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「ハートシート」治験を開始 大阪大

大阪大が行う治験のイメージ

 大阪大は5日、重い心臓病向けの再生医療製品「ハートシート」を使い、拡張型心筋症の子供を対象にした治験を始めたと発表した。成人に限られている保険診療の対象を、18歳以下にも拡大することを目指す。子供の臓器提供が少ない国内では治療が難しい疾患であるため、認められれば有力な治療法となる。

 ハートシートは、阪大が開発し、医療機器メーカーのテルモ(東京)が販売する。患者の脚の細胞をシート状に培養したもので、心臓に貼ると血液を送り出すポンプ機能を改善させる効果がある。昨年9月、厚生労働省に条件付きで承認されたが、使えるのは心筋梗塞(こうそく)などで重い心不全となった成人に限られていた。

 拡張型心筋症は、心臓が筋肉の機能低下によって拡大し、心不全を引き起こす疾患。重症化すると心臓移植が必要となる。阪大によると、国内では年に約50人の子供の重症患者が新たに出るが、国内では臓器提供の件数が少なく、海外で手術を受ける人も多い。

 治験は3年間かけて実施。重症化する前の18歳以下の患者3人を選び、ふくらはぎの細胞を取ってシートを作り、効果や安全性を確かめる。記者会見した阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)は「臓器提供が少ない中、治療法を確立させ、なんとか患者を救いたい」と話す。【畠山哲郎】

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