出版社アシェットとの争いで、米アマゾンに対しその事業手法をやめるよう要請している1000人以上の作家グループは、米司法省にアマゾンを独占禁止の疑いで調査するよう求めようとしている。
グループ「オーサーズ・ユナイテッド」を立ち上げた、アシェットから著作を出している作家のダグラス・プレストン氏によると、同作家グループにはマルコム・グラッドウェル氏、ドナ・タート氏、スティーブン・キング氏らベストセラー作家が支持者として名を連ねており、反トラストを担当するウィリアム・J・ベア司法次官補に調査要請の書簡への署名を求めているという。
この書簡は司法省の反トラスト部門に「アマゾンのビジネス手法の調査」を求める――と、プレストン氏はフィナンシャル・タイムズ紙が確認した作家向けの呼びかけの中で書いている。アマゾンを非難してきた著作権代理人のアンドリュー・ワイリ氏がこの呼びかけを配布した。
「これは感情的で大衆受けを狙ったアピールではない。純粋に法律上の論点を指摘している」とプレストン氏は言い、司法省と連絡をとっているとした。「彼ら(司法省)はこの書簡を待っている。私たちが提供しうる情報は何でも歓迎すると述べた」
アマゾンはコメント要請に応えなかった。
アマゾンとアシェットは電子書籍の価格や値引き率をめぐり対立している。米国で書籍の5分の2、電子書籍の約3分の2を販売するアマゾンは、本を遅配させたり、事前予約ができないようにしたりして、顧客がこのフランス系出版社の一部の書籍を入手するのを困難にした。
■売り上げ減を主張する作家グループ
「オーサーズ・ユナイテッド」は今夏以降この問題をエスカレートさせている。8月にニューヨーク・タイムズに広告を掲載、今月初めにはアマゾンの経営陣に訴えた。プレストン氏とその連署人らは、この論争でアシェット側に立っているのではなく、アマゾンの営業手法の影響に異を唱えているという。
「この制裁により、アマゾン・ドット・コムを通じたアシェット本の著者の売り上げは少なくとも50%減り、一部は90%も減った」と、作家グループは経営陣メンバーに対する公開書簡の中で書いた。著者2500人と書籍7000以上が影響を受けていることになる。
司法省への書簡の内容が最終的にまとまれば、署名のため「オーサーズ・ユナイテッド」のメンバーに送られる。「内容がこれまでの努力と同じようなものなら、恐らく10人ほどが拒否し、300人以上が署名するだろう」とプレストン氏はいう。
出版業界における最近の大きな独占禁止の裁判で、司法省と米裁判所は書籍の著者でなくアマゾンに味方した。当時フィナンシャル・タイムズ紙の親会社のピアソン傘下だったペンギンなど5大出版社は、アップルと共謀し電子書籍の価格をつり上げたことが判明し、罰金として1億6600万ドルを支払った。
英国では出版社がアマゾンの市場独占について不正競争の調査を求めている。アマゾンはドイツでも、価格論争で不当に出版社を不利にしているとの地元出版社や書店からの訴えに直面している。
By Shannon Bond
(2014年9月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
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