韓米外交秘史、クリントン氏公務メール公表で明らかに

オバマ政権、12年に6カ国協議の南北代表会合を提案

 クリントン前米国務長官が在任中に公務で私用メールを使っていた問題により、外交秘史が次々と明らかになっている。国務省は昨年末までに機密の分類を終えたクリントン氏の公務メール5500通を公表したが、その中にはオバマ大統領が2012年に再選を目指し北朝鮮と積極的に対話に乗り出していた事実も記されていた。このメールにより、当時、オバマ政権が北朝鮮の「ラブコール」をはねのけ対北朝鮮政策で同盟国の韓国の立場に配慮していたこと、これまで伝えられていたよりも韓半島(朝鮮半島)問題の解決に積極的だったことが確認された。

 オバマ政権は12年2月、北朝鮮がウラン濃縮活動やミサイル発射を停止する見返りに24万トンの栄養補助食品を支援することなどで北朝鮮と合意した後、米朝間の非公式協議ルートである「ニューヨーク・チャンネル」を通じて韓国と北朝鮮による6カ国協議首席代表会合の開催を促した。

 ニューヨーク・チャンネルの米国側担当者だったハート6カ国協議担当特使は3月4日、北朝鮮側担当者の韓成烈(ハン・ソンリョル)国連代表部次席大使に電話をかけ、6カ国協議北朝鮮首席代表の李容浩(リ・ヨンホ)外務次官の訪米ビザ発行を認めると伝えた。

 李次官は同年3月7日から2日間、ニューヨークである会議に出席する予定だった。ハート特使はその会議に6カ国協議韓国首席代表の林聖男(イム・ソンナム)外交部(省に相当)朝鮮半島平和交渉本部長が出席すると伝え、南北の6カ国協議首席代表による会合を提案した。だが、北朝鮮は韓国を排除して米国と直接交渉するという「通米封南」を狙い、これを拒んだ。

 ハート特使は「李次官が林本部長と会い、米朝関係で肯定的な雰囲気が維持されれば、シドニー・サイラー国家安全保障会議(NSC)朝鮮半島担当部長と自分がニューヨークへ赴き、会談することも可能だ」と説明して南北の会合を重ねて要請したが、北朝鮮は応じなかった。

ワシントン=ユン・ジョンホ特派員
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