メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

地震情報

[発表時刻] 2016年5月23日 10時09分 気象庁発表

2016年5月23日10時08分ごろ地震がありました。

[震源地] 熊本県熊本など [最大震度] 3 今後の情報に警戒してください。詳細

「贈り物返され殺意」 警察はトラブル把握

アイドル活動をしている女性が、ファンとみられる男に刺された現場=東京都小金井市で2016年5月21日午後10時22分、小出洋平撮影

 東京都小金井市のビルで21日、武蔵野市在住の亜細亜大経営学部3年、冨田真由さん(20)が刃物で刺された事件で、傷害容疑で逮捕された住所・職業不詳、岩埼(いわざき)友宏容疑者(27)が「プレゼントを送り返され、憤慨していた。殺すつもりだった」と供述していることが警視庁への取材でわかった。冨田さんが事件前の同庁への相談で「プレゼントを巡ってトラブルになっている」と話していたことも判明。同庁は「緊急性が高いとは判断しなかった」としているが、相談への対応は適切だったか、さらに詳しい調査が求められそうだ。【神保圭作、春増翔太、斎川瞳】

 岩埼容疑者の供述が殺意を示していることから、同庁は容疑を殺人未遂と銃刀法違反に切り替えて捜査している。冨田さんは意識不明の重体。調べに対し岩埼容疑者は「冨田さんのファンだった。プレゼントを送り返され、憤慨していた。(事件当日は)駅で待ち伏せし、プレゼントのことを問いただしたが、あいまいな答えだったのでかっとなって刺した。ナイフは事前に用意していた」と供述しているという。

 また、事件現場の最寄り駅のJR武蔵小金井駅近くの防犯カメラに、冨田さんの後をつけるようにして歩く岩埼容疑者が映っていたこともわかった。

 警視庁によると、冨田さんは今月9日、岩埼容疑者のものとみられるツイッターやブログの書き込みについて武蔵野署に相談に訪れた際、同容疑者の名前や住所を署員に伝えたうえで「やめさせてほしい」と訴えていた。書き込みの内容も知らせ、「(岩埼容疑者から)贈られたプレゼントを巡ってトラブルになっている」とも話していた。

 武蔵野署員が今月20日、冨田さんに電話をし、9日以降の様子を尋ねたところ、冨田さんは21日にライブに出演すると話した。同署は「もし(岩埼容疑者が)現れたら110番してほしい」と伝え、ライブ会場を管轄する小金井署にも相談内容を伝えた。しかし岩埼容疑者の所在を確認したり、連絡を取ったりしたことはなかった。

 一方で武蔵野署は緊急時に即応するため、冨田さんの電話番号などを「110番緊急通報登録システム」に登録していたという。

 岩埼容疑者のものとみられるツイッターには、今年1月に「腕時計をプレゼントする意味を知っていますか? 大切に使ってくださいね」との書き込みがあった。

 その後も腕時計に関する書き込みがあるが、「要らないのなら返して。それは僕の『心』だ」「郵便局から荷物が届きました。差出人不明。腕時計と本3冊が入ってました。送ってくれなくても取りに行きましたよ。嫌な女」などと感情的な内容になっていた。

 一連の対応について警視庁は「書き込みの中身が直ちに危害を加えるような内容ではないと判断した。問題があったかどうかは捜査を通じて明らかにしたい」としている。

 岩埼容疑者の実家がある群馬県に住む兄(34)によると、同容疑者は県内の私立高校を中退。両親と暮らしていたが、「庭師の仕事を見つけた」と数年前に実家から離れたという。兄は「近況はほとんど知らない」と話している。

警察の対応検証必要 ストーカーなどの相談を数多く受けているNPO「ヒューマニティ」(東京都)の小早川明子理事長の話 警察に相談するほど身の危険を感じていた女性を、なぜ1人でライブ会場に向かわせたのかと思う。違法性がないからすぐに取り締まれなかったとしても、警察が主催者らと連携すれば、事件を防ぐ態勢を取ることはできた。110番があってからの対応では遅い。相談を受けた段階でどんな安全配慮を行ったのか、検証が必要だ。

ファン交流、潜む危険 SNS、握手会…縮む距離

 アイドル活動をしている女性が襲われた事件としては、「AKB48」のメンバーら3人が、2014年5月に岩手県で開いた「握手会」のイベントで、男にノコギリで切りつけられ重傷を負ったことがある。傷害と銃刀法違反の罪で懲役6年の実刑判決が確定した男(当時24)は「人を殺そうと思った。AKBなら誰でもよかった」と供述した。

 業界関係者によると、芸能事務所に所属してテレビなどで活躍するアイドルに加え、最近は事務所に所属せず小規模な会場を拠点にするアイドルも増えている。こうしたアイドルは、ファンと直接交流する機会が多い。ブログやツイッターなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使って自らライブ予定を告知したり、イベントで対話したりすることも。あるイベントを主催する事務所のスタッフは「アイドルとファンとの距離が近くなっている」と話す。こうした実態が、ファンとの間で起きるトラブルの背景にもなっていると関係者は指摘する。

 関西でイベントを運営する男性(41)は「イベント会場の入り口までタクシーで行くことや、危険に遭わないよう細心の注意を払うことをアドバイスしているが、ファンがストーカーのようになってしまうのを完全に防ぐことは難しい」と話す。【柳澤一男、深津誠】

関連記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 沖縄女性遺棄 「暴行発覚恐れ殺害」…米軍属が供述
  2. オバマ大統領広島へ 原爆投下「謝罪せず」…米補佐官
  3. ATM 1400台一斉不正 全国で計14億円引き出し
  4. 住居侵入 福山雅治さん方に 容疑のコンシェルジュを逮捕
  5. 沖縄女性遺体 容疑者、子ども生まれたばかり

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

[PR]