運航が再開されたものの、多くの人たちで大混雑する新千歳空港のチェックインカウンター。すぐ隣では横になる人たちもいた=北海道千歳市で2016年12月24日午前10時8分、手塚耕一郎撮影
二つの発達した低気圧が接近した影響で、北海道は23日、大雪となり、空の便の欠航や鉄道の運休が相次いだ。新千歳空港(千歳市)では過去最多となる約6000人が足止めされ、空港内で一夜を過ごした。24日午前は、天候が回復に向かい、欠航は一部の便にとどまっているが、空港内は搭乗手続きを待つ利用客で混雑した。
新千歳空港は2日連続の大雪に見舞われた。22日は224便が欠航し、23日は2本の滑走路が約6時間半にわたり封鎖され、284便が欠航した。
ターミナルビルを管理する北海道空港は、利用客らに毛布と寝袋をそれぞれ4000枚配布したが、足りずに自衛隊千歳基地から毛布4000枚の提供を受けた。自衛隊からこうした支援を受けるのは過去に例がないという。空港内で2晩を過ごした観光客もいた。
航空券の払い戻しの列に並んでいた札幌市の大学に通う石田信太郎さん(20)は、東京の実家に帰省するはずだったが、23日の便が欠航。「空港に1泊しました。今日は夕方の便が取れたのでほっとしている。早く自分のベッドで横になりたい」と安堵(あんど)の表情をみせた。
札幌市では23日の積雪が96センチを記録。札幌管区気象台によると、12月の積雪が90センチを超えるのは1966年以来、50年ぶり。
JR北海道では23日、特急など485本が運休し約8万人に影響があった。24日になっても除雪作業が間に合わず、同日午前中は札幌駅を発着する特急42本を含む262本が運休した。【三沢邦彦、安達恒太郎】