脳疲労とは
脳疲労とは外部からの情報過多により、大脳新皮質と大脳旧皮質の関係性が破綻し、脳が正常な機能を果たせなくなった状態をいいます。
大脳新皮質は“知性を司る脳”といわれ、言語や論理、芸術を理解するなどの働きをしています。一方、大脳旧皮質は“本能を司る脳”といわれ、喜怒哀楽・快不快といった情動や食欲・睡眠欲など生理的な欲求の中枢をなしています。
通常は大脳新皮質が身体の外側からの情報を大脳旧皮質が内側からの情報を処理し、バランスを保っている両者ですが、外部から多くの情報が入って くると、大脳新皮質がそれらの情報を処理しようとフル回転し、大脳旧皮質からの情報(情動、本能の欲求)を無視せざるを得なくなります。その結果、情報の 流れが大脳新皮質から大脳旧皮質へと一方的に(抑圧的)になり、自律神経にアンバランスな指示が送られることにより、「脳疲労」が起こるのです。
脳疲労の原因
現代社会の異常とも言える情報量
仕事などで長時間「過度な情報」を脳で処理するといったストレスが溜まると、脳が正常に機能しなくなり、脳の働きが低下してきます。
ネットやゲームのやり過ぎも「情報過多」の状態を招き、脳の働きが低下します。勉強のしすぎも「情報過多」の状態を招きます。あまり根をつめて、勉強し過ぎないようにしましょう。適度に休憩を挟んだり、栄養を摂ったり、遊んでストレス解消をしたりして、工夫して勉強しましょう。
我慢のし過ぎ
生物が本来持っている「~したい!」という欲求を抑えこむということも脳疲労の原因になります。時には自分を解放して、好きなことを思う存分楽しみましょう。好物を心ゆくまで食べてもいいし、朝から晩までカラオケで歌い続けてもいいし、友達と語り合いつづけるもいいです。とにかくストレス解消に一日をおもっいっきり満喫しましょう。(あっ、破目を外しすぎて、誰かに迷惑をかけたり、体を壊したりはしないでくださいね。ストレス解消ではじめた事がストレスの原因になっては意味がないですから)
睡眠不足
徹夜が続き翌日も仕事で脳の疲労感が回復しないまま仕事をしたり知的な作業を行うことで少しづつ脳の疲労が蓄積してゆきます。
脳疲労の症状
夜中に目が覚める、身体を使わないのにへとへとだ、考えがまとまらない、食事をおいしく感じない。身体や心の疲れが原因と思いがちな、これらすべての症状が、「脳疲労」が原因という場合もあります。
「ホルモン分泌」や「免疫機能」「食欲のコントロール」といった機能が低下し、「疲労感」「ヤル気が出ない」「身体がうまく動かない」「不眠」「食欲不振」といった症状が出ます。
脳疲労が続くと、思考がはっきりしなくなったり頭痛がしたりするようになります。頭にモヤがかかったような状態になる人もいれば、物忘れが多くなるという症状もあります。
脳疲労は肥満の原因になることがある
脳疲労がたまってきますと、ブレーキがきかなくなり、食欲が制御できなくなりますので、今まで以上にたくさん食べないと我慢できなくなります。
脳疲労になると、五感、とくに味覚が正常に働かなくなってしまい、無性に脂っこいものや甘いもの、濃厚な味付けのものを食べたくなってしまう
五感とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のことですが、中でも味覚の異常が一番顕著なため、藤野先生の病院では味覚テストを実施しています。
「本来、10の甘味料を摂れば、10甘いと感じられるはずなのですが、脳疲労がある人は20摂ってようやく10の甘さを感じるといった 状態となります。脳疲労が強い人ほど、その状態はエスカレートし、30摂ってようやく10とか、100摂って10感じるという人さえいます。このような状 態になると、たくさん食べないとおいしいと思わなくなるため、甘い物や脂っこい物、味の濃い物をたくさん欲するようになります。また、食べる量自体のモノ サシも狂ってしまうので、たくさんの量を摂らないと満足しなくなり、その結果、太ってしまうのです。逆に、脳疲労があると、意欲は低下してしまうため、運 動したいという意欲が低下しやすく、肥満が加速しやすいのです」
参考サイト
症状が悪化するととても危険
さらに無理な負担をかけたりするとストレスが限度を超え様々な精神症状を引き起こすこととなります
脳が疲れてくると感情にも鈍くなり、泣きたいときにもなく事ができなくなったり、笑うことも出来なくなったり感情が外に出なくなってしまいます。
うつ病になる可能性があります。
徹夜が続き翌日も仕事で脳の疲労感が回復しないまま仕事をしたり知的な作業を行うことで少しづつ脳の疲労が蓄積してゆきます。このような状態を日々繰り返 していくと確実に、うつ病の脳へ近づいてゆきます。通常であれば睡眠をとったり休憩を取ったり などレジャーなどでリフレッシュすることにより脳疲労は回復しますが、そのような事を行っても脳疲労が回復しないような場合には確実にうつ病の第一歩を歩 み始めていますので要注意です。
脳疲労が蓄積すれば、認知症、アルツハイマー、脳内出血、脳溢血などになるリスクが高まります。
脳の疲労度をチェック
以下のサイトで脳疲労度チェックが出来ます。
脳の疲れを解消する方法
軽い運動をする
「運動」というと一般的には「疲労」というイメージがありますが、軽度の運動の場合であれば脳は肉体が疲労するのとは逆に回復するということが知られています。
まず軽度の運動は脳内の血流を活発化させ、細胞に酸素を行き渡らせる働きをします。また運動は各種脳内物質の分泌を盛んにするという事も知られています。
その脳内物質の内の一つであるドーパミンは興奮・覚醒作用を持つため記憶力や認知力が向上し、また同時に分泌されるエンドルフィンはリラックス作用を持ちストレスを解消させます。
さらに日常的な運動習慣は加齢に伴うニューロンの減少を抑え、脳そのものの働きを強化する作用も持ちます。
ただし、過度の運動は逆に脳内の酸素の消費を激しくし疲労を増大させ、脳内の血管を傷つける場合もありますので、あくまでも「適度」な運動を心がけるようにしてください。
深呼吸をする
呼吸が浅くなると、脳に酸素がいきにくく脳疲労の原因になります。
目を閉じる
人間は外界の情報のおよそ80%を「目」から受容しており、そのため眼精疲労は脳の疲労に直結すると言われています。
ですので、手っ取り早く脳の疲労回復をするためには一定時間目を閉じ、情報受容をストップしてしまうという方法もあります。
また目を閉じた際にホットタオルやアイマスクなどで温めるということを同時に行い、神経のコリをほぐすことにより、より一層の疲労回復効果が期待できます。
カフェインを摂る
覚醒作用を持つカフェインを摂ることも効果的です。
ただしカフェインは一時的に脳機能を活性化させはするものの、根本的な疲労回復効果は無いためその点は注意するようにしましょう。
良い香りを嗅ぐ
アロマオイルなどの香りを嗅ぐことも脳疲労の回復に絶大な効果があることが知られています。
「香り」はその人が好きなものであればどんなものであれリラックス作用のあるエンドルフィンが分泌されるため効果があります。
ただし特に草や木の葉など「緑」のものに含まれている青葉アルコールや青葉アルデヒドは、脳疲労の回復に直接的に作用するということが大阪市立大学大学院などの研究により明らかになっています。
頸動脈を冷やす
ぬれタオルや氷ベルトなどを首にあて、頸動脈を冷やすことにより脳へ行き渡る血液を冷やし、それによって脳内の無駄な温度上昇(エネルギー消費)を抑えるというという方法です。
内部にチューブを張り巡らせ、それによって水を循環させる「水冷式パソコン」というものがありますが、原理的にはこれと同じこととなります。
入浴をする
ぬるめのお湯に長時間浸かることにより、緊張緩和を司る副交感神経を活発化させ、脳の疲れを癒やすという方法です。
この際、あまり熱い温度にしてしまうと逆に緊張感を司る交感神経が活発化してしまい、また時間に負われている感覚がある場合にはリラックスをするということがなかなか難しくなってしまいますので注意するようにしましょう。
仮眠をとる
脳の疲労回復においては、やはり睡眠が最も効果的です。どうしても脳が疲れてしまったという場合には、10〜15分程度の短時間でも良いので仮眠をとるようにしましょう。
昼間の短時間の仮眠は記憶力や集中力を向上させるほか、心臓病の予防にも効果があるとされています。
ただし、30分以上の長時間の仮眠は、逆に心身に負荷をかけてしまうということが知られていますので注意してください。
栄養を摂る
脳のエネルギー源となる栄養素はブドウ糖のみですが、それ以外に脳機能の活発化を促進する栄養素もいくつか存在します。
その内記憶力の向上が確認されているものとしては大豆やピーナッツ、アーモンドなどに多く含まれるレシチンや、青魚に含まれるDHA・EPAがあり、集中力が向上するものとしてはカカオ豆などに多く含まれるテオブロミンなどがあります。