レスター “奇跡の初優勝”への軌跡

レスター  “奇跡の初優勝”への軌跡
レスターはイングランドプレミアリーグの中で資金力も乏しく昨シーズンは最下位から辛くも残留し、今シーズンも残留を目標としてきた小さな街のクラブですが、世界のサッカーファンを驚かせる世紀の番狂わせで“奇跡の初優勝”を勝ち取りました。
昨シーズン14位のレスターに、今シーズン日本代表のフォワード、岡崎慎司選手がドイツのチームから加わりました。ドイツ1部リーグで2年連続二桁得点の実績が評価されての移籍でした。

岡崎が移籍

昨シーズン14位のレスターに、今シーズン日本代表のフォワード、岡崎慎司選手がドイツのチームから加わりました。ドイツ1部リーグで2年連続二桁得点の実績が評価されての移籍でした。

新監督を迎えての開幕

監督も今シーズンからラニエリ監督に替わりました。イタリア1部リーグのユベントスやインテルなどの強豪を率いた経験もある64歳のベテラン監督ですが、リーグ優勝の経験はありません。そのため、資金力を背景に大型補強を進めるマンチェスターユナイテッドなどのビッグクラブに比べると注目を集めることはなく、ラニエリ監督も「勝ち点40、残留が目標」と現実的な目標を掲げ、シーズンに臨みました。

岡崎初ゴール8/15

開幕戦でフル出場した岡崎選手はアウェーでの第2戦で先制点を決め、プレミアリーグ初ゴールをマークしました。チームも勢いに乗り、開幕から6試合を3勝3引き分けでリーグ唯一の負けなしで上々のスタートを切りました。

堅守速攻、エースが躍動

ラニエリ監督は全員にハードワークを求め、堅い守りからの素早いカウンターを攻撃のスタイルに定めました。そのチームを引っ張ったのが無名選手からエースに成長したバーディー選手です。
8部リーグのチームからはい上がり、5年前までは工場で働きながらプレーしていた29歳がプレミアリーグ2年目の今シーズン、スピードある突破と闘争心あふれるプレーで大きく花開きました。開幕からゴールを量産し、11試合連続ゴールというリーグ新記録も樹立し、チームを首位争いに押し上げていきました。
堅守速攻が浸透したチームは安定した戦いを続け、シーズンも後半戦に入った1月に首位に返り咲くと、以後は一度も首位の座を明け渡すことなく、強豪ひしめくプレミアリーグで「歴史的な快進撃」と世界中から注目を集めました。

シーズン終盤も勢い衰えず

岡崎選手も献身的な守りとゴール前での泥臭いプレーを続け、3月の第30節では芸術的なオーバーヘッドシュートを決めるなどチームに欠かせない存在となっていました。レスターの勢いはシーズン終盤に入っても衰えず、5連勝を含む10試合負けなしで優勝に王手をかけていたのです。