知らないと恥をかく!入院時の「お見舞い品」選びの新常識
こんにちは!
ユリカモメ病院の新人ナース、山下リコです。
今回は、病院へお見舞いへ行く際に「絶対に覚えておきたいマナー」に関するお話です。
あなたはおそらく、これまで、ご家族、ご親戚、ご友人など、さまざまな方のお見舞いに行ったことがあると思いますが、その際、お見舞いのマナーに関して、事前にどれだけ勉強されましたか?
もし、あなたが、「お見舞いにマナーなんて関係ないんじゃない?だって、気持ちが大事って言うからさあ・・・」と言うのであれば、それはとっても危険。
なぜなら、お見舞いの方法によっては、相手を激怒させてしまう可能性があるからです。
入院している方の多くは、病気などが原因で気分が下降気味。
そんな状態ですから、お見舞いしてきた方のちょっとした所作やマナーが気になってしまうんです。
たとえば、お花一つにしても、もし、あなたが「白ユリ」や「シクラメン」を持参してしまうと、さあ大変。
もし、相手がマナーに詳しかったりすると、「なんで白ユリなんて持ってきたんだろう・・・」と気落ちさせてしまうでしょう。
仕事のできる人は、お見舞いのマナーも熟知しています。
人間関係にヒビが入らないよう、ぜひ、今回のマナーを知っておいてくださいね。
今回はステップ形式でご紹介します!
ステップ1
まずは、お見舞いに行くかどうかを決める
まず最初に大事なのは、「そもそも、お見舞いに行っても良いか?を確認すること」です。
お見舞いに行くと、相手も気を遣います。
「来てもらってうれしい」という気持ちの反面、「弱々しい姿を見られて恥ずかしい・・・」という気持ちもあるんです。
なので、お見舞いにいくかどうかは、慎重に考えなければなりません。
特に、相手が入院してすぐだったり、体調が良くないときのお見舞いはとってもデリケート。
個人的には、以下のようなケースの場合はお見舞いを控えていただいた方が良いと考えています。
- 相手が3日以内の「短期入院」である
- 病院で面会が規制されている
(面会謝絶) - 相手の衰弱がはげしいとき
(手術の直前、直後や、お産の直後) - 相手が弱っている姿を見られたくないとき
- 大人数や小さな子連れ
「1」のように、相手が3日以内の短期入院の場合は、お見舞いより「退院祝い」をする方が良いでしょう。
また、「2」「3」のように、相手の体調が悪く、お見舞いするのが難しい場合には、手紙やカードにお見舞い品を添えて、ご家族に言付けると良いでしょう。
「いつ頃の時期ならお見舞いに行けそうか?」ということもそっと確認して良いかもしれません。
そして、上記のうち、気を配るのを忘れがちなのが、「5」の大人数や小さな子連れでのお見舞いです。
大人数の相手は相手が疲れますし、小さな子供は幼稚園などを経由して風邪のウイルスを持ち込んでしまう場合があります。
だから、免疫力が下がっている患者さんにとっては危険なんです。
気をつけてくださいね。
また、上記のリストには含めていませんでしたが、社会的な地位が高い方をお見舞いする際にも注意が必要です。
ビジネスでのお付き合いとしてお見舞いする場合、ひとりでお見舞いに行くと、失礼にあたる場合があるからです。
そういう場合は、上司に相談してから、同伴者を連れて、お見舞いに行くようにしましょう。
ステップ2
マナーに沿った「お見舞い品」を持っていこう!
続いては、「お見舞い品」選びのノウハウです。
お見舞い品にはいろいろなものがありますが、ここでは、「お花」「現金・商品券」「食べ物」「小物(本や手紙など)」について取り上げたいと思います。
「お花」はこう選ぼう!
NGなお花、OKなお花
お花を持ち込む際は、まず大前提として、病院がNGを出していないか確認することが重要です。
最近では、感染やアレルギーの観点から、生花の持ち込みを禁止しているケースも増えているからです。
ただ、生花が禁止されていても、「プリザーブドフラワー」はOKな場合があります。
ですので、事前に病院に確認されることをオススメします!
NGなお花
- 百合など匂いがキツイ花
- 菊・小菊
(告別式を連想させるので、縁起が悪い) - シクラメン
(語呂が「死」+「苦」なので、縁起が悪い) - 椿
(花の落ち方が首から落ちるので、縁起が悪い) - バラなどの赤い花
(真っ赤な色が血を連想させるので、縁起が悪い) - 鉢植え
(「根がつく」が「寝付く」と同じ発音のため、縁起が悪い) - 花瓶の必要な花
(花瓶の必要な花束は、細菌の繁殖がしやすく、花瓶自体が割れやすく危ないため)
OKなお花
- 病院で特に規制がなく、相手が好きなお花
- 明るい色の花を集めたフラワーアレンジメント
- すぐに飾れるミニバスケットに入った花
- 生花ではない、プリザーブドフラワー
ちなみに、プリザーブドフラワーは以下のようなお花です。
「現金・商品券」はこう渡そう!
NGなケース、OKなケース
お花ではなく、現金や商品券を渡そうとする方もいらっしゃるかもしれません。
その際は、以下のルールを守るようにしてください。
特に、目上の方に現金を渡すと、大変な失礼にあたるので、注意してください。
NGなケース
- 目上の方へ現金を渡すケース
- 礼儀に合っていない「のし袋」を選んでしまった場合
- 相手に付き添いの方がいなかったり、金庫がない状態で渡すケース
正しい「のし袋」の選び方
現金や商品券を渡す場合には、「のし袋」の選び方を間違えないようにしてください。
お見舞いの際の「のし」は、紅白の「結び切り」のものを使います。
その理由は、結び切りは「一度きり」を意味するため、「これっきり病気にならないで」という意味を込めるからです。
それとは逆に「蝶結び」のものは、「ほどけて何度でも」を意味するため、「何度も病気になる」ことを連想させてしまうので、NGとなっています。
ただ、出産祝いを渡す場合には、それぞれの意味が逆になります。
「蝶結び」のものは、「子供が何度もできますように」というポジティブな意味に。
そして、「結び切り」のものは「子供はひとりきり」というネガティブな意味になりますので、注意してください。
「食べ物」はこう選ぼう!
NGなケース、OKなケース
「お花」「現金・商品券」・・・と続いて、次に人気なのが「食べ物」です。
食べ物にも、NGなもの、OKなものがありますので、しっかり憶えておいてくださいね。
NGな食べ物
- 生もの
(食あたりなどを防ぐため) - 揚げ物
(病中・病後の弱った胃腸は消化する力が落ちているため) - 適量でないフルーツ
(食べきれない量のフルーツの場合、食べ物が傷むのと、付き添いの方の持ち帰りが大変になるため) - 食事制限やアレルギーに影響するもの
OKな食べ物
- 食事制限に該当せず、相手が好物のもの
- ある程度、日持ちがするもの
- 適量のフルーツ
「小物(手紙や本)」はこう選ぼう!
NGなケース、OKなケース
最後にオススメしたいお見舞い品は、手紙や写真、本といった小物類です。
小物類を選ぶ際に気をつけなければならないのが、「入院が長引く」ことを連想させないものを選ぶことです。
たとえば、スリッパやパジャマは、入院が長引くイメージがあるため、あまりよろしくありません。
NGな小物
- スリッパ
- パジャマ
OKな小物
- 手紙
- 写真
(ご家族の場合、お孫さんやご家族の写真や色紙・手紙は喜ばれます) - 本
- ドライシャンプー
(入院中で洗髪できない際に水がいらないシャンプー)
上記のうち、「本」は、骨折による入院や、退院前などで体力が比較的問題ない患者さんに人気です。
入院中は、とにかく時間がたくさんあるため、退屈しない小物は喜ばれます。
ただ、本が増えすぎると、保管場所に困ることになるため、本を持って行った際には、読み終えた本などを引き取ってあげるとよいでしょう。
ステップ3
面会時間に気を配る!
続いて、お見舞いに行く時間帯にも気を遣いましょう。
相手はあなたが思う以上に疲れています。
「いたわり」と「励まし」の穏やかなお声がけをしたあと、「疲れさせないための配慮」として短時間で切り上げることが大切です。
NGなケース
- 面会時間外
- 面会時間内であっても、回診や食事にあたる時間
- 入院直後と退院直前
- 手術の直前・直後や、お産の場合の出産直後
- 長時間居座ること
OKなケース
- 面会時間内の昼食後以降
- 15分~20ほどの面会時間
ステップ4
面会時の会話にも気を配る!
最後に、相手にかける言葉についても、NG例とOKな例がありますので、ご紹介しておきますね。
NGな会話
- 仕事に関する詳細な話など、焦りが出る内容
- 病気の詳細に関する内容
- 相手の見た目が弱っているという内容
(やつれている、顔が優れないなど) - そのほか、不安を与える内容
(世間的に緊張感のある不安なニュースなど)
OKな会話
- ゆっくり静養してほしいということ
- 相手が入院していて淋しく感じていること
(できるだけ早く元気になってほしいという気持ちを込めて。ただし、「がんばってほしい」という台詞はNG)
入院中の相手と最初に交わす会話は、まずは「お加減はいかがですか?」「体調は落ちつかれましたか?」という挨拶から。
そして次に、相手に安心感を与える表現を用います。
「お元気そうで、ほっとしました」「順調なご回復とうかがい、安心しました」。
そのあとで、「一日も早いご回復をお祈りしております」「この機会にお身体を休めて、ご静養なさって下さい」などの言葉を贈りましょう。
まとめ。大切なのは相手へのホスピタリティ
いかがだったでしょうか。
お見舞いにはたくさんのルールがあることを知っていただけたと思います。
ただ、これらの複雑に見えるルールは、実はそれほど難しくありません。
というのも、すべてのルールは、おもてなしの心、すなわち「ホスピタリティ」から生まれているからです。
相手のことを考えた際、自然と行動も決まるのではないでしょうか。
お見舞いに行く際には、相手に対するホスピタリティの精神を大切にしてくださいね。
師長!お見舞いといえば、この看護師さんの対応に感動してしまいました!
これは・・・!!看護師の鑑ね・・・!
まさに究極のホスピタリティだわ・・・。
あ、ちなみに、そろそろ焼き芋の季節よね。