G20サミット 4日に中国で開幕

主要20か国の首脳らが世界経済の課題を議論するG20サミットが、4日、中国で開幕します。世界経済の成長を下振れさせる新たなリスクを抱えるなか、各国が持続的な成長に向けて政策の総動員や保護主義の排除などで一致し、強いメッセージを打ち出せるかどうかが焦点です。
G20サミットは、中国浙江省の杭州で4日から2日間の日程で開かれ、安倍総理大臣やアメリカのオバマ大統領、それに、議長国・中国の習近平国家主席らが出席します。
新興国経済の減速に加え、相次ぐテロや、イギリスがEU=ヨーロッパ連合からの離脱を決めたことなど、世界経済の成長を下振れさせる新たなリスクを抱える中で開かれる今回のサミットは、持続的な成長に向けて各国がどのように協力できるのかが最大のテーマです。
議長国の中国は、世界的な過剰生産を解消するための構造改革の強化や、貿易や投資の拡大を新たな成長の原動力にしたいと呼びかけています。
議論を通じて、各国が財政や金融、それに構造改革のあらゆる政策を総動員することや、保護主義の排除などで一致し、強いメッセージを打ち出せるかどうかが焦点です。
一方、各国の首脳は、G20サミットに合わせて2国間の会談を重ねていて、朝鮮半島情勢など安全保障をめぐる問題や相次ぐテロへの対策など、経済以外の議論の行方も注目されます。

杭州での開催は経済発展アピールの狙いも

G20サミットの会場がある中国の杭州は、世界遺産にも登録されている西湖などで知られる場所で、習近平国家主席が2007年までトップを務めた浙江省の中心都市です。インターネットや金融関連の企業が多く集まり、中国経済が減速するなか、去年も10%余りの好調な経済成長率を維持しています。
習主席がG20サミットを前に3日行った演説でも、「杭州で仕事をして、地域の発展に関与した」と、みずからとの関わりを強調しつつ、インターネットの商取引が盛んであることなどを紹介しています。
また、今回の会議にあわせて各国のメディアに対しても、中国のネット通販最大手のアリババの本社や、ベンチャー企業が集中する地域を訪れる取材ツアーを開催するなどしています。
中国としては、杭州を舞台に経済の発展をアピールし、G20サミットの主要な議題の1つである技術の革新や、構造改革に力を入れている姿勢を世界に発信したい狙いもあるとみられます。