地震で農業用水路使えず コメ農家が作付け断念

地震で農業用水路使えず コメ農家が作付け断念
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一連の地震の影響で熊本県御船町では土砂が流れ込むなどして農業用の用水路が使えなくなり、300軒を超えるコメ農家がことしの作付けを断念することになりました。
御船町にある七滝土地改良区によりますと、一連の地震の影響で農業用の用水路が複数の場所に亀裂が入ったり、土砂が流れ込んだりしたために水が流せない状態になっています。このため、地域の300軒を超える米農家がおよそ175ヘクタールの水田のことしの作付けを断念したということです。
コメ農家の谷村繁満さんは、およそ50年間、地元でコメ作りをしてきましたが、水田のあぜが崩れ、用水路が土砂に覆われた状態になっています。さらに水田も至るところに亀裂が見つかっていて、今後、用水路が復旧してもコメ作りは難しいということです。
谷村さんは「先祖代々、コメを作ってきたが、ことしはコメ農家がコメを買わないといけなくなってしまった。残念としかいいようがない」と、落胆した表情で話していました。
七滝土地改良区の野田貴久理事長は「作付けを断念してもらうことは苦渋の決断だった。この用水路は防火用水も兼ねているので、火事が起きたら大変なことになる。早く使える状態にしたい」と話していました。