iDeCoは「合法的な財産隠し」が可能な制度だ

自己破産しても守られる積立金制度

信頼して資産を預けていいのでしょうか(写真 :freeangle / PIXTA)

銀行や証券会社で時折見かけるようになった「iDeCo(イデコ)」の看板。これは個人型確定拠出年金(個人型DC)の愛称である。確定拠出年金という制度そのものが、まだ600万人程度の加入なので、知名度の低さは否めない。筆者は金融機関と連携したiDeCo普及セミナーで演台に立つことも多いが、制度自体への不信感も強いように感じる。具体的には、「この制度は本当に恒久的なものなのか」「税制優遇も先々減らされるのではないか」といった質問があった。

厚生労働省や金融機関が税制優遇等のメリットを発信しても、「年金」という名前がついているためか、制度への不信感が先に立ち、老後資金の積立手段として選択できない人は多いようだ。はたして「iDeCo」は信頼して資産を預けて良いのか。具体的に検証していこう。

「投資」は必須ではない

厚生労働省や金融機関が勧めているだけあって、何かしらの貯蓄や運用の制度であることくらいはイメージが沸くことだろう。この制度を端的に説明すると、①毎月ある程度の金額を積み立て、②金融商品を購入し、③60歳以降に引き出す、というシンプルな仕組みだ。

②の金融商品の購入が気になるところだが、定期預金のように元本保証の商品を選ぶこともできるので、投資を義務付けられているわけではない。「iDeCoって投資の仕組みですよね?」と先入観を持って指摘してくる人も多いが、投資は「can(できる)」であって、「must(しなければならない)」ではない。

積み立てるだけであれば他にもいろいろあるのだが、この制度の最大のメリットは所得控除。積み立てるだけで、所得税や住民税の負担が減る。年末調整や確定申告で税金が戻ってくる、いわば、「キャッシュバック付き積み立て」ができるオイシイ仕組みなのだ。

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