残業「月100時間未満」で大筋合意
政府が検討する残業時間の上限規制について、経団連と連合が、繁忙期でも月100時間未満とし、実施から5年後に見直す方向で大筋合意したことが9日、分かった。今後細部を詰めて最終合意したうえで、経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長が13日にも首相官邸で安倍晋三首相に報告する。
連合はこれまで「到底あり得ない」(神津会長)と上限100時間に反対してきた。一方、経団連内部にも「100時間を超えた瞬間に罪に問われるのはどうか」と「未満」とする案に難色を示す意見が多かった。
関係者によると、見直し時期を明記し、現行で上限の適用を除外している建設業と自動車運転業務を将来的に規制対象とすることで双方が歩み寄った。
電通の女性新入社員の過労自殺事件を踏まえ、メンタルヘルスなど労働者の健康確保措置、パワハラ対策の充実も合意に盛り込む。
政府は合意を受けて、今月17日の「働き方改革実現会議」で、上限時間を「月100時間未満」と明記した政府案を示す。会議での論議を踏まえて、働き方改革の実行計画を今月中に策定し労働基準法を改正する方針だ。【早川健人】