「ビジンダ様!ビジンダ様だけでもここから脱出を!」
「何を言っている?私も皆と一緒に最後まで戦う!」
「ビジンダ様、あなたは我が国の宝です。どうか我々の分まで生きてください!」
「な、何をする!やめろ…グッ…」
「ビジンダ様。地球は素敵なところです。」
「どうか適応して幸せを掴んでください。」
「…。」
ドガァァァン!
プシュゥゥゥ
「…ここが地球か…」
「生き延びてしまったのならしょうがない。アレでも探す…誰だ!」
「オヒョヒョヒョヒョ。」
「なんだ?怪しいやつだな。」
「オヒョヒョ。決して怪しいものではございません。」
「ある組織から派遣されただけの、ただの回し者でございます。」
「私に何の用だ?」
「いえいえ、随分と変わったカプセルを発見したので高く売れる…コホン。何かお探しのようでしたので通りかかったついでに何かお手伝い出来ればと思いまして。」
「ほぅ。私の探し物を見つけてくれるというのか。」
「もちろんでございます。私は人呼んでサチコ。
この世に存在するものならほとんどのものを即座に探し当てることができます。」
「いや、どう見てもサチコって雰囲気じゃないけどまぁいいか。」
「私の名前はビジンダ。とある理由で地球にやってきたのだが、これからうまく適応するためにアレを探してほしい。」
「カ…カ…」
「大丈夫です。ビジンダ様。口に出さなくてもこのサチコに見つけられないものはありません。」
「ビジンダ様のお探しのものは~…」
「これですね!」
カタパットォォォォ!
「これでバッグが肩からずり落ちる心配も…ゴフッ!」
「あほか、どんなやつが地球に初めて来て最初に肩パット欲しがるんだよ。」
「あれだよ、か、彼氏がほしいんだ。」
「せっかく新たな人生を歩むんだから、平和で幸せな毎日を送りたいんだ。」
「笑ったな?」
「いえ。」
「今、絶対その顔で?みたいな感じで笑ったよな?」
「めっそうもごププププ…コホン。彼氏というものを取り扱うと法律などに色々ひっかかってしまいますので、申し訳ございませんがご用意できません。」
「ですが、特別に素敵な筋肉の腕枕に抱かれて素敵な夢を見るサービスなら内緒でお探しすることができます。」
「本当か!ちょうど人肌が恋しくなっていたところだ。」
「この際、腕枕だけでもありがたい。すぐに頼む!」
「わかりました、ビジンダ様。」
「私は向こうで寝ますから、素敵な筋肉を存分に味わってください♪」
「おい。」
「なんでしょう。まだ何か欲しいのですか?」
「頼むから、消えてくれ!」
「分かってますよ、本当は。カカロットですよね?」
「ちゃんとアマゾンでカカロット調べてありますよ♪」
「アマゾンでカカロットが見つかるのか?」
「安心してください。ちゃんと”カカロット”で出てきましたよ!」
「ダレコレ。」
「誰でしょうね。ちゃんとアマゾンで販売している品物なので安心だとは思いますが…」
「もう何もいらん!寝る!」
私は人呼んでサチコ。
世の中にあるものなら何でも探してみせる凄腕の調達屋。
次はアナタの町へ出没するかもしれませんので、欲しいものちゃんと考えといてくださいね☆