米警察官銃撃事件 容疑者は別の大規模襲撃も計画か

米警察官銃撃事件 容疑者は別の大規模襲撃も計画か
アメリカ南部テキサス州で警察官5人が銃撃され、死亡した事件で、地元の警察のトップは、死亡した容疑者の自宅から押収した爆弾を作るための材料などを分析した結果、容疑者が今回の事件とは別に大規模な襲撃計画を立てていた可能性が高いという見方を明らかにしました。
この事件はテキサス州ダラスで7日、警察官による黒人の射殺事件に抗議するデモのさなか、警察官5人が銃撃され死亡したものです。

この事件について、地元ダラスの警察のトップ、ブラウン本部長は10日、アメリカCNNテレビのインタビューで、「死亡したマイカ・ジョンソン容疑者の自宅から見つかった爆弾を作るための材料は、ダラスとテキサス州北部に破壊的な打撃を与えるのに十分な量だった」と述べました。

そのうえで、「われわれはジョンソン容疑者が、ほかの複数の攻撃計画を持っていたと確信している」と述べ、押収した資料の分析からジョンソン容疑者が今回の事件とは別に大規模な襲撃計画を立てていた可能性が高いという見方を明らかにしました。

警察は今回の事件の前に、警察官による黒人射殺事件と、それに対する抗議デモが発生したことで、白人の警察官への怒りを抱いていたジョンソン容疑者が当初の予定よりも犯行を早めた可能性があるとみて調べています。

9日も警察に反発するデモ各地で

一方、全米各地では事件から2日がたった9日も、警察に反発するデモが相次ぎました。

このうち、ニューヨークでは、およそ1000人の市民が参加し、中心部を歩きました。参加者たちは「黒人の命も大切だ」とか、「正義がなければ平和もない」などと声を上げながら行進し、警察の対応に抗議しました。

一連の事件を受けて、ホワイトハウスは10日、オバマ大統領が12日にテキサス州ダラスで開かれる追悼式に出席すると発表しましたが、アメリカ国内では警察の黒人への対応に端を発した今回の問題が、人種間の分断につながることへの懸念が広がっています。