。まさにこんな感じ。

店員たちはそんな想いを持ちながら朝から晩まで働いた。店員はちゃんとした大人の世界を知らない、現代のヒッピーみたいな人たちがなぜか自然と集まった。だいたい他の会社で大人のルールについていけず、ドロップアウトしたやつらばかりだ。なので、当時25歳くらいで入社してくると若い部類に入った。

前は何やっていたの、どんな感じだったのと聞くとだいたいそりゃお前が問題だわって感じな人ばかり。天然を通り過ぎた子供みたいな大人でありながら、尋常じゃない知識量を持った謎めいたひとたちの巣窟だった。そんなわけのわからん奴らが大人社会で封印してきた熱量をぶちまける店がまさにヴィレッジヴァンガードだった。

15年前のヴィレッジヴァンガードの店舗

≫次ページ 「小売りの常識を無視した独創空間」へ続く

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