先日、18日にはてなの東京オフィスで開催されたこちらのイベント。
editor.hatenastaff.com
告知を見て「これは面白そう!」と申し込んだところ、参加できることとなり行ってまいりました。当日は恐らく業務の一環として来られていた現役編集者の方が多かったのか(?)、イベントの様子などについて現時点でTwitterやブログでは殆ど見られないようです。
恐らく、後日公式のレポートがアップされるかと思いますが、私の観測範囲でもこのイベントに興味を持っていた方がいらっしゃるようなので、メモの共有をしておこうと思います。
MacBook持ってないの僕だけなんだけど…
— OKP (@iamadog_okp) 2016, 2月 18
あまりこの手のイベント参加しないので、ビックリしました…(笑) 実はその場でメモを取っていなかったので、録音聞きかえしながら、印象的な部分のメモをピックアップしました。
で、お前(OKP)は編集者なの?
まず、ここですね。現在は無職主夫な私ですが、実は昨年まで十数年間、紙の世界の編集者をしておりました。といっても小説などの読み物系ではなく、やや特殊な趣味性の高いジャンル。編集者の経歴としては珍しい(?)分野かもしれませんね。ブログを見て頂ければ分かる通り、特別文章スキルがある訳でもありませんし、専門分野における知識や経験で重宝されていたというか…?
とまあ、以前の職については今の所ブログで詳細を明らかにするつもりはないですが、現在も当時の関係者などから声を掛けられては、たまに編集の手伝いなどもしております。
…ということで、自称“フリーな編集者”ということで、当イベントに応募をした所、無事当選となったのでした。
イベント“メモ”です
今回の「編む庭」ははてな編集部スタッフの方が、それぞれ相手を招いて話をする2本の対談がメイン。どちらも興味深く面白い対談でしたが、各40分とそこそこボリュームもあった為、ちゃんと内容をまとめるにはやや辛い…(笑)
というで、自分のためのメモ書き程度になってしまいますが、興味ある方だけ見てやってくださいませ。正直、参加してない方にどこまで伝わるか怪しいですが… 分からなかったら、公式レポートを待ってください。ごめんなさい。
「はてなの編む仕事」とは?
対談前に司会の方による簡単な「はてなの編集」仕事についての説明。技術イメージの強い「はてな」という会社における、編集の役割とは?
- はてなブログの編集
- いいブログを発掘して後押しすること(週間はてなブログ、FBページ、オウンドメディアに起用、など)
- オウンドメディアの編集
- はてなブログメディアのサービス提供。編集協力など
- はてなブックマークの編集
- 自動と手動をいい塩梅に:はてなブックマークの編成やトップページのセレクトなど
- 公式アカウントの開拓、提携
- はてなニュースの編集
- 拾う・聞く・書く
- ネットの話題をピックアップして編集(編集部は京都本社)
- いろいろ編む
- その他各種 サービスにも編集者が付いている。告知ページやコピー、ヘルプの作成など。
- KADOKAWAとの共同運営、小説投稿サイト「カクヨム」。
- 各サービスの技術面以外を支えているのが「はてなの編集」
対談 その1 高橋征義(達人出版会)× 毛利勝久(はてな)
IT技術書の編集者出身である毛利氏と、技術系電子書籍を制作している高橋氏の対談。紙の編集とは違う、電子技術書ならではの制作スキームについての話題が中心となった対談でした。
- 「このコンピュータ書がすごい!」ジュンク堂で開催されるトークセッション。
- ランキングに入る大量の技術書は、半分以上目を通してる(高橋)。ただし軽く目を通すだけ、技術書は最後まで読むものではない(笑) 小説と違い、必要な部分だけ読むのが専門書。→Kindleなど電子デバイスの使い方は、読む人によって全く違う。
- 自分が読むべき本は、どのような集団に属せれば分かる?
- ネット上にかつてあったコミュニティ的なものが今は無くなってきてる? ソーシャルで拡散されたものを判断する。流れの中から拾うような方向へ。
- 何故、電子書籍を始めようと思ったか(高橋)
- コンテンツ重視の出版物を広告モデルで出すのは難しい?→それなら電子書籍で
- 広告型でなく、従来型の課金モデル(読み手→書き手)
- 紙に比べ、購入者向けのコンテンツの更新が容易(修正版、改訂版)
- 電子書の制作時のメリット
- はてなブログの寄稿は、ブログメンバー機能を利用している(毛利)(ただし、編集履歴は見られない)
- 原稿のバージョン管理がクラウド上でできる仕組みの可能性…
- 編集者の手助けをする自動化ツール(高橋)
- 技術書を書く人間は技術者なので、自動化の仕組みを使いたい人が多い
- Atom(GitHub)上で動く校正ツール(標記統一など)についての解説
- 紙の編集者のチェック能力にはまだ叶わない
- 読者が参加するオープンソース的編集の可能性
- 未完成でも読者に公開して、フィードバックを貰う仕組み。リソースを分散。β版の公開
- 従来型、紙の編集者ではありえない →電書/技術書ならではのやり方?
- 一ヶ月前に手に入るなら未完成でも欲しい読者はいる(情報の速さにニーズがある。追々正確さはフィードバックされる)
- アーリーアクセスの電子書籍は既に存在する
その後の質問タイム(受付時にフォームで募集したもの)の回答は、Web、ブログ寄りの話題などもあって、非常に面白かったのですが、一部抜粋して後は割愛します。公式レポに期待!
- Webコンテンツを作るのに編集者は必要か?(「編集者になりたい」という質問?からの展開で)
- マネタイズを意識すると広告主の方向を向いて、コンテンツを作るようになる可能性…。→ 検索エンジンを見て書いてるとしか思えない記事への疑問
- 企業メディアのブランディングをする際、PVや検索エンジンばかり見た記事作りをしないようなチェック役が必要?→「編集者」←プラス、事業として成立できるかチェックできる人間も必要
- 「コンテンツとビジネス」を両方から見られる人がいるなら欲しい(笑) はてなは編集者募集中です!
対談 その2 内沼晋太郎(numabooks)×伊藤博典(はてな)
下北沢の書店B&Bの内沼氏と、はてなブックマーク編成を担当する伊藤氏の対談。イベント頭に司会の方が説明された「はてなの編む仕事」のスライド(冒頭メモ)に沿って、はてな編集者の仕事ぶりについて、伊藤氏がもう少し突っ込んだ内容を紹介。トークセッション慣れした内沼氏が主に聞き役として、話を引き出していきます。
- はてなブログの編集
- 毎日ひたすらブログを見る。大量のブログを見てます
- ブログを見てるだけですか?(内沼) そんな感じ(伊東) ←そんなことない!と突っ込みが入る(笑)
- オウンドメディアの編集
- 企業のコンテンツマーケティングの流行。メディアを持っても載せる記事がない。←いいはてなブロガーを紹介、仲介して記事の執筆を依頼
- 多くのブログユーザーを抱えているはてなの強み
- 周知にはてなブックマークを利用 →メディアの周知、記事の拡散において、はてなブックマークがある強み
- はてなブックマークの編集
- 投票(自動)で広がる仕組み。本来編集が介在する必要はない
- ただし、それが会社にとって見せたいものか? 作りたい世の中に合っているのか? 必要であればチューニング
- 自動で回ってるものへの介入ではないが、開発者と協力してチューニングを行う
- 例えば「はてなブログ枠」を作る。優遇策、贔屓ではあるが、それによって伸びるブログもある→これも編集
- 面白い記事、ブログの価値観を共有するには…?
- 元々はてなには良いものを見つけ共有する、エンジニア的(ネット的)文化が思想として根付いている
- スタッフがSlackで常に情報共有を行ってる
- 紙の雑誌のような、編集長のカラーがトップダウンで色濃くでる文化とは違う
- 企業メディアを運営するにあたり、ブランドを作れる編集長の必要性も感じている
- リトルプレスも作っている(?)伊藤氏。自動化で編集されるはてブとの違いについて
- パブリックなものは自動化への流れ。個人の主張、趣味性の強いものは同人誌として…
- ブログとリトルプレス(小規模出版)は似ている?
- 個人の意見表明であるようなブログと、同人誌は似ている
- 取次を通してないリトルプレスを多く扱うB&Bと、はてなは似ているかも?
- ブログとの違い。紙ならでは手触りがある。
- はてな匿名ダイアリーが好き(伊藤)
- 無視できない存在感。
- 社内でも位置づけの難しいもの。サービスの細かいニュアンスが大事でそっとしておくべきか?(手を入れたらユーザーが一気に離れるかも) 奇跡的なバランス感。
- はてなブログでジャニーズが熱い
- 場を整備したことで活性化された。上手く行った例として
- トピックから新たな面を作る話
- はてブには速報性がない
- 咀嚼されてから出てくるもの。ニュース的な速報性はない
- 「編成」と「編集」の違いについて(フォーム質問より)
- 「編成」は規律がはっきりしたもの。仕組みに当て込めていく作業。「編集」はもっとふわふわしてルールが決まってない。
- はてブは編成。はてブは実は管理ツールが充実している。管理ツールはちょっとしたチューニングでコミュニティが変わったりするので面白い(編成の面白さ)。
以上、駆け足ですが当日のイベントメモでした(ここから記事を生成するのが本来の編集の仕事だ!?)
実際、私自身もはてな編集部の方にブログを発見され(?)、オウンドメディアへの寄稿依頼があった側の人間でもあるので、この辺りの仕組みの話も含め、どちらも興味深く対談を楽しむことができました。
第2回があるならば、ぜひまた参加してみたいですね(クネクネ)。
懇親会にて…
イベント後の懇親会でははてなのユニーク福利厚生の1つである「スイーツタイム」が、参加者へと振る舞われました。
pr.hatenastaff.com
ミックスベリーのマフィンと… ええと名前失念。レモン系のクリームのスイーツで、私も頂きましたが、美味しかったですよおお!!!
さて、懇親会といっても知り合いなんて何処にもいませんし、しばらく手持ちぶさたにしておりました。しかし、せっかく前々日にブロガー名刺(笑)を作ったことですし、はてなのスタッフの方を見つけては挨拶してみることに。
おじさん、取り敢えずの名刺作ってみた。一部大きな嘘があるけど名乗ったもん勝ちということでw pic.twitter.com/tvbmzaDkfH
— OKP (@iamadog_okp) 2016, 2月 17
するとすると、はてな編集部の皆さんが、なんと私のことを知ってくださってる! 一応、楽天それどこへの寄稿などもあって、お二人ほど編集の方とはやり取りさせて貰ったことがありました。まさか接点のなかった方まで私のIDを見て分かってるとか、おじさん感激です(涙)。
仕事で多くの出版物に関わってきたとはいえ、あくまでブログは道楽ですし、決してクオリティが高いコンテンツを提供してないことも分かります(編集者視点でもw)。それを、同じ“編集者”の方が見てくださり、おまけに評価して貰えるなんて、例えお世辞であっても嬉しい訳なのです。自分では全く意識してませんでしたが“編集者らしい”ブログだと言って貰えたのも嬉しかったですね。
出版物というものは例え企画から関わったものであっても、多くの人間の手によって作られるもので、決して自分1人で完成までこぎ着けられるものではないです。しかし、ブログは違います。私が書きたいことだけを、書きたいように、自由に発表することができる、大袈裟に言うなら自分だけのメディアです。
ダラダラ続けてきてブログではありますが、最近では何気に生活の基盤の1つにもなってたり(!?)、今の私にとってかなり重要なものとなっています。この日記スタイルは維持しつつも、今後はもっと様々なことに挑戦してみようと計画もあるので、あまり期待せずに今後も覗いて頂ければありがたいです。
完全に余談ですが、はてなの中の方で私にハロヲタ告白をしてくれた方がいまして、強くハロプロ研修生についてレコメンドされました(笑) そして帰宅すると妻からは「これ聴きな」とこんなCDを手渡されるという、、、、何この包囲網!?